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W 国語力の育成を考える
 3 文化審議会答申における「望ましい国語力の具体的な目安」と国語科の目標
「望ましい国語力の具体的な目安」の示し方   この文化審議会答申では、「これからの時代に求められる国語力」を「どの程度の水準」まで身に付けることが望ましいのかについて述べられていますが、望ましい国語力の一般的な水準を示そうとする場合には、次のような難しい問題があるとしています。
  ・ 国語力は個人差が大きく、また、必要とする水準も個人によって大きく異なるということ
・ 国語力は生涯にわたって発達するものなので、どの時点における水準を示すのかということ
・ 国語力を構成している「考える力」などの水準を示す場合、極めて抽象的になるということ
   そこで、文化審議会答申では,「日本人の成人として、ここまでの国語力は身に付けたいという、生涯にわたる努力目標」の参考として示すことにしました。そして、「国語力を構成している『考える力』『感じる力』などは,日常の言語生活においては『聞く』『話す』『読む』『書く』という具体的な言語活動として発現している」ことを踏まえて、学習指導要領の領域と共通する「聞く力」「話す力」「読む力」「書く力」に分けて「目指すべき目標」を具体的に示しています。 主に学校における国語教育を通じて、成人に達した段階で、次の表に示したような基礎的な力が身に付いていることが望ましいとしているのです。 
国語科の目標との関連  次の表に示すように、文化審議会答申の試案「望ましい国語力の具体的な目安」は、学習指導要領の国語科の目標を発展させたものになっていると考えられます。ここには小学校の「学年の目標」をあげましたが、中学校の「各学年の目標」は、さらに試案の「具体的な目標」に近づきます。
 つまり、学校教育において「国語力を育成する」とは、まず、国語科の目標にあげられた能力を児童生徒に確実に身に付けさせることだといえます。
他教科などとの関連  しかし、このことは、国語力は国語科だけで育成するということではありません。小学校学習指導要領解説国語編の第1章第5節「他教科、道徳及び特別活動などとの関連」では、次のような記述でその点を明らかにしています。
 国語の能力や国語に対する関心・態度は、国語科だけではなく、他教科、道徳及び特別活動、「総合的な学習の時間」などの学習でも養われるものであり、さらに、学校教育活動全体、家庭生活、地域生活の中で身に付くことも多い。したがって、国語科の学習の中だけでなく、それ以外のあらゆる機会を視野に入れて、それらとの関連にも十分配慮した指導計画、学習内容、学習方法を工夫したり開発することが必要である。 


 



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