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『風の万里 黎明の空』 小野不由美 講談社文庫

 ある日、本屋の文庫本のコーナーでやたらスペースをとって置いてある本が目についた。十二国記のシリーズである。何でも最新刊は十八年ぶりであるらしい。そんなにも期間が空いて続きを読みたがる人がいる小説というのはどんなものなのだろうと思った。

 で、やはり順番にEpisode0から読まなくてはなるまいと思い、「魔性の子」から読み始めたわけだか、面白い、しかしこれはホラー小説ではないか、ホラーは少し苦手である。シリーズの次の作品からはホラーではない。ファンタジーと言っていいかもしれないが一筋縄ではいかない。この話がどのような展開をしていくのか気になる。

 ということでやっと「図南の翼」まで読み進んだ。難解な言葉も多く、とにかく漢字が多い、なんと読めばよいのかという名前もたくさん登場する。でも何故か続きが読みたくなる。アニメになっている作品もあるが、小説から自由に想像するのが面白いと思う。「風の万里 黎明の空」はEpisode4である。これは少女たちの成長の物語である。

 最新刊まではまだだいぶある。どのような物語が紡がれていくのだろう。

                     オススメビト:図書部教員

 

『はじめての短歌』 穂村弘 河出文庫

 

「煤(すす)」「スイス」「スターバックス」「すりガラス」「すぐむきになるきみがすきです」(やすたけまり)

・・・ちょっといいと思いませんか? でもこれ、最後が「すてきなえがおのきみがすきです」だったら? 

 言葉は、働いたり生活したりするためにツールとして使うもの。だけど「生きのびる」役には立たなくても「生きる」ために必要な言葉、"役に立つ"からはみだした言葉--―それが短歌の言葉なんです。具体的に短歌作品とその「改悪例」を並べて、そのことを解説してくれるのがこの本。短歌ってなんだかよく分からないから...と敬遠してた人も、きっと何か読んでみたくなりますよ。

 ちなみに、著者はこんな短歌を詠む人です。

「サバンナの象のうんこよ聞いてくれ だるいせつないこわいさみしい」

                    オススメビト:図書館司書

 

 

 

 

 
 
 
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