2月20日(木)の3,4限に視聴覚室で、奈良女子大学の村井准教授による特別講義がありました。「高校数学の先に拡がる幾何学~トポロジーの世界~」という演題で、同相変換で写りあう図形を同じ図形とみなして図形の性質を調べる、トポロジーという数学を学びました。中学や高校の教科書に記載されていることから出発し、図形の分類の仕方を合同・相似・同相と発展させてきた歴史を感じられる内容でした。最後には近年証明された「ポアンカレ予想」が紹介され、最先端の数学にも触れることができました。
2月21日(金)に、株式会社ABRI(*)代表取締役社長で、JSTアドバイザーの阿部英俊さんをお迎えし、「電池のつくる未来」という演題で特別講義をしていただきました。阿部さんは小惑星探査機「はやぶさ」「あかつき」に搭載されているリチウムイオン電池および、災害時に有用なMg空気電池の開発に携わっています。講義ではこの探査機2機に実際に搭載されたリチウムイオン電池と同じものを持ってきていただき、リチウムイオン電池のしくみや、搭載までの開発過程で苦労されたこと、宇宙での電池の役割などについてお話いただきました。また水を入れるだけで作動するMg空気電池を実際に放電させて、スマホを充電したりしました。生徒からは「化学(工学)の力の大きさを知った」「実際に見られて感動した。あのコンパクトな電池で「はやぶさ」の姿勢を制御していることにおどろいた」「震災などの非常時に情報難民を出してはいけない!という強い思いからMg空気電池が開発されたということに感動を覚えた」など、いくつもの驚きの感想が聞かれました。なおこの講演は株式会社ABRIのCSR活動の一環として実施されました。
*公立大学法人 首都大学東京と古河電池株式会社のベンチャー企業
1月30日(木)に、京都府理学療法士会会長・蘇生会総合病院事務長(診療技術部長兼任)の麻田博之さんをお迎えして、脳の機能とリハビリテーションの関係や、バランスの取れた食生活をはじめとする私たちの生活環境が体に及ぼす影響などについて、お話いただきました。脳卒中や小脳梗塞によって運動機能が低下した患者さんが、リハビリテーションによって大きな快復を実現した例を通して、私たちの脳が秘めた可能性について驚きを持って知ることができました。
また、特に女性について、過度のダイエットが生まれ来る子供の発達に負の影響を与えることから、食生活を中心として運動、睡眠のバランスの取れた生活を送ることの重要性にも気付くことができました。参加生徒からは「理学療法士の仕事の必要性についてあらためて実感した」「リハビリによって新しいシナプスが繋がって、脳がある程度の機能を取り戻せるという事実はとても興味深かった」などの感想がありました。なお、本講義は京都府教育委員会「府立高校特色化事業」の一環として実施しました。
2年生5,6組は1月27日(月)、3,4組は28日(火)の午後に、それぞれ総合地球環境学研究所(地球研)を訪れました。まず、副所長のMALLEE Hein(マレーハイン)先生に地球研の紹介を兼ねて地球環境の問題点などについて講演していただき、その後2班に分かれ、所内を見学しました。地下の実験施設は実験室の中までは入れませんでしたが、窓越しに室内を見ながら説明を受けました。研究室の見学では2つの研究プロジェクトの説明をしていただきました。普通の研究所とは一味違う、仕切りのないオープンな雰囲気の研究室や、文系の先生方も一緒に研究されていることなどに興味を持った生徒もいました。
高校1年生文理コースでは、毎年サイエンスツアーを実施しています。今年度は昨年に引き続き、福井県立恐竜博物館を訪問します。ツアーに先立ち、9月20日(金)に福井県立恐竜博物館の中山 健太朗研究員をお招きして、福井県から発掘される恐竜化石や、中山先生が研究している、キサゴ類(巻貝)の進化について特別講義をしていただきました。
7月考査明けの7月8日(月)3・4限に京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科繊維学系准教授の安永秀計先生を招いて標題の特別講義を行いました。「色って何だろう?」「色が役立っていることは?」との問いかけから、物理、化学、生物分野にわたり講義が展開されました。タマムシの色は光の回折で美しく見えていたり、同じ色でも脳の感じ方により見える色が違う、など興味のある話がたくさん散りばめられ、あっという間の2時間でした。生徒からも「太陽光と蛍光灯が混じっているとどんな色になるのか?」など活発な質問が複数出され安永先生も丁寧に回答していただきました。なお本講義は京都府教育委員会主催「子どもの知的好奇心をくすぐる体験授業」として実施いたしました。