京都工芸繊維大学-2

 

猿山靖夫 教授 研究室

テーマ:物質と熱

 僕たちの班は研究室で物質と熱の関係について4種類の実験をしました。

一日目は、いろいろな濃度の味噌水溶液を作り、それを温めたときの温度の変化の違いを調べました。研究室訪問初日のため、少し緊張していましたが、猿山先生にわかりやすく教えていただき次第に緊張もほぐれ、楽しく実験することができました。水と味噌の量を測りとり、温度変化を時間ごとに測定するという簡単な実験でした。二日目は、水とエタノールを混合比を変え、それぞれについて混合熱と密度を測定しするものでした。時間はかかりましたが、4つの実験のうちでもっともうまくいきました。

 三日目は、視差走査熱量計(DSC)という装置を使いポリエチレンテレフタレートの状態変化に伴う吸発熱を調べました。

 四日目は、コンピューターを使い温度が変わると原子はどのような動きをするのかシミュレーションをしました。五日目は、この四日間の成果をまとめて発表をしました。

 実験を計画するときは、細心の注意をしなければ信頼できる結果は得られないし、データの解析をするときは、いろんな発想を持たないといけないことを学びました。大学の教授、大学院生の方々に親切に教えていただき、楽しく実験ができました。この研究室訪問は有意義で、とてもよい経験になりました。

石原孝 教授 研究室

テーマ:有機合成の実際-如何にしてエステルを効率良く作るか?酸触媒によるエステル化反応及び合成した化合物の機器分析による構造決定

 最初は石原先生から、エステルの定義についての講義と今回行うFischerのエステル化反応についての原理を説明していただきました。研修の目的として如何にしてエステルを効率よく合成するかについての条件を「ルシャトリエの原理」に基づき決定しました。同時にTAとして御指導いただいた院生の方の実験も見学させていただき、将来の自分たちの姿を重ね合わせていたのではないかと思います。翌日より各自で異なる条件でエステルを合成し、生成を確認するための方法として、IRスペクトルやNMR分光法を用いた機器分析による構造決定の学習をしました。その後、実際に合成したエステルの収率を測定するために抽出・乾燥・濃縮を行い、カラムクロマトグラフィーで分離精製しました。生成したフッ素化合物のエステルである安息香酸2,2,2-トリフルオロエチルについてF-NMRも用いて収率を測定し、効率よくエステルを合成する条件を確認しました。実験が予想された収率と異なる結果となった生徒もいましたが、操作も含めなぜそのような結果になったかを考察することの重要性も認識できたのではないかと思います。最後に、互いの実験結果を持ち寄って分析・評価し、先生方から御助言をいただきました。その中で、レポートを作成する際にはストーリーが必要であるというお話を伺い、何を伝えたいのかを明確に表現する必要があることを学習して研修を終えました。

 
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