おっきー短足(HP用).jpg 3学期の始業式を行いました。講堂から、1・2・3年生の教室にライブ映像を配信しました。校長先生の式辞に続き、生徒指導部長、保健部長、進路指導部長が講話をしました。

 また、2学期以降に優秀な成績を収めた部・生徒の表彰を行いました。

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 校長先生の「式辞」を掲載します。

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 おはようございます。本日から第3学期がはじまります。みなさんは、この冬休みどのように過ごしてきたでしょうか。
 新型コロナウイルス感染症については、まだまだ先が見えない状況ですが、本日、3学期始業式をこのように実施することができました。これも、生徒、保護者、教職員が日々、協力して、感染防止対策や家庭と学校との連絡を積極的に行ってきたからこそです。感染症については、ある新聞記事には「回復した人と周囲の人が普通に『おかえり』『ただいま』と言い合える雰囲気が何より大切である。」とありました。皆さんにとって鴨沂が、これからも、そのような安心感のある存在であり続けたいですし、皆さんと共に、この校風を大切にしていきたいと思います。

 本年も、鴨沂では、感染防止対策をみんなで協力する中、『今、できることは何か』を考え、生徒、保護者、教職員が「チーム鴨沂」として、授業、自学自習、部活動や学校行事などをよい形で実施していきたいと思います。その中で、皆さん一人一人が、鴨沂での学校生活の一日一日を充実させ、よりよいものとなるようにしてほしいと思います。3年生は最高学年として、4月からここまで、鴨沂をよくリードしてくれました。これから共通テストや一般入試が始まりますが、最後まで粘り強く取り組んでほしいと思います。そして、みなさんとよい卒業式の日を迎えることができることを願っています。2年生にとっては「高校卒業後の夢実現」に向けて本格的に動く学期、1年生にとっては高校生活初年度の締めくくりの学期となりますが、一日一日を大切に過ごしてほしいと思います。皆さんを心より応援しています。

 年が明け、2021年になりました。改めてオリンピック・パラリンピックイヤーとなります。秋からは公式戦等が行われ、12月には全国駅伝、1月には箱根駅伝が行われるなど、大きなスポーツの大会も開催されるようになってきました。フィギュアスケートの羽生選手は、長い不調の時期を超え、12月末に開催された全日本選手権で5年ぶりに優勝されました。その時に「どん底まで落ちきったが、過去の演目『春よ来い』などの演目を滑ることで、『改めてスケートが好きだな』と再確認した。そのことがきっかけになって、不調時を乗り越えることができた」と話されていました。羽生選手の『やっぱり、スケートが好きだな』という気持ち、つまり、何事にも自分の原点にもどることが大切なのだと実感しました。

 さて、4月に初めて皆さんとお会いしてから10ヶ月目となります。毎朝、昇降口の所で、皆さんは、いつも元気に「おはようございます」と言ってくれることをとてもうれしく思います。「よい表情をしているな。随分成長したな。」と思える時があり、そんな時、特にうれしく思います。11月、12月頃、そう思う機会がたくさんありました。司馬遼太郎氏の小説『竜馬がゆく』は、いつか皆さんに読んでほしいと思いますが、その中で、19歳になった坂本竜馬のことを、それまで5年間見てきた道場の先生がこう言われました。「顔がかわった。入門してきたときとは、別の人間。物のたとえで、『うまれかわったように』とよくいうが、やはりそういうことが世の中にある」と。竜馬は堂々としていて、顔も別人のようにひきしまってきているとありました。

 高校時代は人が大きく成長できる時期です。人として成長していくためには、自分の可能性を信じて、自ら学び、頑張ってみようという気持ちが何より大事だと思います。元大リーガーのイチロー氏が、愛知で行われた野球大会で「人との比較ではなく、自分の中でちょっとだけ頑張ってみる。続けると『思ってもいない自分』になる。」と言われました。『自分はこれだ』と思うことなら、続けることができると思います。今年は、皆さん一人一人が、『自分はこれだ』と思うことに主体的に取り組み、『思ってもみない自分』になる年にしてもらえればと思います。鴨沂生の皆さんならできると思いますし、期待しています。

 この1年間、みなさん一人一人が目標を持って前へ進み、また、自分を大切にすると共に、周りの人を大切にし、さらに豊かな人間関係を育み、そして、この大変な日々を皆さんと共に乗り越えていくことができればと思います。それでは、今年が、皆さんにとって、素晴らしい年になることを願って、3学期始業式校長式辞とします。