安良山(加悦有吉)城跡

『御檀家帳』に「国の御奉行」石川殿と記載があり、石川氏の本城となった城館です

住所:与謝野町算所安良

位置:京都府遺跡マップ
標高:125m 比高:105m

概要:算所集落の西の安良山山頂に位置します。山麓には丹波と丹後を結ぶ街道が通り、街道沿いには加悦市場がありました。遺構は、最高所の山頂に位置する郭Ⅰを中核に、放射状に配置された複数の曲輪、堀切で構成されています。

 『丹後国御檀家帳』には、「かやの御城」に国の御奉行である石川氏が入っていたことが記載されており、当城跡が石川氏の居城であったことがわかります。また、『奥平氏村々取調帳』、『丹後旧事記』、『一色軍記』には城主が「有吉将監」と記しています。

 当城跡に細川藤孝の部将有吉氏が入部したとすれば、織豊系の築城技術等が導入された可能性があります。ただし当城跡には、櫓台は見られるものの石垣や虎口等が見られず、中枢部にこうした技術を集中させる傾向も希薄です。帯曲輪を多用する点は他の加悦谷の城跡と共通しており、有吉氏段階では前段階からの山城に多くの手を加えずに使用したと考えられます。
 当城跡は、一色氏の政権のもと勢力を誇った石川氏の本城であり、さらに細川藤孝の部将有吉氏も入った城跡で、保存状況も良好で重要な城館です。

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