現場の教員の 間違いやすい手話表現

「日本手話」と「日本語対応手話」は区別されることもありますが
聾学校の現場教員としては、

@様々なコミュニケーション手段を持つ子供達を目の前にして 、
  どの生徒にも、伝わるようにしたいこと。
A学校では、教科・日本語の内容を正しく伝える必要があること。
B健聴者がすぐに 「日本手話」 を使いこなすことは 難しいが、
 できるだけ正確に意味を伝える必要があること。

そこで、本校教員の間違いやすい手話表現を集め、
「この手話表現なら、簡単により正確に意味が伝わるのではないか」
という答を検討してみました。毎月このHPで発表したいと思います。

 

2005年8月の手話
    
「見る」には以下のの2つがあります。


 



では、次文を手話で表してください。


やって みる。 やって みせる。
マル
マル
マル

次に、下の文をどう区別して表しますか?

  @ (私が)やってみる。
  A (私が)やってみせる。
  B (あなたが)やってみせる。


特に@で、上記の「見る」(上の手話イラスト「ア」「イ」)
を使って表しませんでしたか?

「やってみる」と「やってみせる」を同じ表現にしないで、

@ 「 〜してみる 」は、「試みる」
A 「 みせる 」は、「あらわす」 

というように、区別して表現する方が、
手話を読みとって勉強する子どもにはより正確に伝わると思います。

また、「(あなたが)やってみせる。」場合は、
「みせる」の手話に方向性を示すことでよりはっきりします。

      
@(私が)やってみる。 A(私が)やってみせる。 B(あなたが)やってみせる。
やってみる やってみせる(あなたが)やってみせる


最後に、参考までに

「〜してみる」には2つの手話表現があります。     
〜してみる
A:@の文章で用いた表現 B:「試みる」「工夫」などを意味する表現


 

Bには「試みる(試験)」の意味が含まれ、
Aと比べると少し仰々しいイメージがあるといわれています。

トップページへ 手話のバックナンバーへ