2月12日(木)に、6年生が家庭科「共に生きる地域での生活」の学習の一環で、特別養護老人ホームみわの里の職員の皆様に講師をお世話になり、認知症サポーター養成講座を受講しました。今年度で2回目の試みで、「①認知症についての正しい知識を身に付けさせるとともに、認知症ケアやコミュニケーション技術等についての理解を深められるようにする。/②高齢社会の現状と課題について認識し、社会(地域)づくりの主体者としての意識を高める。」という目標をもって実施しました。認知症家族の会の小林代表が参観されました。
初めに、アイス・ブレイク(「氷を解かすこと」の意味で、初対面などの緊張を解きほぐすための手法)を行い、「泣いている人がいます。なぜ泣いているのでしょう?」ということを考えました。6年生とみわの里の皆様、本学園職員で考えを発表し合いました。子どもたちからは、「好きだった公園がなくなった。」「砂が目に入った。」「ペットがいなくなった。」「ゲームができなくなった。」「歯が痛くなった。」という回答がありました。みわの里の皆様からは、「子どもが大学生になって家を出た。」「足の小指をぶつけた。」「冬季オリンピックで金メダルを取った姿に感動した。」「誕生日のカードをもらった。」などの回答がありました。互いにいろいろな感情から出る涙を連想していて面白かったです。



程よく緊張がほぐれたところで、認知症についての基礎知識を学ぶ講義に入りました。
現在、日本国民の3人に一人が65歳以上となりました。そして、65歳以上になると増えてくるのが、認知症患者です。65歳以上の5人に一人が、90歳以上になると半数の人が認知症になると言われています。認知症とは、「思い出すこと」や「覚えること」が難しくなる病気のことです。脳が縮んだり、脳の一部が傷付いたりすることで、「物忘れがひどくなる」「今までできていたことができなくなる」ということが起こります。だから、聞いたことを忘れて何回も同じことを聞いたり、晩ご飯を食べたことを忘れて「食べない!」と言い張ったりします。
予防のためには、食生活の改善が大切だとのことでした。さばやいわしなどの「青魚」、きのこ類、納豆、海藻類などを食べたり、バランスの良い食事を腹八分目食べたりすることです。また、軽く汗をかく程度の有酸素運動をする、適度な睡眠、禁煙、ストレス発散なども大切とのことでした。そして、趣味の活動、指先を使った作業、役割と生きがいを持つと言った「脳の体操」が良いとのことでした。
認知症の人は、「今までできていたことができなくなった。」「みんなに怒られてばっかり。」「毎日不安でいっぱいだ。」とどんどん元気がなくなっていきます。認知症になると、覚えることは難しくなりますが、心や感情は残ります。だからこそ、周囲の人の表情や言葉が優しくなることで「不安な気持ち」が「安心した気持ち」に変わるのです。



続いて、みわの里の皆様の寸劇を見ながら、具体的な対応について考えました。
「みわおばあちゃん」が、味噌を買いに一人で出かけますが、道に迷ってしまいます。そこに、おばあちゃんをよく知る近所の小学生「よっちゃん」と「みかちゃん」の二人が声をかけ、おばあちゃんの話を聞きます。二人は、おばあちゃんと一緒に近所の商店に向かいます。そして、店員さんに事情を説明していると、丁度おばあちゃんの息子さんが探しに来られたので、無事おばあちゃんを引き渡します。



大切なことは、困っているおばあちゃんに「よっちゃん」と「みかちゃん」が優しく声をかけたことです。認知症のおばあちゃんは、不安な気持ちで一杯でしたが、優しい声かけにより安心することができました。認知症の人には、「優しい気持ちで、優しい言葉で接する」というのが大きなポイントであるとよく分かりました。また、「大人の人に相談する」「地域のみんなで関わっていく」ことが大切だと学びました。
さて、認知症の予防には、「趣味の活動、指先を使った作業、役割と生きがいを持つと言った『脳の体操』が良い」とのことでした。そこで、みわの里で行っている指や腕を使った体操を体験させていただきました。両手を前に出し、指を順に折ったり開いたりする運動や、左手を右耳に、右手を鼻に置いて、手を交互に入れ替える運動、片方の腕を前に出して「グー」、もう片方の腕を胸に付けて「パー」にして、交互に腕を入れ替える運動などなど、多くのバリエーションを体験しました。これがなかなか難しく、子どもたちも学園職員も、頭をフル回転しながら取り組み、大いに盛り上がりました。



講座の終わりに、児童全員にオレンジリングを頂きました。オレンジリングとは、認知症サポーター養成講座を受講した人に授与される、認知症サポーターの証です。



最後に、代表児童がみわの里の皆様に、「認知症の人は、覚えることが難しくても、『悲しい』『うれしい』という思いはもっていることが分かりました。」という感想を述べた後、全員で「ありがとうございました。」とお礼を言いました。



子どもたちの感想を紹介します。
「覚えることや思い出すことが難しいから繰り返して聞いてしまうことが認知症だと知って、優しく声をかけることがとても大切だということが分かった。また、認知症予防のために手を使った運動を体験して、迷うものや難しいものがたくさんあったので、家でもまたやってみたいと思った。」
「認知症の人には優しく寄り添うことが大切ということが分かりました。劇を見て、話しかけて助けるのがすごいなと思いました。私もサポーターとして、勇気を出してどうしたらよいのか考えて行動をしたいなと思いました。」
「私は、今日の話を聞いて、認知症の人には、『優しく声をかける』『大人の人に相談する』『地域のみんなで関わっていくこと』が大切だと知りました。何か覚えたりすることは難しいけど、思いや気持ちは残っているということが分かりました。認知症の人を見かけたら、優しく声をかけ、困ったら大人の人や周りにいる人たちに声をかけてこうどうしようと思いました。」
「認知症は、おばあちゃんやおじいちゃんになりやすい病気だと前から知っていたけど、若い人でもなっていまう可能性があることは初めて知りました。私は、認知症のおばあちゃんが亡くなる前に名前を呼んでくれたという話を聞いたことがあります。それを聞いて感動したことがあります。認知症でも感情や気持ちが残っていることは忘れないでおこうと思いました。」
子どもたちには、この日の学びを是非とも今後の人生に生かしてほしいです。みわの里の皆様、お忙しいところありがとうございました。