現場の教員の 間違いやすい手話表現

「日本手話」と「日本語対応手話」は区別されることもありますが
聾学校の現場教員としては、

@様々なコミュニケーション手段を持つ子供達を目の前にして 、
  どの生徒にも、伝わるようにしたいこと。
A学校では、教科・日本語の内容を正しく伝える必要があること。
B健聴者がすぐに 「日本手話」 を使いこなすことは 難しいが、
 できるだけ正確に意味を伝える必要があること。

そこで、本校教員の間違いやすい手話表現を集め、
「この手話表現なら、簡単により正確に意味が伝わるのではないか」
という答を検討してみました。毎月このHPで発表したいと思います。

 

2005年12月の手話

(例文)からだがよくなる。
まず、この文を手話で表してください。

マル
マル
マル

次に、下の文をどう区別して表しますか?
  @ 病気がよくなる。
  A 状態がよくなる。
  B 景気がよくなる。
  C からだがよくなる。

同じ「良くなる」でも
@「なくなる」(消滅する) A「よい+〜になる」
B「向 上」 C「回 復」

少しずつ手話表現が違うのですが
@の「病気が良くなる」が、
「病気+回復」という手話表現になる人が時々見られます
「回復」というのは、倒れているものやこわれた状態にあるものを、
「ちゃんとした状態、正常な状態」にするという意味があります。
ですから、「病気+回復」は、
「病気を、さらに確固たる状態にする」(?)
というような変な意味になってしまうかもしれません。
「病気がよくなる=病気がなくなる」と
「からだがよくなる=からだの状態が回復」
というように、区別して表現する方が、
より正確に伝わると思います。

 
@ 病気がよくなる(なくなる)   
病気がよくなる   
A 状態がよくなる <良い> + <なる>    
状態がよくなる 状態がよくなる
B 景気がよくなる(上向く) C からだがよくなる(回復する)
景気がよくなる からだがよくなる


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