(1) 「登校できない子」からのサイン

 
 「うちの子は友達が遊びに来てくれても会おうともしない。
  買い物に行く程度で、あとは家に閉じこもったまま。
  外出さえ嫌がる。
  昼頃に起きてきて、一日中、部屋でテレビゲームしたり、漫画を読んだり、ゴロゴロして過ごしている。
  このままだと将来、どうなってしまうのか心配でたまらない。」

 「どうして学校に行かないのか、理由を聞いても何も言わない。
  しつこく問い詰めたり叱ったりすると怒り出す。
  我が子なのに何を考えているのか、さっぱりわからない。
  親として、どうしてよいのかわからない。」

 子どもが学校に行けなくなったとき、このような相談が母親から持ち込まれることがよくあります。

 家族以外の人との人間関係を避け、家では日常会話を交わす程度で、学校に関する話題になると黙ってしまい、子どものことを理解したいが理解のしようがないという相談です。


 多くの場合、子ども自身にも、なぜ登校できないのか分からないことがほとんどです。
 何がなんだか分からないけれど、登校する時間になるとしんどくなり、お腹や頭が痛くなったりします。

 登校できない原因がわかっていれば、それを究明し克服すれば登校できると考えがちですが、仮に家族や教師が懸命にそれを解決したり、取り除いたりしたとしても登校できないことがほとんどのようです。

 周りの大人たちの原因の究明は「悪者捜し」になってしまい、それによって家族にも学校にも不穏な空気が漂い、子どもは余計に口を開けなくなってしまうことがあります。


 このような「登校できない」サインのとらえ方と関わり方について考えてみることにします。  

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