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2020/03/02

卒業式

Tweet ThisSend to Facebook | by Webマスター
 2月28日(金)、第71回卒業証書授与式が行われました。
 3年間、勉強に、部活動に、学校行事に全力で取り組み、大きく成長した皆さんを心から祝福します。
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、送辞を読んだ代表生徒以外の在校生は出席しませんでした。以下に答辞を全文掲載しておきます。

答辞

 今年は今までにない暖冬で、校庭の木々の新しい芽もふくらみ始め、春の匂いが感じられるようになってきました。
 本日は私たちのためにこのような素晴らしい式を挙行していただき、ありがとうございます。また、ご多忙の中、ご出席くださいましたご来賓の皆様、先生方、保護者の皆様、在校生の皆さん、卒業生一同、心から御礼申し上げます。

 中学校の友達と桂高校の門をくぐり、合格発表を待っていた3年前。合格できる自信がなく、不安で息が詰まりそうになっていましたが、窓に貼られた紙に自分の番号を見つけた瞬間、友達と肩を叩き合いながら喜んだことを今でも鮮明に思い出します。
 そして満開の桜の下、真新しい制服を身にまとい、少し大人になれたような気がした喜びと、友人ができるだろうかという不安でいっぱいの中、入学式を迎えました。
 広すぎる校舎や、八時四十分にいきなり始まる授業に焦ったり、最初は同じ中学の友達としか話せず教室が静まり返っていたことが懐かしいです。しかし日が進むにつれ、お互いのことが分かっていき、教室も次第に賑やかになっていきました。
 過ぎ去った桂高校での日々が短く感じられるのは、毎日の学校生活がそれだけ充実していた証だと思います。今、振り返ると、本当にいろいろな日々が思い出されます。

 高校生活最大のイベントは北海道の研修旅行でした。バスの座席や札幌研修の行き先を決める時からワクワクしていて、当日は、いつもは見ることのできないたくさんの雪にテンションが上がり、いつもならどうでもいいようなことでも笑い、本当にどの日のどの時間も楽しかったです。スキーでは、一面白銀の世界に我先にと飛び出し、転んでぶつかるたびに笑い合い、雪山の美しさに息を飲みました。一日目は自分のことで精いっぱいだったけれど、二日目には互いに声を掛け合い、助け合ったり、できない人のために何をすればいいか考えることができました。夜遅くまで語り合い、翌日のバスで居眠りしたこと、札幌で食べた海鮮丼、自撮りが盛れたゲレンデマジック、すべてがキラキラと輝く思い出です。たくさん写真を撮ったはずなのに、記憶の中の景色のほうがずっときれいに思い出せます。

 3年生になり、すべてのことに「最後の」という言葉がつくようになりました。
 最後の文化祭では、キャストや監督を中心に、裏方のみんなまで一つになり、意見を出し合い、劇を作り上げることに打ち込みました。時には意見が合わず衝突し、前に立ってみんなをまとめることや、クラスが一つになることの難しさを感じました。それでも、この演劇を成功させようという思いを持ち合った仲間だったからこそ乗り越えられたのだと思います。本番前に全員で組んだ円陣、舞台裏での活気づいた様子、舞台に立った時の心地よい緊張感。これらすべてが私たちの心に残り、今も輝き続けています。目標に向かって積み重ねてきたことが実を結び、そこから得られた達成感は、その後の勉強や日々の生活にも生かすことができました。また思いが強くなるほどに、規模が大きくなるほどに一致点を見つけることは難しくなりますが、人と人は強い絆でつながることができる。そんな人間の可能性のようなものを、身をもって感じられた最後の文化祭でした。

 そして高校生活最後の行事、体育祭。1・2年生の時は、普通に走ることしかできなかったけれど、3年生になって体育祭を盛り上げられないかと考えて、怒られることを覚悟して、被り物や全身タイツを着て走りました。少しは見ている人を楽しませられたでしょうか。完走後も怒ることなく一緒に笑ってくださった先生方を見て、さすが桂高校の先生方だと思いました。競技にも全力で取り組み、一位でも、最下位でも、どのクラスも「よくがんばった!」と声を掛け合い、笑い声を秋の空に響かせ、高校生活最後の行事を終えました。

 高校生活で大切な思い出となっているのは、部活動です。仲間とたくさんの時間を共に過ごしました。時にはライバルとなってぶつかり、仲間さえも踏み台にしなければならない時がありました。それがとても辛く、胸が痛かったのを覚えています。しかし立ち止まってしまいそうな時、自分の実力に悔しくてやるせない時、いつも仲間が私を支えてくれました。私は残念ながら、途中で「しんどい」という理由から部活動を辞めてしまいましたが、最後まで続けていれば、きっともっといい経験ができただろうととても後悔しています。しかしこの経験から学んだ、諦めてしまうことの悔しさは、私の糧となり、今後必ず役に立ってくれると思っています。

 大きな行事はもちろん、チャイムの鳴るギリギリまで廊下で友達とはしゃいだり、昼休みに食堂でポテトを買って食べたり、休み時間に友達と交わした他愛のない会話、すべてが今ではいい思い出です。

 ただ、私たちの楽しかった高校生活の中で反省点を挙げるとするならば、日々の授業を本当の意味で大切にできなかったことです。あの時もっと一生懸命に勉強しておけば、という思いもあります。その反省は、これから歩む人生の中で生かしていかねばならないと思っています。

 三年前、初めて袖を通した実習服。真新しい緑色のポロシャツは、普通科の窓から覗く視線を感じてとても恥ずかしく、廊下を歩くときはいつも小走りになりました。鮮やかだった緑色も洗濯と日焼けで今ではすっかりと色褪せ、思わず三年間の月日を思い返させます。つい欲張って、売り物にならないたくさんの野菜を新聞紙で包み、「先生、また明日」と告げる日々はもう終わりました。
  専門学科の生徒は、実習授業を通して沢山のことを勉強します。花や野菜の管理方法を学び生産者の立場に立つことで食の重要性を感じ、ひとつひとつの小さく地味な努力の積み重ねが実ったときの達成感は計り知れません。日が暮れ足の裏が悲鳴を上げるまで歩き回った振り売りは、生産者である私たちと地域の方を繋ぐ大切なコミュニケーションの時間でした。時には胸を刺すような厳しい声を受け、また時には優しく力強い励ましの声をいただきました。私たちが真夏のハウスの中で何時間も汗を流し、真冬の風が吹き付ける中で手を赤く染めながらポットを洗い続けてこられたのも、地域の方が私たちを待ってくれていると知っていたからです。また、そんな実習授業の中で仲間と共に流した汗は、私たちの一生の財産となりました。
 桂高校独自の課題研究プログラムであり伝統であるTAFS。初めは関わりづらかった先輩とも学年の壁を超えて親交を深め、私たちも桂高校の伝統の一部となりました。研究発表の本番が近くなると、夜遅くまで学校に残り、眠い目を擦りながら準備に奮闘することもありました。そうした努力の先で掴み取った成績には、結果以上に私たちに大切なものを教えてくれました。

 この三年という時間は、私たちに勉強だけでは決して学び得ることのできない、たくさんの思い出をくれました。この思い出が、この桂高校で育むことができた友情が、この先、手に入れることのできない、かけがえのない宝物です。

 桂高校での楽しく充実した生活は、先生方への御恩抜きには語れません。多くの時間を共にした先生方には、その分迷惑をかけましたが、どんな時も私たちを見捨てず、真摯に向き合ってくださいました。私たちが道を外れそうになった時には厳しく指導し、たくさんの時間を割いて私たちの将来に向き合ってくれました。その頃の私たちは訳もなく先生たちに反抗し、生意気な態度をとることもありました。ですが、そんな私たちを何度も何度も手を引き導いてくださり、いかなる時でも私たちを信じ、応援してくださった先生方の下で3年間を過ごすことができて、感謝の気持ちでいっぱいです。

 また、今の自分があるのは、なによりも家族の支えがあったからです。今まで十八年間、たくさんの愛情で包み込んでくれました。一番身近な存在だったからこそ、酷い言葉をぶつけたり、思春期という成長過程で素直になれず、私たちを想ってかけてくれた言葉もなかなか受け入れることができませんでした。それでも、毎朝お弁当を用意して見送ってくれました。汗まみれの練習着や泥まみれの実習服も、きれいに洗ってくれました。帰りが遅くなる私たちを待っていてくれて、「おかえり」という言葉をかけてくれました。数多くの我儘を口にし、それでも感謝の言葉ひとつも言えない日々が続いても、変わらず見守って応援してくれたこと、すべてを受け入れてくれたこと。どんな言葉で感謝の気持ちを伝えればいいのか、この思いを形容する言葉が見つかりません。家族が与えてくれる優しさのおかげで、私たちは安心して、今までもこれからも自分の空を目一杯羽ばたくことができます。十八年間、生意気で臆病な私たちを逞しく育ててくれて本当にありがとう。

 そして、私たちは桂高校でかけがえのない多くの友人と出会うことができました。何時間も一緒に汗を流し、時に泥にまみれ、時に野菜の臭いに包まれ、どんな時も感情を共有する仲間がいました。お互いの悩みを泣きながら打ち明けあったこと、譲れない考えをぶつけ合って喧嘩したこと、抱き合って喜びを分かち合ったこと、そんなささやかな幸せの一つ一つが今となってはとてもキラキラしたかけがえのない宝物です。友人たちと共に過ごした時間は、とても楽しく有意義で、この上なく贅沢なものでした。自分の嫌なところも、友人たちといると許せるような気がしました。あなたが、私を輝かせてくれました。本当にありがとう。卒業に対して喜びを覚える一方で、友人たちとの別れに寂しさを感じずにはいられません。

 しかし、いつまでも過去を名残惜しむことは許されません。程なくして私たちはそれぞれの道を歩き始めますが、その前途には未解決の問題が山積みとなっています。少子高齢化問題が本格化している昨今、農業をはじめとする産業、医療、福祉、ありとあらゆる分野に大きな問題を抱えています。明らかに人口ピラミッドが逆転してしまったことで、若者である私たちへの負担も拡大し、私たちはこれから数少ない担い手として、社会を支える重要な中核的存在となります。また選挙権が十八歳に引き下げられ、政治や社会が若者の力をより必要としています。積極的に社会参加をし、少ない若者の意見を主張するべきです。一人一人が自分たちの役割を認識できれば、未解決の問題が解決に向かうかもしれません。
 技術進歩により日本の変化はますます早くなり、複雑化していきます。そんな未来に、誰しもが不安を抱えています。しかし、今日ここを旅立つ私たちの胸には「きっと大丈夫」という自信があります。なぜなら私たちには、ここで出会い、ともに泣き、笑い合った仲間がいます。いつでも私たちを見守り背中を押してくれた両親やお世話になった先生方がいます。恐れることなくそれぞれの道を歩み、時に立ち止まったり寄り道をしても、最後には大きな花を咲かせられるような力を、どんな未来も自身で切り開いていける力を、桂高校で学びました。

 今日から私たちは、枝分かれした道を自分の足で進んでいかなければなりません。時には高い壁の前になす術なく立ち竦むことや、ゴールの見えない真っ暗闇の中で孤独に泣くことがあるはずです。そんな時は、泣きたいときに泣いて、笑いたいときに笑う、そんな素直な気持ちも忘れてはいけません。自分に嘘をつくことなく日々を過ごし、そしてどんな時も、この場所で手にした多くの思い出、学び、誇りを胸に、卒業生一同、精進して参りたいと思います。

 最後になりましたが、今日までご指導、ご支援していただいた諸先生方、職員の皆様方、桂高校で出会い、支え、励まし合ってきた友人たち、そしてどんな時も一番近くで支えてくれた家族に、心より御礼申し上げます。伝えきれない感謝の気持ちを込めて、答辞とさせていただきます。

 さようなら、桂高校。ありがとう、桂高校。

令和二年二月二十八日     卒業生代表 三年二組 小泉月麦
                                三年七組 佐藤純


08:29
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