南山城村の宇治茶生産景観

文化的景観

南山城村は、木津川両岸にまたがる笠取山地に立地し、冷涼で急峻な丘陵が多くの面積を占めています。明治初頭に需要が高まった輸出用煎茶のために、村各所の緩斜面地が開拓され、山稜の尾根から斜面に茶畑が広がり、裾部に家屋や水田が位置する独特の茶畑景観が形成されました。以降、昭和40年代の大規模造成と機械化により、新たに集団茶園景観が加わりました。
 茶畑には、横畝よこうね縦畝たてうねがあります。縦畝は、動力式バリカンや乗用式の茶摘み機で効率的に茶葉を摘むことができ、防霜ファンからの送風を通しやすくして晩霜害ばんそうがいを抑える植栽方法で、同村の茶畑を代表する風景となっています。
 このように、南山城村の宇治茶生産景観は、山なりの茶畑と山裾の農家等が対をなす特有の景観地であり、宇治茶生産の歴史と村の風土が織りなしてきた、継承すべき文化的景観です。
(平成27年1月22日 京都府景観資産に登録)

 選定年月日 平成27年3月24日
 面積 約50ha
 選定区域 相楽郡南山城村
 地図 こちら(京都府・市町村共同GIS)のページへ
 選定理由 農林水産業に係る景観地
 宇治茶生産の景観 山裾の農家と山なりの茶葉
  
 動力式バリカンによる摘採風景 宇治茶加工の風景
  
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