八幡山城跡

『御檀家帳』に「国の御奉行」小倉殿と記載があり、細川氏築造の石垣のある丹後唯一の山城です

八幡山城跡(全体図)

八幡山城跡(中心部)

住所:宮津市宮村身船

位置:京都府遺跡マップ
標高:165m 比高:155m

概要:宮津谷を北流し宮津湾に注ぐ大手川の右岸、宮村駅背後にある八幡山の山頂に位置します。城跡の遺構は八幡山全体に及んでおり、その規模は五箇城跡と並んで丹後地域で最大規模を誇ります。城域の最高所に配置された曲輪は全面を石垣で構築しており、丹後の山城の中でも希少な事例です。主尾根に階段状に配置された多数の曲輪は、いずれも規模が大きく、急峻な切岸をもっています。竪堀や畝状竪堀がほとんどなく、わずかに小規模な竪堀が確認できるのみです。

 『丹後国御檀家帳』には、「国の御奉行」の小倉氏の居城として「宮津の御城」の記載があります。当城跡は、上宮津城跡と並んでこの「宮津の御城」の候補の一つとなっています。近世地誌類には、当初一色五郎満信の居城で、その後細川藤孝がこれに替わったと記載されています。

 当城跡は、石垣の存在から細川氏が宮津城を築くまでに入城していたことが確実です。石垣は、丹後で希少なだけでなく、構築時期が限定できる重要なものです。当城跡は、丹後地域で最大規模の城館で、保存状況や遺構の状況からみても丹後地域を代表する非常に重要な城館です。

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