今熊野城跡・阿弥陀ヶ峰城跡

守護一色氏の今熊野城跡と守護代延永氏の阿弥陀ヶ峰城跡が天橋立を望む位置にあります

標高:200m、250m 比高:190m、240m

今熊野城跡

阿弥陀ヶ峰城跡

住所:宮津市中野行者谷、宮津市成相寺別所・阿弥陀ヶ峰
位置:京都府遺跡マップ

概要:両城跡とも、天橋立の内海である阿蘇海に面した府中地区の北側丘陵頂部に位置します。この丘陵の最高所には、西国三十三箇所札所の成相寺が所在しています。両城はどちらも尾根上に階段状に曲輪を配していますが、標高は阿弥陀ヶ峰城跡が上方にあります。ただし、曲輪の面積も城跡全体の規模も今熊野城跡のほうが大きくなっています。

 文献史料には、永正4年(1507)に細川、武田氏が来襲した際、丹後守護一色氏は「今熊野城」、守護代延永氏は「阿弥陀城」に籠城したと『多聞院日記』にあります。また、『成相寺参詣曼荼羅』に描かれた櫓門を持つ建物には「一色」の貼紙があり、一色氏の今熊野城を指していることがわかります。一色氏のもとで繁栄した府中の様子は、雪舟筆の国宝『天橋立図』に詳細に描写されており、その中で成相山の中腹に「今熊野」として描かれた建物が今熊野城であると評価されています。両城跡は、文献史料や絵画資料からみても今熊野城跡が守護一色氏、阿弥陀ヶ峰城跡が守護代延永氏の城であることが確実です。両城跡が近接して存在していることは、守護一色氏と守護代延永氏の関係性の深さを示しており、さらに成相寺との関係性も伺えます。
 両城跡は一色氏支配の中枢に位置し、守護・守護代の本城として極めて重要な城館です。

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