1.研究主題

「自分の考えをいきいきと伝え会う子どもをめざして」
  ~国語科における書く力・話し合う力を高める取組を通して ~

〈めざす子どもの姿〉
 【書く力】
  低学年・・・ 自分の考えや思いが伝わるように理由を付けて順序よく書く。
    中学年・・・ 相手や目的に応じて、自分の考えが明確になるように文章を構成して書く。
  高学年・・・ 自分の考えを明確に表現できるように、目的や意図に応じて資料等を活用しながら、説得力のある構成を考えて書く。
              
 【話し合う力】
  低学年・・・ 自分の考えや思いを理由を付けて最後まではっきり話したり、大事ことをおとさないように聞いたりして、質問や感想を言う。
    中学年・・・ 話し合いでの役割や目的を理解し、自分の考えの根拠となる事例や理由をあげ、共通点や相違点を考えながら話し合う。
  高学年・・・ 根拠を明らかにし構成を工夫して話したり、話し手の意図をとらえて聞いたりし、自分の考えと比べながら話し合い、考えをまと
           める。
        
 

2.主題設定の理由


本校は、全校児童52人の小規模校である。とても素直で指示されたことはきちんと最後までやり切ることができる。高学年を中心によくまとまり、休み時間になると学年の枠を超えて仲良く元気に遊ぶ姿がみられる。
    反面、就学前から友達関係が固定的で序列化が進み、お互いに切磋琢磨して成長して いこうというたくましさに欠ける面も見受けられた。大きな集団の一員となった時には、その中に埋没してしまい、自分を表現することができなくなるのでないか心配になる児童もいた。
  そのような実態を踏まえ、自分に自信を持ち、思いや考えを生き生きと伝え合う児童の育成をめざして、国語の研究に取り組んでから6年目になる。
  1年目は、授業の中に「書く活動」を位置づけ、自分の考えや意見を書きまとめてから話し合いに参加させた結果、大きな声で意欲的に発表したり、友達の考えや意見と比べながら聞いたりすることができるようになった。しかし、発言内容の質、双方向の交流という点で課題が見られた。
  そこで、2・3年目は、説明的な文章における「一人学びのてびき」の作成と活用、 話し合いのルール作りに取り組んだ。その結果、説明的な文章を読み取るときの着眼点が分かり、接続語・文末表現・指示語・キーワードやキーセンテンス・文章構成などを根拠に、自分の考えを順序よく筋道を立てて伝えたり、話し合いを通して自分の考えを広めたり深めたり変えたりすることのできる児童が育ち始めた。
   4・5年目は、話し合い活動の充実に焦点をあて、生き生きと伝え合っていると考えられる児童の具体的な姿の明確化、文学的な文章における「一人学びのてびき」の作成と活用、系統性を考慮した話し合いのルールづくりや一人学びのさせ方の工夫、授業スタイルの確立、話し合い活動を活性化させる発問づくり、話し合い活動における教師のコーディネート力(児童の発言の引き出し方・練り合わせ方)の向上などに取り組んだ。
  さらに、活用力の育成を位置づけた単元計画の作成、パフォーマンス課題の設定と評価についても研究を進めた。
    その結果、主体的に話し合い活動に参加する意欲、聞き手を意識して話す力、話し手の意図を考え自分の考えや意見と比べながら聞く力が高まってきた。高学年を中心に、友達の考えや意見を吟味し、自分との共通点・関連性・相異点に着目して発言をつなぎ、考えを深めたり広げたりすることのできる児童が育ってきた。
  個人差に対応するためにグループ学習、対話など授業形態の工夫が有効であること、6年間を見通し系統的に「書くスキル」「話し合うスキル」を身につけさせるためには、発達段階に応じてより具体的な目標設定をする必要があること等が実践を通して明らかになった。
  また、活用力の育成をめざした言語活動を工夫し、より客観的に評価する取組が試行錯誤しながらも進んできた。
  6年目となる今年度は、今までの成果と課題を生かし、「より豊かな表現力を身につけ、生き生きと伝え合う児童」「筋道を立てて論理的に書いたり話し合ったりすることのできる思考力・判断力を身につけた児童」の育成をめざし「書く力」「話し合う力」
 を高める取組を推進していきたい。自分の考えを相手に的確に伝えたり納得させたりするために内容や構成を考えて書きまとめる力、相手の伝えたいことを正確に聞き取り、吟味し、自分の考えを整理して伝え、双方向の話し合い活動を通して一定の結論や方向性を導き出せる力を系統的に育てるために、低・中・高別の到達目標を示し、目標達成に向けて具体的な取組方法を創意工夫していきたい。
    そして、国語科で培った力を様々な生活場面で生かし、自分の思いや考えを生き生きと伝えたり、相手の思いを汲み取りながら聞いたりすることを通して、主体的にたくさんの人とつながり、関わりを深めながら、生涯にわたりより充実した生活を送ることのできる児童を育成したい。
 

3.主題にせまるために

3 主題にせまるために

  (1) 研究の目標
     伝え合う力を身に付けた児童を育成するために、国語科における話し合い活動の指導の在り方や表現力や思考力を高めるための言語
   活動はどうあればよいかを明らかにする。

 (2) 研究仮説
   ① 系統的に「書く力」「話し合う力」を身につけさせたり、活用力の育成をめざした言語活動を工夫し、より客観的に評価したりすることによ
         り、生き生きと伝え合う力が高まるであろう。
     ② 読書活動の推進や言語環境の整備、及び意欲を高め充実感をもたせる活動の場を設定することにより、児童は言語感覚を磨き、意欲
        的に伝え合おうとするであろう。
     ③ 学校生活の様々な場面で主体的に話し合い活動を行うことにより、伝え合う力がさらに高まるであろう。

 (3) 研究内容
   ア 授業研究部
        (ァ) 目標
          「書く力」「話し合う力」を高め、学びを深め広げる授業づくりを進めることにより、生き生きと伝え合う児童を育成する。
        (ィ) 取組
            a 授業づくり
             ・ その単元でつける力を明確にした指導
             ・  活用力の育成を位置づけた単元計画の作成
        ・ 教材分析・教具の工夫
        ・  発問の工夫
             ・ 「一人学びのてびき」の活用
             ・ 「書く力」「話し合う力」を高めるための系統的な指導の研究
            b 評価の工夫
             ・ パフォーマンス課題、ルーブリック作りの研究
             ・ 評価規準・評価方法の明確化
             ・ 自己評価や相互評価の工夫
            c 家庭との連携
              ・ 研究だよりの発行
            e 研修
              ・ 授業研究会・理論研究会・国語実践研究会
             ・ 先進校視察・復講