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3年生 理数探究科
理数化学 醤油の塩分の測定
 令和4年5月11日
 理数探究科の3年生が、化学の知識を応用した「醤油の塩分測定」に挑戦しました。

 現在、化学は「化学平衡」まで学習が進んでいますが、化学の中でも特に理解が難しい単元です。日頃は問題を解くことで、化学現象の理解を深めていきますが、適切なタイミングで実験も行うことで、実験器具の使い方や観察する力、データをまとめる力を養います。

 今回はモール法という水溶液中の塩分濃度を測定する分析法を用い、身近な調味料である醤油の塩分測定を試みました。モール法は難関大学の入試問題として出題されることもあり、生徒達も問題に挑戦しましたが、実際に実験を行うことで現象のイメージがしやすくなります。

 今回の実験では、化学反応で生じる沈殿を利用しました。うすめた醤油に硝酸銀水溶液を加えると、銀イオンが醤油の塩分=塩化ナトリウムの成分である塩化物イオンと反応し、塩化銀という白い沈殿が生じます。その量から醤油に含まれていた塩化ナトリウムの量が計算できます。

 Ag+ + Cl- → AgCl

 しかし、塩化銀の沈殿生成が終わるタイミングを見極めるのは困難です。ですから、初めの段階でクロム酸カリウム水溶液を少量加えます。クロム酸カリウムは黄色の水溶液ですが、この色を示すクロム酸イオンCrO42-もまた、銀イオンと反応し、クロム酸銀という赤褐色の沈殿を生じます。

 2Ag+ + CrO42- → Ag2CrO4

 つまり、銀イオンを加えると2種類の沈殿が生じることになります。ただし、この反応は塩化銀の沈殿が優先的に起こり、ほとんど終わったタイミングでクロム酸銀の赤褐色の沈殿が生じ始めます。

 この実験では、クロム酸銀ができ始めたタイミングを塩化銀ができる反応の終わりとみなしました。理論的には、この時点で塩化物イオンは99.98%塩化銀として沈殿しています。よって、このときに加えた硝酸銀水溶液の量からもともとあった塩化物イオンの量を求めることができ、間接的に塩化ナトリウムの量を計算できます。

 加えたAg+の量=醤油中にあったCl-の量=醤油中にあったNaClの量

 使用した醤油の成分表示にある15mLあたり2.5g。この値から計算すると塩分濃度は約14%ですが、実験結果から計算したものはおよそ12~15%となりました。このことからわかるように、測定の精度の高い実験となりました。

 百聞は一見にしかずと言いますが、ホンモノに触れる機会を今後もたくさん用意していきます。

試薬に関して説明を受けます

実験前に装置の点検をします

沈殿ができて濁っていきます 

加えた試薬の体積を記録します
 
慎重に色の変化を見極めます

実験につかった有害な
物質は回収します 
 <生徒の感想>
■モール法の問題における状況の理解が難しかったけど、実験してみることでよくわかりました。
■醤油がしょっぱいことを、塩分を数値で求めることで化学的に示せたと思います。
■化学平衡の知識を使えば、覚えるばかりになりがちな無機化学の勉強も暗記量が減ると思いました。
■化学がただの知識ではなくて、使い方次第で「知恵」になるんだなぁ・・・と感動しました。

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