大島城跡

一色氏関連の城跡である可能性が高く、遺構の残存状況も良好で重要な城館です

大島城跡全体図

大島城跡(東曲輪群)

大島城跡(西曲輪群)

住所:宮津市大島林の下ほか、伊根町小坪・谷山ノ鼻・小坪谷
位置:京都府遺跡マップ

標高:130m 比高:130m

概要:宮津市・伊根町の境界に位置する大島城山の尾根上に位置します。城跡の立地する山塊は、伊根湾に突出した形態を呈しており、南には阿蘇海沿岸部、東には青島や亀島を臨むことができます。城館跡の遺構は、この山塊部の南東に位置する東曲輪群と、北西に位置する西曲輪群に大きく分かれています。東曲輪群は、最高所の曲輪を中心に尾根上に規模の大きな曲輪を連続して配置します。西曲輪群は、明瞭な曲輪の加工はなく切岸も不明瞭ですが、尾根上には堀切を設けており、城域として用いていたことがわかります。

 当城跡についての同時代史料はないものの、近世地誌類の『丹後田辺府志』には千賀弥三郎、『丹後州宮津府志』、『丹哥府志』、『一色軍記』には千賀山城守と記載があります。

 当城跡は、周辺の城跡と比較して城域や曲輪面積が突出しており、伊根湾に突出した立地は海を強く意識していたことがわかります。当地から沿岸を南下すると、天橋立、阿蘇海、丹後府中が位置します。こうしたことから、当城跡は在地領主よりもさらに広域な勢力、つまり府中を本拠地とする一色氏関連の城館である可能性が高いと評価できます。遺構の残存状況も良好で重要な城館です。

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