(2) 「反抗する子」への関わり
 ア 反抗の誘因となるもの
 少し視点を変えて反抗のもつ意味を理解してみると、あながち反抗は「悪いこと」「困ったこと」であるとは言い切れない面をもっていることに気がついてきます。
 
 自立のために行われる「健全な反抗」は大歓迎です。


 しかしながら、子どもがしたいように反抗を繰り返すとなると、ましてや他人に迷惑を及ぼしたり危害を加えたりということになってしまうとなると、「もう少し様子を見守ってみましょう」とか「子どもの成長を待ちましょう」などと言ってはおられず、そして何よりも最も傷つくのはまず本人であるということを考えると、反抗の結果としての暴力や非行を未然に防ぐ努力が必要です。
その努力の仕方は一概に言えるものではありませんが、親や教師のどのような言動であっても、子どもが「愛されている」「必要とされている」と感じられる温かな思いが根底にある限り、それが反抗の誘因になるとは思えません。自分にとっていわれなき叱責・強制・不公平なかかわり・無関心・排除などによって自尊感情(Self-esteem)が傷ついたとき、子どもは反抗すると言えます。学校や家庭において子どもの反抗の誘因となることがらを次に列挙してみます。Fig.4に示すとおり、「甘やかし」「否定的理解(無理解)」「無関心」が親や教師の言動にみられることが多くあります。  Fig.4 「反抗の誘因となるもの」
        

     
                   
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