1 特色ある学校づくり
 学校教育全般にわたって創意ある教育活動を展開し、児童生徒にとっては魅力ある学校、家庭及び地域社会に とっては開かれた学校を目指し、特色ある学校づくりを通して教育の活性化を図り、「生きる力」の育成に努める。 そのため、学校の伝統や校風を大切にし、地域や学校の実態を十分考慮した教育目標と、それを実現する指導体制に より、組織的・計画的・継続的な実践に努める。

 具体的対応

(1)
 各学校においては、学習指導要領の趣旨を踏まえ、創意を生かした教育課程を編成・実施するとともに、全教育活動を評価し、学校評議員制度などを活用して、家庭及び地域社会の信頼を得る特色ある学校づくりに努める。
(2)
 教育課程の編成に当たっては、各学校の課題を明確にした教育目標の具現化を図るために、特色ある教育内容の創造に努める。
(3)
 教育課程の実施に当たっては、全体計画と年間指導計画の充実に努め、児童生徒に基礎的・基本的な内容を身に付けさせ、学力の充実・向上を図るとともに、その個性、能力の十分な伸長に努める。
(4)
  「総合的な学習の時間」については、地域や学校、児童生徒の実態に応じて、学校の創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開するよう努める。

 校種別目標

  小・中学校
(1)
 個性を生かし、意欲と能力を育てる教育の充実による学校の活性化
(2)
 地域の自然や産業、文化、人材などを積極的に生かす教育の推進
  高等学校
(1)
 学科、系統、類・類型(コース)別の特色ある教育課程の編成
(2)
 単位制、専門学科及び総合学科の特色を生かした教育の活性化
(3)
 学校外の人材や組織・機関等を活用した教育の推進
  盲・聾・養護学校
 環境を生かし、障害の種別や個に応じた特色ある教育課程の編成



2 学習指導

 個に応じた指導を積極的に進め、基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせるとともに、自ら学ぶ意欲と自ら考える態度を育てる。
 また、児童生徒の学力の状況を的確に把握・分析し、学力の充実・向上を目指す取組を組織的に進める。


 具体的対応

(1)
 学習指導要領の趣旨を踏まえ、授業改善を進める。
(2)
 指導内容の精選と重点化を図り、授業時数を確保しながら綿密な指導計画に基づき指導する。
(3)
 指導目標を明確にして、児童生徒に知識・理解はもとより、自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、 表現力などを育成するため、個に応じた指導など指導方法の工夫改善と指導体制の確立に努める。
(4)
 学習指導要領に示す目標に照らして、その実現状況を見る評価を一層重視するとともに、児 童生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し、きめ細かな指導に生かす。
(5)
 「総合的な学習の時間」では、各教科等で身に付けた知識や技能を相互に関連付け、総合的に 働くようにするとともに、「総合的な学習の時間」で身に付けた力を各教科等の学習の中で生かす。
(6)
 児童生徒の主体的、意欲的な学習活動に対応するため、読書活動の充実や図書資料の活用を図り、 学習・情報センターとしての学校図書館の計画的な利用を進める。
(7)
 特別活動の実施に当たっては、望ましい集団活動や体験を通して、心身の調和のとれた発達を図るとともに、ガイダンスの機能を生かして個性の伸長に努める。

 校種別目標

  小学校
(1)  基礎学力診断テストなどを活用した学習状況の的確な把握と授業改善の推進による学力の充実・向上
(2)  体験的な学習や問題解決的な学習などによる学習意欲の喚起
  中学校
(1)  学習内容の習熟の程度に応じるなど個に応じた指導による学力の充実・向上
(2)  学習に対する興味と関心を高め、自ら学ぶ態度を育てる指導方法の工夫改善
  高等学校
(1)  学科、系統、類・類型ごとの目標と個に応じた指導の充実による学力の伸長
(2)  教科指導体制の充実と指導方法の改善による原級留置・中途退学の解消
  盲・聾・養護学校
(1)  障害の状態、発達段階、特性などに応じた指導内容の精選と指導の充実
(2)  領域・教科を合わせた指導など指導方法の工夫改善



3 進路指導

 人間としての生き方にかかわる指導を基盤にして、児童生徒個々の目的意識を高め、望ましい職業観や勤労観を身に付け、自らの進路を主体的に切り拓く能力や態度を育成する。
 そのため、教育活動全体を通じて、ガイダンスの機能を充実することにより、児童生徒が自己の能力・適性、興味・関心などを的確に把握し、自己実現を図ることができるよう、校種間の連携を深めて組織的・計画的・継続的な進路指導を推進する。


 具体的対応

(1)
 学級活動、ホームルーム活動においては、進路指導の年間計画に基づいて系統的な指導・援助に努める。
(2)
 進路相談を充実して、児童生徒を多面的に理解し、より豊かに自己を生かす能力や態度の育成に努める。
(3)
 勤労体験や職場の訪問・見学などの啓発的経験を得させる活動を充実する。
(4)
 適切な進路情報を幅広く収集整理し、積極的かつ適正にその活用を図る。
(5)
 進路指導にかかわる校内体制を充実するとともに、家庭や関係諸機関との十分な連携を図る。
(6)
 進路に関する指導力を高めるための研修を充実する。

 校種別目標

  小学校
 自己の特性に気付かせながら将来への希望を持たせ、その達成に向け意欲や能力を高める指導の推進
  中学校
(1)  進路希望の実現を目指す学力の充実・向上と組織的・計画的・継続的な進路指導の充実
(2)  進路指導資料の整備と個に応じた進路相談の徹底
  高等学校
(1)  目的意識を明確化させる系統的な進路指導の充実
(2)  進路希望の実現に向け、進路選択能力のかん養と学力向上を図るための指導の徹底
  盲・聾・養護学校
(1)  自立し社会参加する能力の育成を図る指導の充実
(2)  進路希望の実現に向け、職場実習など個に応じた指導の充実



4 障害児教育

 障害の状態、発達段階、特性などに応じ、障害に基づく種々の困難の改善・克服を図りながら個性や能力 の伸長に努め、心豊かでたくましく生きる力を培う。
 また、すべての児童生徒が障害のある人を正しく理解するための指導を計画的に行う。


 具体的対応

(1)
 学習指導要領に基づき、個々の障害の状態、発達段階、特性などに応じた適切な教育課程を編成し、自立し 社会参加する資質や能力を育てる。
(2)
 交流教育を教育活動全体に位置付け、計画的・継続的に推進するとともに、障害児教育について保護者や地域社会の理解と認識を深めるための啓発に努める。
(3)
 各学校間や関係諸機関と連携し、相談を重視した就・修学の指導や進路指導の充実に努める。

 校種別目標

  小学校
(1)  学校の障害児教育方針の確立と年間指導計画の充実
(2)  障害児学級、通級指導教室の児童生徒個々の実態の的確な把握による個別の指導計画の作成と活用及び進路を見通した指導内容と指導方法の工夫改善
(3)  障害のある人や障害児教育についての正しい理解と認識を深める指導の充実
  高等学校
 障害及び障害のある人についての正しい理解と認識を深める指導の充実
  盲・聾・養護学校
(1)  学部経営方針の明確化と学校として調和のある教育活動の推進
(2)  自立活動の指導の充実及び個別の指導計画による個に応じた指導の推進
(3)  高等部における職業教育の充実
(4)  医療、福祉、労働等関係機関、家庭及び地域社会との連携並びに地域における障害児教育に関する相談のセンターとしての役割の促進



5 幼稚園教育

 幼児期の特性を踏まえ、環境を通して行うことを基本とし、遊びを通しての指導を中心として人間形 成の基礎を培う。
 そのために、幼児との信頼関係を築き、教育環境を創造するように努める。


 具体的対応

(1)
 各幼稚園においては、幼稚園教育要領の趣旨を踏まえ、創意を生かした特色ある園づくりに努める。
(2)  教育課程の編成に当たっては、教育期間や幼児の生活経験、心身の発達の過程などに配慮するとともに地域の実態に即応したものとする。
(3)  保育に当たっては、体験活動を積極的に取り入れ、幼児期にふさわしい生活が展開されるようにするとともに、社会生活上のルールや 道徳性、基本的人権尊重の精神の芽生えを生活の中で必要に応じて身に付けていけるように援助する。
 また、幼児期の特性を考慮して家庭や小学校との連携を強化する。



6 へき地教育

 へき地、小規模及び複式形態の特性を生かした教育活動を推進し、学力の充実に努めるとともに、確かな表現力、豊かな社会性及びたくましい実践力を身に付けた児童生徒の育成を図る。


 具体的対応

(1)
 へき地、小規模の特性を踏まえ、個に応じた指導を工夫するとともに、主体的に学習する意欲と態度を育てる。
(2)  複式学級の指導においては、児童生徒の実態に即し、効果的で効率的な指導計画の作成と指導形態の工夫改善に努める。
(3)  恵まれた自然や地域の産業、伝統文化など地域の素材を積極的に取り上げ、特色ある教育実践に努める。
(4)  校内の集団生活や合同授業、学校間の多様な交流を組織的・計画的に推進する。
(5)  へき地における学校、教職員の役割を自覚し、家庭、地域社会との連携及び学校間の研究実践の交流に努める。



7 定時制・通信制教育

 定時制・通信制教育の目的に沿い、生徒の就・修学の促進を図り、働きながら学ぶことの意義を自覚させるとともに、生涯学習の観点や多様な生徒の実態を踏まえた的確な教育実践を進める。
 また、家庭、職場、中学校、関係諸機関、地域社会などと連携を強化しながら、個々の生徒の学習や進路などの課題の解決に努める。


 具体的対応

(1)
 定時制においては、生徒個々の実態に即した適切な指導を行い、就労と学習の規則正しい生活習慣を身に付けさせるとともに、指導内容や指導方法に工夫改善を加え、学校生活全体を通して学習意欲の喚起と学力の向上に努める。
(2)  通信制においては、多様な生徒の実態に即して、レポート、スクーリングなどの学習指導に工夫改善を図る。加えて、受講指導、学習方法の指導や生活面の相談など個別指導を重視して、生涯にわたって学び続ける意欲と態度を育てるとともに、学力の向上に努める。