学校生活

 

 今年はなんと15人もの1年生が入部してくれることになった科学部です。2、3年生も合わせて27人と、昨年までとは比べものにならない大所帯となりました。というわけで、1年生には少しでも早く学校林に慣れて欲しいので、一緒にセンサーカメラの回収に行きます。
 今回は久しぶりにイタチが撮影されました。イタチは年に1~2回見られたら良い方という、学校林では結構珍しい動物です。科学部の調査では、イタチは「イタチ類」として記録しています。というのも、日本に生息するイタチはニホンイタチとチョウセンイタチの2種がいて、センサーカメラによる撮影だと、どっちか分からないんですよね。チョウセンイタチの方がサイズが少し大きいなど、並べて比較すると違いも分かるのですが、写真ではなかなか難しいです。もっとも、住宅街に近い場所に出るのは大体チョウセンイタチなので、学校林で撮影されるのもそうだとは思うのですが。
 京都に分布するイタチのなかま、いわゆるイタチ科に属する動物としては、このイタチ2種の他に、テン、アナグマがいます。この2種はどちらも学校林でもよく撮影されており、今回も姿を見せてくれました。イタチ、テン、アナグマが揃って撮影されると、何だか嬉しくなりますね。

 

 4月6日~4月20日は新入生の体験入部ということで、1年生がたくさん来てくれました。体験の内容としては、学校林に入る、センサーカメラ写真の確認、ウシガエルの観察、畑作業の手伝い、スライム作り、生物カードゲームで遊ぶなど、盛りだくさんでした。期間中の体験入部は3日間だけでしたが、20人以上が来てくれました。

 最終的に、15人の1年生が入部届けを出してくれることになり、今年度の科学部は昨年度以上の大所帯になりそうです。今の3年生が入部する前年は4人で活動していたことを考えると、信じられないくらいの部員数になりますね。

 そんな体験入部と並行して、4月20日には放送部から取材を受けました。今年度は全国総合文化祭に出場することもあり、科学部の活動をドキュメンタリーにしてくれるそうです。どのような形になるのか楽しみです。

 

 莵道高校には「莵道の森」と呼ばれる学校林(裏山)があります。ここは京都市の大文字山から連なる峰の一部であり、ニホンジカをはじめとした多くの哺乳類を見ることができます。校舎のすぐ近くに学校林がある高校は京都府内でも珍しく、科学部では林内に自動撮影装置(赤外線センサーカメラ)を設置して、出現する動物の調査をしています。

 センサーカメラは一度設置すると1ヶ月程度は稼働するため、春休みなど長期休暇中も設置しています。新学期が始まったので、そのデータを回収し、撮影された動物を記録していきます。今回もニホンジカ、テン、ハクビシンなど、様々な動物が写っていました。

 学校林で一番多く見られる動物はニホンジカです。現在ニホンジカは全国的に増加しており、学校林でも年々撮影数が増加する傾向にあります。それどころか夜になって学校から人がいなくなると、グラウンドや校舎の近くまでやってきて、足跡を残したり、糞をしたり、花壇の花を食べたりしています。莵道高校はニホンジカと共にある学校なのです。

 今回もそんなニホンジカがたくさん撮影されていました。特に興味深いのは、角がとれたばかりの雄ジカが写っていたことです。ニホンジカは雄にだけ角がありますが、この角は毎年生えかわっています。春先に生えていた角が落ち、また新しく伸びてくるわけです。だから、森の中で地面を探していると、シカの角を拾うことができたりするわけです。3枚目の写真は頭に黒い丸がありますが、ここが角の生える部分です。なかなか面白い状態の写真が撮れたと思います。

 科学部がセンサーカメラを使った学校林の動物調査を始めてからもうすぐ5年が経ちます。昨年度は調査結果をまとめた研究発表で賞をいただくこともできました。今年度も、引き続き学校林の動物を見ていきたいです。

 

 京都市動物園で開催されたイベント「野生動物学のすすめ2020」の2日目「あつまれ!ジュニアサイエンティスト交流会」に、科学部が参加しました。

 イベントの前半では、動物園の研究発表に並んで、昨年度に発表した「学校林を利用する哺乳類の3年間の推移」と「シカがくる学校」の研究発表をさせてもらいました。大学の先生や研究者の方、大学生から様々な質問・意見をいただき、新たな発見があったと思います。

 後半は、座談会形式で野生動物を専門に研究されている先生のお話を聞くことができました。高校生にとって「専門分野に分かれて研究をする」ということは馴染みがないものですが、様々な分野の視点から、シカの増加問題、外来生物問題など、身近なテーマの話を聞くことができました。

 今回のイベントに参加できたことは、部員達にとって貴重な体験になったと思います。声をかけていただいだ京都市動物園に感謝です。

 

 3月29日、光華女子大学の先生の声かけで、莵道高校の科学部、北稜高校の天文地学部、京都大学芦生研究林の先生方によるオンライン(ZOOM)の交流会が実施されました。

 莵道高校、北稜高校がそれぞれの部活動で行っている研究について発表し、そして、京都大学の先生から芦生研究林や大学での研究内容についてお話をしていただきました。その後、莵道高校と北稜高校の生徒でグループディスカッションをしました。

 慣れないZOOMの操作など、上手くいかないことも多かったのですが、生徒達にとっては面白い体験になったと思います。来年度、実際に京都大学の芦生研究林に行けるといいなって思います。

 

 3月27日から29日にかけてオンラインで開催された「第133回 日本森林学会大会 高校生ポスター発表」に参加しました。京都府総合文化祭で発表した「学校林を利用する哺乳類の3年間の推移~自動撮影装置による調査から~」と「シカがくる学校~莵道高校とニホンジカの記録~」の研究発表をブラッシュアップし、ポスターにして発表しました。

 参加を決めた11月以降、1年生と2年生に分かれて、それぞれのポスター作りを頑張ってきました。その結果、「学校林を利用する哺乳類の3年間の推移~自動撮影装置による調査から~」のポスターが、「優秀賞」を受賞しました。

 京都府総合文化祭では「シカがくる学校」が評価され、全国総合文化祭に出ることになりました。そして今回、もう一つの「学校林を利用する哺乳類の3年間の推移」が評価されたわけです。これで、科学部が今年度に力を入れてきた二つの研究発表が、どちらも全国レベルで評価されたことになります。

 とても素晴らしい結果を出すことができたわけですが、これもすべて、今までの先輩達から継続してきた学校林調査のデータがあってのことです。つまり、卒業した先輩も含めた科学部の全員が評価されたのだと思っています。


※リンクから発表したポスター(PDFファイル)を見ることができます。

 
 

ファイル名:kagakubu_shinrin_poster.pdf

PDFファイル容量:【1094.0KB】

※PDFを開くには下記「日本森林学会大会高校生ポスター発表で優秀...」をクリックして下さい。

ポスター「学校林を利用する哺乳類の3年間の推移~自動撮影装置による調査から~」「シカがくる学校~莵道高校とニホンジカの記録~」
 

 科学部がこれまでに行ってきたセンサーカメラ調査より、学校林内では14種の哺乳類が確認されています。そこにはニホンジカのようによく撮影される動物もいれば、アナグマのようにそんなに撮影されない動物、ニホンザルのように何の偶然か1回しか撮影されていない動物など色々います。そんな中でも少し面白いのが、毎年1回(たまに2回)、3学期に姿を見せてくれるキツネです。どうしてかは分かりませんが、キツネは3学期にだけ撮影されるのです。

 そのキツネが、今年も撮影されました!この時期にだけ現れる理由は不明ですが、毎年義理堅くやってきてくれるのは嬉しいですね。

 今年度は例年以上にシカの撮影が多くなっているような気がします。しかし、秋にはタヌキが再び撮影されるようになり、イノシシも1回だけとはいえ撮影されました。そしてキツネも来てくれた。まだまだシカだけの森ではないところを見せてくれてますよ。

 

 学年末考査が終了した日の放課後、2月中に肥料を入れて準備していた畑に、ジャガイモの植えつけを行いました。あらかじめ作っていた畝にマルチをはり、穴をあけて種芋を埋めていきます。

 昨年度はシカの食害にやられたジャガイモですが、今年度はたくさん収穫できて合宿のカレーに入ったりしました。来年度の収穫はどうなるのか楽しみです。

 それにしても、科学部の畑って冬から春はジャガイモ、春から秋はサツマイモと、イモ類ばかり植えている気がします。イモという作物がそれだけ育てやすいということではあるのですが、来年は他の作物にもチャレンジしてみたいですね。

 

 3月1日に卒業式が実施されました。科学部の3年生2人も無事卒業していったわけですが、そんな3年生に向けて、科学部の1・2年生は3学期にやるべきことがありました。それは、昨年度より始めたアライグマの骨格標本を完成させることです。

 昨年度、科学部はとある場所で捕獲されたアライグマ(割と立派なオス)の遺体を手に入れました。解剖し、外側の毛皮はなめして標本にしたわけですが、中身を骨格標本にする作業はあまり進まず、今年度に持ち越されていました。しかし、センサーカメラの記録データをまとめたり、研究発表に向けた準備に手を取られて、今年度もなかなか標本作りに取り組むことができませんでした。京都総合文化祭の後、「3年生が卒業する前に標本を完成させたい」「先輩の卒業前にお披露目したい」という思いで、本格的に骨格標本作製を進めていきました。


 科学部では、次の手順で骨格標本の作製をしました。


(1)頭部、胴体、四肢などパーツに分ける。

(2)鍋で煮て、肉を取り除いていく。

(3)骨にこびりついた肉をポリデントで分解する。

(4)過酸化水素水で、いい感じの色に漂白する。

(5)ドリルで骨に穴を空けて、針金を通して組み立てる。

(6)針金でつなげない骨は、ホットボンドやUV硬化樹脂で固定する。

(7)標本台を準備し、組み立てた骨格を固定する。


 そして2月19日、ついにアライグマの全身骨格標本が組み上がりました。解剖したのが昨年度の7月なので、標本完成まで1年半以上かかった一大プロジェクトでした。卒業式前日の放課後、3年生にも無事お披露目することができました。

 この思い出のアライグマは、これからも生物実験室に展示される予定です。科学部ではない生徒の皆さんも、実験の授業などで生物実験室に入ったときには、是非アライグマの骨格標本をご覧ください。

 

 莵道高校はもうすぐ学年末考査の期間に入りますが、今年の科学部は部活停止前のギリギリまで活動していました。この3学期は、骨格標本の作製や日本森林学会大会の高校生ポスター発表に向けた準備など忙しかったのですが、定期的にセンサーカメラのデータを回収するのも忘れていません。

 今回もまたニホンジカばかりが撮影されていました。タヌキやテン、ハクビシンなんかも撮影されてはいるんですが、シカの撮影数が圧倒的ですね。ただ、今回撮影された中で特に多いと感じたのは仔ジカです。

 ニホンジカは秋に交尾をして、夏前に出産します。今の時期は昨年産まれた仔ジカが大きくなってきて、割と活発に行動するようになる時期のような気がします。まだ子どもで好奇心旺盛なのか、フラッシュの光にも驚かず、カメラの前をうろうろしている様子も見られます。仔ジカは群れと一緒にいるので、複数が撮影されている写真も多いです。

 ニホンジカは2年くらいで成獣になります。以前は仔ジカの半数は成獣になる前に死亡するとされていましたが、最近は死亡率が下がっているようです。これもまた、シカの増加に関係しているのかも知れません。

 

 科学部は基本的に水曜日と金曜日の週2回が活動日になっています。よって、祝日や行事が重なる2月は活動できる日が少ないのですが、それでも、3月にある日本森林学会大会の発表準備や骨格標本作りに精を出しています。同様に、学校林のセンサーカメラ調査も継続して行っています。

 今回も仕掛けてあるカメラのデータを回収してきたのですが、その中にまったく撮影しなかったカメラがありました。たまたま動物が通らなかったのか、機械的なトラブルなのか、ちょっと分かりませんが、2週間設置して動物がまったく通らないということは多分ないので、トラブルの可能性がありますね。

 センサーカメラも機械である以上、こういったトラブルはよくある話です。スイッチを入れたのに作動してなかった、連続でシャッターが切られて一瞬で電池がなくなった、本体がSDカードを認識してなかった、数えたらきりがありません。こういうトラブルを乗り越えつつ、調査というのは進めていくものです。

 幸い、しっかり作動してくれたカメラもあったわけで、ニホンジカやアライグマ、テンなど、いつものメンバーがそこには写っていましたよ。

 

 理科の授業で「生物」を選択している3年生は、動物の中枢神経について学ぶとき、ニワトリの頭部を解剖して脳を観察する実験をしています。といっても、実験に用いるのは犬の餌として販売されている「鶏頭の水煮」です。ちゃんと処理されている上、柔らかく煮てあるので、簡単に脳を取り出すことができます。

 この実験で使った鶏頭が余っていたので、科学部でもやらせてもらうことにしました。生物を選択している部員はいずれ授業でやるので、物理選択や人文コースの部員を中心に解剖を行いました。

 ピンセットを使って頭蓋骨を剥がしていき、中にある脳を取り出します。ヒトの脳と比較して小脳が大きかったりと、鳥類ならではの特徴が確認できます。また、眼球につながる視神経も見ることができます。

 日頃、なかなか動物の頭部を意識したり、脳を取り出したりすることはないので、興味深い経験ができたのではないかと思います。

 

 宇治市に珍しく雪が積もった日の午後、雪解けの学校林に入ってセンサーカメラのデータを回収してきました。前回のデータ回収からあまり時間が経過していなかったこともあり、ニホンジカも含めて撮影数は少なかったです。

 莵道高校でも年に数回は雪が降ることがあり、そのたびに雪景色の中で動物が撮影されたりするのですが、今回は残念ながらそういう写真はありませんでした。センサーカメラで撮影される哺乳類は恒温動物ですので、一部の冬眠(冬ごもり)をする種を除いて、冬の雪の中でも普通に活動しています。よって、今回の積雪でも動物は活動していたと思うのですが、そのタイミングでちょうど学校林に来ていなかったということでしょうね。残念です。

 

 3学期が始まり、冬休み期間中に設置していたセンサーカメラを回収してきました。現在仕掛けているセンサーカメラは電池の持ちがよいので、例年より長かった冬休みでも、電池切れの心配をしなくてよいのが嬉しいです。

 相変わらず、今回もニホンジカがたくさん撮影されていました。何日か雪が降った日があり、白くなった景色の中にシカがいる写真も撮れました。他にも、タヌキ、テン、ニホンリス、ハクビシン、アライグマと、いつものメンバーが写っていましたが、それぞれの枚数は少なかったです。しかし、10月頃まで半年以上撮影されなかったタヌキは、今となっては以前と同じように普通に撮影されてますね。

 科学部では現在、3月に開催される「日本森林学会大会 高校生ポスター発表」に向けて、研究発表ポスターを作成しています。内容はセンサーカメラ調査に関する研究ですが、ポスターの形で発表するのは初めてなので、試行錯誤しているところです。

 

 2学期も終業式の日を迎え、いよいよ冬休みに入っていきます。今年の科学部は、1・2年生だけで10人以上いるという、ここ数年では最大規模の大所帯となり、マンパワーを生かした活動ができたと思います。特に、3年分以上あったセンサーカメラ調査のデータを集計・解析し、考察して研究発表まで持っていけたのは、大人数で分担して作業できたことが大きいのではないでしょうか。

 さて、2学期最後の活動では、センサーカメラのデータ回収をしました。前回の回収から1週間しか経っていないので、撮影数はそこまで多くありませんでしたが、今回は雄ジカの撮影が非常に多かったです。学校林ではニホンジカが最も撮影されるわけですが、雄と雌を比べると、雌の方が撮影数が多いです。これは主に、雌は集団で行動することが多く、雄は単独で行動することが多いという性質による影響だと思われます。しかし、今回撮影されたニホンジカは、そのほとんどが雄ジカでした。

 雄ジカは角をもっているわけですが、この角には個体差があるので、角を見れば、簡単な個体識別ができます。今回、雄ジカがたくさん撮影されたことで、学校林には少なくとも4頭の雄ジカが来ていることが分かりました。この狭い範囲の学校林に、たった1週間で4頭もの雄が来ているとは少し驚きです。

 雄ジカの角は春先に落ちて、また新しい角が生えてきます。これだけの雄ジカが来ているのなら、来年の春は1頭くらい学校林の中で角を落としてくれると嬉しいですね。

 

 2学期の学年末考査が終了したので、テスト期間中に設置していたセンサーカメラを回収しました。季節は秋から冬に変わってきたわけですが、その影響でしょうか、前回の回収時に比べて撮影数が大きく減っていました。

 毎年の話ではありますが、学校林に動物が最もたくさんやってくる時期は秋のシーズン(10~11月頃)です。理由としては、莵道高校の学校林はコナラなどのどんぐりを落とす樹木が多く、この時期は餌資源が豊富になっているからと考えられます。また、冬への備えとして、動物の行動が活発になり、活動範囲が大きくなっているのも影響していると思います。秋の時期は撮影数だけでなく、撮影される動物の種数も増え、いわゆる生物多様性が高くなっている時期でもあります。

 というわけで、冬になると撮影数が減るのは毎年のことなのですが、今年はその減り幅が大きいような気がします。一気に少なくなったなぁという印象ですね。こういう季節変化を見ていくのも、この調査の醍醐味です。これから本格的に冬のシーズンになっていきますが、今冬はどんな動物がやってくるのか楽しみですね。

 

 12月に入り、冬のシーズンが本格的に始まったような気がしますね。しかし、2学期期末考査の期間に入る前(11月中旬)に回収したセンサーカメラのデータは、まだまだ秋真っ盛りといった感じで、多くの動物が姿を見せていました。

 今回も、タヌキ、アナグマ、ハクビシン、アライグマが撮影されていました。これらの動物は見た目が少し似ていることもあり、外来生物のパンフレットなどでは、見分け方が紹介されていることが多いように思います。ただし、この中で外来生物にあたるのはアライグマだけです。アライグマは北米からやってきた動物で、近年農作物などに大きな被害を出していることは有名ですよね。タヌキとアナグマは日本の在来生物(元から日本にいた生物)ですが、実はハクビシンについては、ちょっと微妙な立場だったりします。

 ハクビシンという動物はどうも、元々は日本列島には生息していなくて、大陸の方からやってきたらしいのです。ただし、日本に入ってきた時期がよく分かっていなくて、江戸時代とか明治時代ぐらいではないかと言われています。そういう状況もあって、環境省としてはハクビシンを外来生物として扱っていません。しかし、同じグループの動物の化石が日本で見つかっていないことから、昔から日本にいたわけではないことだけは確かなようです。

 ハクビシンは近年、京都府で増加傾向にあるようで、農作物を荒らしたり、家屋に侵入したり、色々と悪さをしています。学校林でも撮影数が増えていますし、今後が気になる動物ですね。


 12月3日の京都新聞に、莵道高校科学部を取材した記事が載っています。学校林のセンサーカメラ調査についての記事です。機会があればご覧ください。

 

 センサーカメラの設置場所を大きく変更して以来、2回目のデータ回収をしてきました。今回も秋の時期らしく、多種の動物が撮影されていました。

 しばらく撮影されてなかったタヌキは今回も写っており、2頭で行動している写真もありました。10ヶ月近く撮影されてなかったタヌキですが、カメラの設置場所を変えてから普通に写るようになっています。こうなると、どうして今まで撮影されてなかったのか気になるところです。

 水場(ヌタ場)の前に仕掛けたカメラには、相変わらず雄ジカの角研ぎや泥浴びが撮影されています。昨年までにも、こういった行動は撮影されているのですが、今年はこれまで以上にたくさん撮影されている気がします。シカの数は確実に増加していると考えられるのですが、やはりそれが関係しているのでしょうか。

 色々と気になることも多く、今後の撮影が楽しみです。

 

 莵道高校の学校林では、現在までに14種の哺乳類がセンサーカメラ調査により確認されています。その中には、キツネやニホンザルのように、ほとんど撮影されない動物もいれば、以前は普通に撮影されていたのに、最近は撮影されなくなった動物もいます。

 そんな、最近撮影されなくなった動物がイノシシとタヌキです。イノシシは2020年12月、タヌキは2021年1月を最後に、まったく撮影されなくなりました。そんなイノシシとタヌキが、久しぶりに撮影されたのです!これは非常に嬉しい結果でした。

 イノシシが撮影されなくなった理由は分かっています。実は近年、野生のイノシシの間では「豚熱」という病気が流行っており、これにより数を減らしています。以前、山城広域振興局の方にお話を聞く機会があったのですが、どうも昨年の冬頃に、宇治地区のイノシシは豚熱でほぼ全滅したらしいのです。というわけで、学校林でも姿を見なくなったイノシシですが、今回久しぶりに撮影されたということは、他の地域から新しく入ってきたということでしょうか。そうなると、今後少しずつイノシシの数は回復していくと思いますが、その先駆けが撮影されたのかも知れませんね。

 タヌキについては、どうして撮影されなくなったのかよく分かりません。単純にタヌキの数が減っているのか、それとも学校林に魅力がなくなって来なくなったのか、何とも言えないところです。秋になり、また撮影されるようになったことから、学校林が餌場の一つになっていることは確かだと思いますが。

 いずれにせよ、久しぶりのイノシシとタヌキの撮影でした。これからも、ちょくちょく姿を見せるようになって欲しいですね。

 

 10月の終わり頃、畑で育てていたサツマイモの収穫を行いました。

 科学部の畑では毎年サツマイモを育てているのですが、昨年はニホンジカによる食害にあってしまい、すごく小さいイモがほんの少しだけしか収穫できませんでした。その後、防除ネットを設置して畑を守るようになり、今年は夏の間にしっかり葉をつけて光合成していました。

 そんな期待しながらの収穫だったのですが、結果からいうと、とても大きなイモが収穫できました。いや、大きすぎるくらいです。ここまで大きな塊になってしまうと、今度は調理するときに大変だろうという感じです。一つのイモに、栄養を蓄えすぎてます。

 それでも、昨年の食害による不作を経験した後なので、ちゃんとしたイモが収穫できただけで嬉しいものです。一緒に育てていたワタもそうですが、今年の畑作りは大成功だったと思います。