現場の教員の 間違いやすい手話表現

「日本手話」と「日本語対応手話」は区別されることもありますが
聾学校の現場教員としては、

@様々なコミュニケーション手段を持つ子供達を目の前にして 、
  どの生徒にも、伝わるようにしたいこと 。
A学校では、教科・日本語の内容を正しく伝える必要があること。
B健聴者がすぐに 「日本手話」 を使いこなすことは 難しいが、
 できるだけ正確に意味を伝える必要があること 。

そこで、本校教員の間違いやすい手話表現を集め、
「この手話表現なら、簡単により正確に意味が伝わるのではないか」
という答を検討してみました。毎月このHPで発表したいと思います。

 

2006年5月の手話

(例文) 彼は 仕事をし過ぎる。
まず、この文を手話で表してください。

マル
マル
マル

次に、下の文をどう区別して表しますか?
  @ 彼は仕事が遅い。
  A 彼は会社に遅れる。
  B 彼は仕事をしすぎる。
  C ゆっくり仕事がしたい。


@は、仕事をする「スピードが遅い(ゆっくり)」の意味です。

Aの遅れるは「時間が過ぎる(遅刻)」という手話を使いました。

Bの「働き過ぎる」は、「(仕事の量が)一定量を超える」という意味で
「超える(オーバー)」という手話を使いました。

Cの「ゆっくり」は「スピードが遅い」ではなく「ゆったりと」とか「落ち着いて」
の意味の表現をしてみました。

このように区別して表現する方が、
手話を読みとって勉強する子どもにはより正確に伝わると思います。

   

@仕事が遅い A会社に遅れる
遅い 遅れる
B仕事をしすぎる Cゆっくり仕事をしたい
過ぎる ゆっくり


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