平成14年度 指導の重点
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今日、国際化、情報化、高齢化など変化の激しい社会の中で、21世紀を迎えた教育は 大きな
転換期にあり、さまざまな教育改革が進められている。京都府においても
『「京の子ども、夢・未来」プラン21−京都府の教育改革−』を示したところであ
る。京都府の教育は、活力とうるおいのある未来をつくるため、確かな見通しを持って主体的に
生き抜く、創造性あふれる心豊かな人間の形成を目指すものである。 この教育の目標を達成するためには、豊かな心を持ち、たくましく生きるなど「生きる力」の 育成を基本とし、この変化する社会に柔軟かつ的確に対応する能力や資質の育成に努めることが 必要である。京都府教育委員会は、市町村教育委員会との連携・協力の下に、学校教育と社会教 育の緊密な連携を進め、地域の実態に即して、特色ある教育活動を創造するため、以下のことを 重点として推進する。 |
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1 生涯学習の基盤を培う学校教育の充実
学校教育においては、知・徳・体の調和のとれた発達を図り、勤労と責任を重んじ、基本
的人権を尊重し、国際感覚を身に付けた児童生徒の育成に努め、生涯にわたる学習の基盤を
培うことを目標とする。そのため、教職員は、自ら資質能力の向上に努めなければならない。 |
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(1) | 個性を生かし、豊かな心をはぐくむ教育の推進 |
学校においては、自ら考え、主体的に判断し、表現したり、行動したりすることができる
資質や能力を身に付けた児童生徒を育成するうえで、基礎・基本を徹底して学力の充実・向
上を図り、一人一人の個性を生かすための教育の充実に努めなければならない。また、生命
を大切にする心、他人を思いやる心、正義感や公正さを重んじるなど豊かな人間性をはぐく
む「心の教育」の充実を図り、たくましく生きるための健康や体力の向上に努める必要があ
る。とりわけ、高等学校においては、個性化、多様化に応じて、生徒個々に対し、自分の能
力・適性、興味・関心や進路などに基づく主体的な学習を促す必要がある。 なお、人間としての在り方生き方に関する教育の一環として進路指導を位置付け、小学校 、中学校、高等学校及び盲・聾・養護学校の連携を深めるとともに、学校の教育活動全体を 通じて進路希望の実現を図る必要がある。 人権教育については、あらゆる教育活動を通して推進し、豊かな人権感覚と人権尊重の実 践的態度をはぐくむことが重要である。また、同和問題をはじめとするあらゆる人権問題の 解決に向けた学習や啓発の充実を図る必要がある。 さらには、健康でうるおいのある心豊かな生活を営むため、生涯にわたって実践できる体 育・スポーツ活動や芸術文化活動の充実を図る必要がある。 |
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(2) | 社会の変化に対応する学校教育の推進 |
学校においては、生涯にわたって学び続ける基盤を培うという観点に立ち、国民として必
要とされる基礎的・基本的な内容の徹底を図り、社会の激しい変化に主体的に対応できる心
豊かな人間の育成に努めなければならない。 特に、国際化に対応した国際理解教育、自然と人間の調和を目指す環境教育及び高度情報 化に対応した情報教育を積極的に進める必要がある。 また、完全学校週5日制の趣旨を踏まえた教育活動の充実に努めるとともに、開かれた学 校を目指し、家庭や地域社会との連携を図る必要がある。 |
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2 生涯学習の振興を図る社会教育の充実
社会教育においては、基本的人権の尊重を基盤に、生涯にわたる学習課題を明確にして、
学習機会の拡充を図り、府民の自発的な学習活動を推進することを目標とする。
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(1) | 生涯学習推進のための学習環境の総合的な整備・充実 |
府民が生涯にわたり、多様な学習活動を主体的に行うことのできる生涯学習社会を実現す
るため、地域の特性を生かした学習環境の計画的・総合的な整備・充実の促進に努める必要
がある。 また、生涯学習時代を迎え、学習者の年齢層が広がり、学習内容が多様化・高度化する中で 、優れた資質と専門的能力を有する指導者の養成と確保に努めるとともに、学習情報の提供 や学習相談など、府民の学習活動を多方面から支援していく必要がある。 |
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(2) | 心豊かな社会をつくる自発的な学習活動の推進 |
心豊かでうるおいのある社会を築くために、社会の変化に対応した学習課題に取り組む必
要がある。とりわけ、青少年の社会性や豊かな人間性などをはぐくむため、学校・家庭・地
域社会が連携を強めながら、ボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他
の体験活動の充実に努めるとともに、女性の社会参画の促進や家庭の教育機能の充実を図る
ための学習機会の拡充を図る必要がある。 また、個人の尊厳と人権が尊重される社会の実現を目指し、同和問題をはじめとするあら ゆる人権問題の解決に向け、府民の自発的な学習活動の充実を図る必要がある。 なお、文化財や伝統文化の保存・伝承・活用に努め、京都の特色を生かした新しい文化を 創造していくとともに、生涯にわたりスポーツ活動を通して健康や生きがいづくりに取り組 む必要がある。 |