平成18年度研究事業「地域や学校における特別支援教育体制の充実」
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10 コーディネーター、あなたはどのタイプ?(タイプ別推進方策)
 特別支援教育コーディネーターといっても、色々な立場での人がいます。それにより活動の在り方や悩みも様々。4つのタイプに分けてコーディネーターのを活動をまとめました。あなたはどのタイプ?

・ クラス担任をしながらコーディネーターしています。
教務主任、生徒指導部長、教育相談部長を兼務しながらコーディネーターをしています。
特別支援学級の担任をしながらコーディネーターをしています。
通級指導教室の担当をしながらコーディネーターをしています。

 クラス担任をしながらコーディネーターしています。
    心配その1 LD、ADHDなんとなく知ってるけれど・・
 コーディネーターは校内外の連絡調整役、保護者の相談窓口です。障害の特性を理解し、アセスメントから指導計画を一人で立てる、専門的アドバイスをすることがコーディネーターの仕事ではありません。校内外の人材の得意分野を把握し、コーディネートすることがあなたの仕事です。連絡調整、相談窓口としてコミュニケーション能力が大切です。でも、お医者さんや専門家チームのアドバイスの内容をわかりやすく学校の教職員に伝えられる程度の専門性は身につけられるようにあなた自身も研修をつんでいきましょう。

※市町村毎に外部機関への相談・研修の依頼システム等が違います。受けられる外部機関のサービス、システムを把握しましょう。外部機関との連絡は校長先生や教頭先生にお願いするのもよいでしょう。
 
心配その2 自分のクラスや学年のことで手いっぱい・・
担任をしていると他のクラスの児童の様子がつかみにくいものです。一人で抱え込まず、校内委員会の活性化を図り、担任外の先生に情報収集をお願いしましょう。
  会議ばかりが情報交換の場ではありません。ほっと一息ついている放課後の職員室、教室までの移動時間、行事や集会などあらゆる機会を利用して、支援が必要な子どもの情報収集、担任へのアドバイスをしましょう。それが、会議の回数や時間の節約につながります。
※自分のクラスのSOSがだしにくいかもしれません。コーディネーターをしているからといって、自分のクラスを例外にせず、逆にチームで取り組む支援モデルにしましょう。
学級経営や教科指導の中で特別支援教育を考えていかなければ支援にはつながりません。むしろ、学級担任をしているあなただから切り込んでいけます。
 

 教務主任、生徒指導部長、教育相談部長を兼務しながらコーディネーターをしています。
     コーディネーターは、校内外の連絡調整役、保護者の相談窓口です。あなたの得意な分野ですね。校内外の資源、各関係機関についての情報、今まで生徒指導や教育相談で培ってきた指導方法やノウハウが、とても役に立ちます。
 教務主任ならは、校内委員会など、組織で動く体制を立案し、機能させましょう。組織全体を見直し、整理統合することも検討しましょう。会議の数も減らせます。

 あなたの立場なら、どの教室にも自然に入っていき、子ども達の様子を見ることができます。子ども達も普段の姿を見せてくれるのではないでしょうか。担任の先生も相談をしやすい立場です。保護者とも関係を持ちやすいことも大きな利点です。子ども達、先生や保護者にとっても、あなたは気軽に相談ができる立場なのです。カウンセリングマインドでそれぞれの話を聞く態度や姿勢が一番あなたに求められています。

 専門的知識や技能に不安があるかもしれませんね。アドバイスをもらえる人を身近につくりましょう。他校の情報を得やすい立場を活用して、他校の実践から学ぶのも有効です。
 

 特別支援学級の担任をしながらコーディネーターをしています。
     発達や障害について専門的知識や実践的経験の多さをフル活用しましょう。先生達にとって、とても頼りになる存在です。
 LD、ADHD等の子ども達の指導は、今までの障害児教育が培ってきた個に応じた指導法やノウハウが大いに役に立ちます。専門性をいかして、実態把握からアセスメント、個別の指導計画の作成、担任の先生に指導のアドバイスと、支援を必要とする子どもへの具体的な支援を通して、特別支援教育を推進していくことができます。事例研究会等で理解を深め、特別支援教育について学校全体のレベルアップを図りましょう。

 特別支援学級には、自分の居場所や先生との関わりを求めて、支援を必要とする子どもがふらりとよくやってきます。子どもの実態把握の絶好の機会です。そんな時の子どもの様子を担任の先生に伝える時を、児童の実態や指導支援の方策について共通理解を図る機会にしましょう。あなたのコミュニケーション能力の見せ所です。
 

 通級指導教室の担当をしながらコーディネーターをしています。
     通級指導教室の担当をしていると、LD、ADHD、高機能自閉症等の子ども達の個別指導の機会が多いでしょう。認知や行動の特性に応じた指導法を見つけるのは、難しいことです。個別指導の場面で、指導仮説をもとに学級の中でも活用できる指導方法を開発し、研修会等で学校全体のものにしていきましょう。子どもが変わる支援、子どもが伸びる支援ほど、説得力のあるものはありません。

 担当する児童生徒の対象は全ての学年、クラスにまたがっているので、本人はもとより、担任や保護者と連携が持ちやすいのがなによりの強みです。けれども、子どもの指導を通した個人的なつながりになりがちで、組織的な動きを作りにくいかもしれません。通級指導教室の担当をしていると、放課後に指導があり、他の先生と話す機会や会議が持ちにくいのも事実です。担任の先生達との日常的なつながりを大切にしながらも、組織として動く体制を作ることを心がけましょう。放課後、自由になる時間が少ないあなたは、管理職や教務主任と連携を取り、会議の日程を早め早めに入れるなど、計画的な運営をすることが大切です。

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