尾坂城跡

『御檀家帳』に「大なる城主也國のゆみやとり」中の坊と記載があり、寺院の武装化がわかる城館です

住所:京丹後市網野町尾坂山内

位置:京都府遺跡マップ
標高:195m 比高:20m

概要:旧尾坂寺本堂跡へ向かう参道南側丘陵上に位置します。尾坂寺は、正暦元年(990)開基と伝え、丹後国三十三所観音霊場の十二番札所として栄えていましたが、昭和39年(1964)に尾坂集落が離村するのに伴い廃寺となりました。本堂跡の周辺には、中の坊・大坊・住信坊・能住坊・北の坊・南坊・矢の谷・鉄砲屋敷などの地名が残り、城跡はその一角にあります。城跡は、尾根上に堀切を設け、堀切の東側を城域としています。

 『丹後国御檀家帳』には、「大なる城主也國のゆみやとり」として中の坊を挙げています。続いて多くの僧侶の記載があることから、多数の僧侶を擁していたことがわかります。当城跡は、『丹後国御檀家帳』から寺院の武装化が分かり、さらに城館遺構も確認できる貴重な事例です。今後は、周囲に展開する寺院跡の調査も視野に入れていく必要があります。

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