1月20日(火)に、7年生が大江山鬼そば屋の共同店主、佐々井様と中村様にお越しいただき、キャリア学習を行いました。社会に出たときに必要な知識や心構えなどを学ぶとともに、そば打ち体験をするというのが、今回の目標でした。
佐々井さんは、キャリア学習の一環だからと前置きされ、みんなが今やっている勉強は、全て上の学校や社会につながっていると、学ぶことの大切さを押さえられました。それに続いて、お二人の講師が自己紹介をされました。



大江山鬼そば屋は、170年の歴史をもつそば屋です。中村さんは5代目、佐々井さんは7代目の店主です。お店のメニューは、季節によって変化しますが、50~70種類もあるというから驚きです。
さて、そもそもなぜ「鬼そば」と呼ぶのでしょう?それは、「鬼伝説で有名な大江山にあるそば屋さんだから」…ではありません!実は、麺の硬さ、太さに由来します。昔、硬いことを「こわい(強い)」と言っていました。そば粉のみを使用して作られるそばのことを「生そば」(十割そば)と言います。雲原の「こわいきそば」として名を馳せたのですが、「こわいきそば」という言葉を聞いた旅人が、「怖いと言えば、大江山の鬼のこと。だから『鬼そば』と言うのか。」と勘違しました。その話が広まって、「おにそば」と呼ばれるようになったのだそうです。



佐々井さんには、たくさんの夢がありました。トラック運転手、野球選手、プロレスラー、家政学者、ファッションモデル、自衛官、小説家などなど…。その中にそば屋という選択肢は、ありませんでした。では、なぜ今そば屋を営んでいるのでしょう?それは、大学院の研究の一環で大江鬼そば屋と出会い、アルバイトをするうちに、経営難にあると知ったことがきっかけでした。「170年続くこの店をこのまま閉じさせてよいものか…。」「中村さんが仕事はおろか住む所も失う。」「『また来年に来るよ。』と言っていたお客さんの『来年』はどうなる。」いろいろなことが頭をよぎりました。そして、「後継者がいない?」「じゃあ、継ぐか!」となったそうです。



しかし、そば屋を継いではみたものの、「赤字の店でお金がない。」「そもそも自分は、そば屋になりたくはない。」「これまで経営の勉強をしてきていない。」…と、多くの問題が立ちはだかりました。そこで、やりたいことや、なりたいものへの道は我慢し、がんばるしかないと思ったそうです。佐々井さんは、これを「妥協」と言われていました。
・赤字の店でお金がない。 → がんばるしかない。
・東京に住みたい。 → 今は諦める。
・そば屋になりなたくない。 → がまんする。
・鉄道が好き。 → クルマも楽しむ。
・だけど、面白いクルマを買うお金がない。 → 持っているクルマを好きなように改造する。
・カフェが好きだけど、近くに全くない。 → 自分の店でコーヒーを出す。
・そばばかり作っているとつまらない。 → いろいろな料理を作る店にしてしまう。



ここで重要なのは、「妥協しながらも、努力をする。」ということです。目の前のこと、目の前の人を大事にしようとがんばっているうちに、「夢を自分に近付けることができた。」「だんだん良いことが起こるようになってきた。」ということです。
店の売り上げが伸びていきました。新聞やテレビに出るようになりました。友人や仲間が増えてきました。そして、みんなの笑顔が増えてきました。すると、「何となく楽しくなってきた。」と思えるようになりました。「夢が遠かったはずが、近付いてきている!」と感じました。
ただし、次の五つのことを守っていたからこそだと仰いました。そうすることで、「いつの間にか力に変わっていった」のだということです。これは、重要です!
①ちょっと嫌なことでもやめなかった。
②希望どおりにいかないときでも、真面目に取り組んだ。
③勉強は続けてきた。
④学位と資格や、お世話になってきた方々、先生方のためにも真剣に取り組んだ。
⑤決まり事、ルールや約束を守りつつ、自分らしさをつくっていった。



「夢を諦めないで努力することが大切」…7年生にとって、将来に向けて大きな糧となるお話でした。ありがとうございました。