はじめに

 新生児聴覚スクリーニングの実施により、0歳で聴覚障害が発見され、早期に療育が開始されるケースが多くなってきました。当センターではスクリーニングで「リファー」となって間もない方も含めて、保護者の皆さんがかけがえのない我が子を愛情深く受け止めながら子育てが始められるように支援する事が大切だと考えています。
 0歳、1歳の時期は、安定した親子関係のもとでさまざまな発達を促しながら過ごしたいものです。というのは、しっかりとした「からだ」や「こころ」の基礎のうえに「ことば」も育っていくからです。
 最近では、重度の聴覚障害の子どもさんも早期に補聴器を装用することで音声のやりとりが始まるケースも少なくありませんが、この時期に、身振りや手話で語りかけることもコミュニケーションを活発にするので、子育てに有効です。
 そこで、聴覚障害が発見されて間もない乳幼児の保護者の方にとって使いやすい本があればと考え、このたび0〜2歳児の子育てをする際に便利な手話を京都で使用している表現を中心に集めてみました。それがこの「幼児手話辞典」です。保育園や療育施設でも必要に応じて活用していただけるのではないかと思います。中には幼児向けの表現にするため、本来の手話表現と違うものもありますが、身近な人と通じること、わかりやすいことを第一に考えて作成しましたので、御了解ください。音声言語に「幼児語」があるのと同様に「幼児手話」と御理解くださるとありがたいです。
 なお、※キューサイン、口形記号、及び指文字の表を資料として掲載していますので、御参照ください。
 最後になりましたが、掲載する表現について成人の聴覚障害者の方々に多くの御助言をいただきましたことを厚くお礼申し上げます。
京都府立聾学校内
   京都府聴覚支援センター


※このページは平成20年6月に作成した『幼児手話辞典』をweb版にしたものです。