狛城跡

国人狛氏の拠点で文献史料も多く、環濠集落としての様相も良好に残る貴重な城館です

住所:木津川市山城町上狛艮町・巽町・坤町・乾町

位置:京都府遺跡マップ
標高:32m 比高:0m

概要:当城跡のある大里集落は、木津川が山城盆地へ入り、西から北へ大きく流れを変える地点に形成された木津川右岸の沖積地に立地しています。集落中央には当地の領主であった狛氏の居館があったとされますが、現在では館跡の痕跡は残っていません。集落の周縁には環濠がめぐらされており、現在でも大部分が用水路として痕跡をとどめています。環濠の内側は周囲より一段高くなっており、特に集落西側は1.5mほどの高低差があります。

 当地は狛野庄の中心的な集落であり、ここを基盤とした狛氏は15世紀には南山城の有力国人の一人として勢力をもった一族です。文明15年(1483)には西軍の斎藤彦次郎が「狛下司城」を攻め落とし、『大乗院寺社雑事記』、『春日記錄』、『東寺執行日記』などによると文明17年(1485)に「狛下司之跡之城」として畠山義就方の城に数えられています。
 当城跡は有力国人狛氏の拠点で、文献史料も多くあり、環濠集落としての様相も良好に残している重要な城館です。

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