校長の目指す学校像


 京都府立盲学校は、我が国最初の障害者のための公教育の場「京都盲唖院」として、明治11年に開校しました。130年を越える歴史と伝統のある学校です。

 

京都市内(千本北大路)にある本校には、幼稚部、小学部、中学部、高等部、高等部専攻科を設置しており、舞鶴市内にも分校(幼稚部、小学部)があります。また、本校の資料室には、草創期からの日本の視覚障害教育のあゆみを伝えるかけがえのない資料(史料)が数多く所蔵されています。

 

京都府立盲学校は、京都府の視覚障害教育推進の中核校として、視覚に障害のある幼児・児童・生徒の確かな自立と豊かな社会参加の基盤を培うため、これまで積み上げてきた専門性の継承・発展に努め、本校で学ぶ幼児・児童・生徒の教育を充実させてまいります。

 また、「地域支援センター・視援教育相談室」を設置し地域の保育所・幼稚園、小・中学校、高等学校等で学んでいる「見ることに障害や困難のある」幼児・児童・生徒や保護者、学校(先生方)等への支援を行っています。今後も、地域への支援をさらに充実させてまいります。

校長の求める教職員像


 京都府の視覚障害教育の中核校である京都府立盲学校では、常に次のような人材を求めています。

 

(1)   視覚に頼らない教育指導、残存する視覚を最大限生かした教育指導を追求してみようという探求心が旺盛な方

 

(2)   視覚障害のない幼児・児童・生徒への教育指導のキャリアを生かしながら、視覚障害のある幼児・児童・生徒への教育という未知の分野に挑戦し、更なるスキルアップを図ろうという向上心が旺盛な方

 

特に、来年度に向けては、是非とも次のような人材を求めています。

★小学校の通常の学級又は「準ずる教育」を実施している特別支援学校の小学部で、教科指導の専門性を磨きながら、一人一人の児童に合わせた授業改善の実践を進めてきた方

★幼児期及び学童期前半の発達(特に定型発達)に高い専門性を持ち、発達に応じた指導のねらい及び障害や特性に応じた具体的な手立てを明確にし、個別指導ではなく集団の中での個に応じた指導(授業改善)の実践を進めてきた方

単に障害に応じた個別指導の経験ではなく、教科の専門性に基づく授業改善の経験、発達の専門性に基づく授業改善の経験の豊富な方を求めています。

視覚障害に関する専門性がなくても心配はいりません。点字の技術など視覚障害に特化した専門性は、盲学校に勤務しながら「一から学び、高める」ことができます。

 全盲の児童への指導の基本は「触覚や聴覚など、視覚以外の感覚をフルに活用させながら、教科等の目標を達成させる」こと、弱視の児童への指導の基本は「見ることに労力をかけさせない工夫をしながら、教科等の目標を達成させる」ことです。

 視覚に障害がなければ「見ただけで一瞬にして分かる」ことも、視覚の障害がある場合は、触覚等を使って把握しなければならないため、長い時間がかかります。そのため、視覚に障害のない児童と同じ時間配分で指導していたのでは、時間がいくらあっても足りないか、「薄い」理解になってしまいます。教科や発達の専門性を踏まえ、教材を大胆に精選することが必要不可欠なのです。

 教科の本質を踏まえ、各単元の指導目標を絞り込み、指導内容を精選(厳選)して、新たな教材を加えながら組み立てて(組み替えて)いくという「教科の専門性」「発達の専門性」が、盲学校でこそ特に求められるのです。(したがって、指導目標と内容を考えるよりどころは、教科書そのものではなく、直接、学習指導要領の各教科等の目標と内容になります。)

 盲学校には、このようにやりがいのある「創造的な仕事」があります。

 


 自らの指導力を磨き、伝統ある京盲の教育の発展に寄与してやろうという意欲と探求心をお持ちの方の積極的な御応募をお待ちしています。

 



創設者 古河太四郎

 


<詳しくは、学校のHPをごらんください。> 学校のHP