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V 中学校(国語科)における国語力育成のための実践
1 中学校における国語力育成のための実践 ―「読むこと」「書くこと」―
「読むこと」「書くこと」の力を個に応じて育てる   目的や必要に応じた実践的な読みの能力の育成や効果的な文章を書く能力を高めるためには、「読むこと」と「書くこと」との関連を図ることが重要です。国語力育成における【発展期】に当たる中学生にとって、論理的思考力を個々の課題に応じて育成することが大切ですが、限られた時間で効果的に授業を展開する方法の一つとして、ワークシートを有効に活用することがあげられます。以下に、作成のポイントやその一例を紹介します。
  【ワークシートを活用した授業例】

@ 時間やストーリーの展開に即して、文章全体を整理する。

[ワークシート作成のポイント]
○何が書かれているかだけでなく、どのように書かれているか(構成等)が、一目で見渡せるように工夫する。
○出来上がったワークシートは活用することを目的とする。語句等を埋め、完成するだけにならない。

[授業例]
 説明的な文章の話の展開を整理するために、接続詞等をキーワードにしたり、ポイントとなる語句を空白にして埋めたりする。ワークシートは矢印や図、囲みなど、全体をビジュアルに見渡せるよう工夫する。完成したワークシートを活用し、まとめを書いたり発表したり、生徒が自ら説明文を書くモデルや材料にしたりする。
  A 気付きを整理して、読みを深める。

[ワークシート作成のポイント]
○書き入れやすい工夫が必要である。一斉授業等で事前に学習したり、材料を持たせグループで取り組んだりするなど、書くポイントや言葉が分かるよう授業方法や形態の工夫が必要である。
○設問等の項目は授業の目標を達成するための意図的な気付きである必要がある。
[授業例]  
古典で共通点・相違点、共感できる点・できない点、疑問点や課題、主題などについて読み取れる部分を抜き出す。グループや一斉授業での交流や資料の活用によって、個々の気付きを深め、古典の世界を実感する。
  B 自分の考えや思いを文章にする。

[ワークシート作成のポイント]
○「書く形式が分かっている。」「学習したことを反映させれば書ける。」「自分の考えが熟成している。」等、事前に書くための手立てを十分に行う必要がある。
○書き方や書く内容を一層高める工夫が大切である。

[授業例]
 詩について、事前に課題(言葉の印象やその比較。情景のイメージ化等)をグループで取り組み資料を作成。それをもとに各自が鑑賞文を書いたり、発表をしたりする。鑑賞文の書き方や発表の仕方についても、事前にモデルやルールを示す。
 







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