こんなふうに見えてます


児童編



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「こんなふうに見えています」
 
 
 
                             児童編
 
京都府立盲学校
視援教育相談室
 
 
 
あなたへ
 
 
あなたの眼はどんなふうに見えているのでしょう。
 
自分の見え方を知っておくことはとても大切なことです。
 
これからいくつかの質問をします。
 
それに答えながら、どんなときに見えにくくて困るのかをお父さんお母さんといっしょに考えてみましょう。
 
あなたの眼はどんなふうに見えているのかな?
 
 
 
 
まえがき
 
−弱視の見え方を理解するために−
 
 成人の弱視者でも自分がどんなふうに見えているかを他人に説明することは、非常にむずかしいことであり、また、とても面倒なことでもあります。特に、生まれてから一度もはっきりとものを見たことがない人が、自分の見え方を説明することは不可能に近いと言われています。
 ましてや子どもたちにとってはとても難しいことのようです。
 弱視の子どもたちが、「見えるか?」と聞かれた時に、「はい」と答えてしまうのも無理のない話です。本人なりに「見えている」のですから。
 多くの弱視児は生活に必要なある程度の視力を持っています。生活に必要な視力とは、何回もの経験によって裏付けられ、はっきり見えていなくても慣れた生活空間(自分の家や教室など)ではほとんど晴眼者と同じように行動できる視力です。
 ところが、無理なく学習するのに必要な視力は不十分な場合がほとんどです。初めて出てくる漢字の細かいところ(点、画、はねの有無など)、温度計や定規などの目盛りや小さな昆虫などは、見えていないケースが多いと思います。
 見えにくい眼で見たことのない人(お父さんもお母さんも学校の先生もです。)は、弱視児の生活上での視力を見ると、「それなりに見えているようだ。」と思ってしまうものです。そして、学習するのに必要な視力のことを忘れ、教材・教具についても「これぐらいならよく見えているだろう。」ということになり、弱視児へのサポートを落としてしまうのです。
 
 そこで、「こんなふうに見えています」児童編を作ってみました。
 
  お父さん、お母さんへ
 「お子さんがどんなふうに見えているか」を想像するヒントになるような質問項目を整理してみました。お子さんに質問をして、一緒に考えてみてください。
 なお、全ての質問には複数回答をしてもらってかまいません。また、答えたくない質問があれば答えなくてもかまいません。
 そして、この冊子を学校の先生に見ていただきましょう。
 
  弱視の子供たちを担当される先生方へ
 弱視の見え方は理解しにくいものです。ちょっとした配慮や知識があれば対応できることなのに、それを知らずに子供の心を傷つけてしまうこともあります。
 この冊子は、弱視の子供たちと接する上で、まず最初に知っておいていただきたい必要最小限の項目についてまとめたものです。
 この冊子を見ていただき、少しでも弱視児の見え方を理解、想像し、創造力豊かに日々の教育活動に生かして下さい。弱視の子供たちから、できないことや悔しい思いはなかなか口にだせるものではありません。弱視教育はちょっとした工夫、配慮でできることが多く、ほんの少しのことで、子供たちの力が発揮できたりするものです。
 
 各節の最後に【ひとこと】がありますが、これはこの冊子の作者(弱視者)のこれまでの経験などからのコメントです。参考にしていただければ幸いです。


 





 




 

記入日
 



        年      

 
 
T 眼の様子について。
1 私の裸眼視力(めがねやコンタクトを使用しないとき)は、

   左
 


 

  右
 


 

で、
 
ア 矯正視力(めがねやコンタクトを使用したとき)は、

   左
 


 

  右
 


 

です。
 
イ 矯正できません。
2 ものの色の区別は、(色覚について)
ア 普通にできます。
イ だいたいはできますが、よく似た色はできません。

特にわかりにくい色は、
 


 

です。
 
ウ ほとんどできません。
3 真夏のお昼のようにとても明るいところは、(羞明(しゅうめい)について)
ア 何ともありません。
イ 目の痛みはありませんが、見えにくくなります。
ウ まぶしくて目が痛み、見えにくくなります。
エ 見やすくなります。             
4 街灯のない夜道などの暗いところは、(夜盲について)
ア 何ともありません。
イ 少し見えにくく、苦手です。
ウ ほとんど見えません。
エ 見やすくなります。
5 明るさが急に変わったとき
(1) 明るい所から暗い所に行ったとき、(暗順応について)
ア 何ともありません。
イ 普通の人よりは慣れるまでの時間がかかりますが、見えるようになります。
ウ 時間がたつと少しは見えるようになりますが、ほとんど見えません。
(2) 暗い所から明るい所へ行ったとき、(明順応について)
ア 何ともありません。
イ 普通の人よりは慣れるまでの時間がかかりますが、見えるようになります。
ウ 時間がたつと少しは見えるようになりますが、ほとんど見えません。 
6 真正面を見たときに見えにくいところがありますか(視野欠損について)
(1) 左眼は、
ア 視野は欠けていないと思います。
イ 視野の中心部が見えませんが、周辺部は見えます。
ウ 視野の中心部は見えますが、周辺部は見えません。
エ 視野の中に不規則に見えにくいところがあります。
オ 視野の右半分が見えません。
カ 視野の左半分が見えません。
キ 視野の上半分が見えません。
ク 視野の下半分が見えません。
ケ  全く見えません。
コ  よくわかりません。   
(2) 右眼は、
ア 視野は欠けていないと思います。
イ 視野の中心部が見えませんが、周辺部は見えます。
ウ 視野の中心部は見えますが、周辺部は見えません。
エ 視野の中に不規則に見えにくいところがあります。
オ 視野の右半分が見えません。
カ 視野の左半分が見えません。
キ 視野の上半分が見えません。
ク 視野の下半分が見えません。
ケ 全く見えません。
コ よくわかりません。  
【ひとこと】
 学校の保健室で5mの距離から測る視力を遠距離視力といいます。これは少し離れた物を見るときに、どのくらい見えているかを推測する指 標となります。でも、字を読むときは自分の一番見やすい距離(顔を紙にくっつきそうなぐらいに近づけて見るときが最も見えやすい場合もあります)で見ますので、その時にどれくらい見えているかということが大切になります。
 視野の中心部が見えにくかったり、不規則に見えにくいところがある場合には、見たい物から視線をそらす方が見えやすい(そうしないと見えない)ことがあります。このような理由で、人と話をするときに視線を合わさなかったり、物をしっかり見ようとするときに首を傾けたりする場合があります。
 また、たとえば上半分の視野が見えにくい場合には、教材の提示は視線より下にするなどその児童の見えやすい場所を知っておくことが大切になります。自分の視野についてまだよくわからないような場合には、その児童の書いた自由帳や描画を見ると、どのあたりが見えやすいのか推測できる場合もあります。

 
U 文字の読み書きについて。
7 普段使っている視覚補助具は、
ア 普通のめがねまたはコンタクトレンズ
イ ルーペ(拡大鏡、虫めがね)
ウ 単眼鏡(双眼鏡ではなく、1本の望遠鏡の手のひらサイズの小さいもの)
エ 拡大読書器(ビデオカメラとテレビをセットしたもの)
オ 弱視眼鏡(ルーペを眼鏡に組み込んだもの)
カ パソコンの画面拡大装置や音声装置
キ 遮光眼鏡(サングラスなど)

ク その他 


 
8 ルーペなしで読めるもっとも小さな文字は、
(1) 教科書体(教科書で使用されている字体)で、
ア 5ポイントの字が見える
イ 7ポイントの字が見える
ウ 10ポイントの字が見える 
エ 14ポイントの字が見える 
オ 20ポイントの字が見える  
カ 30ポイントの字が見え
キ 50ポイントの字が見える
80 ポイントの字
ケ この見本の字ではどれも読めません。
 
上の例で、ルーペを使うと、
ア イ ウ エ オ カ キ ク まで読めます。
 
(2) 明朝体(新聞雑誌など多くの書籍、文書で使用されている字体、縦線に比べて横線がやや細い)で、
 
 5ポイントの字が見える
イ 7ポイントの字が見える
ウ 10ポイントの字が見える 
エ 14ポイントの字が見える 
オ 20ポイントの字が見える  
カ 30ポイントの字が見え
キ 50ポイントの字が見える  
ク 80 ポイントの字
ケ この見本の字ではどれも読めません。
 
上の例で、ルーペを使うと、
ア イ ウ エ オ カ キ ク まで読めます。
 
 
(3) ゴシック体(線の太さが均一の字体、一般に弱視者に読みやすいとされている)で、
 
ア 5ポイントの字が見える
イ 7ポイントの字が見える
ウ 10ポイントの字が見える 
エ 14ポイントの字が見える 
オ 20ポイントの字が見える  
カ 30ポイントの字が見え
キ 50ポイントの字が見える
ク 80 ポイントの字
ケ この見本の字ではどれも読めません。
 
上の例で、ルーペを使うと、
ア イ ウ エ オ カ キ ク まで読めます。
ですから、
地図帳、辞書など(かなり小さい文字)は、[     ]
教科書など(やや小さい文字)は、[     ]
ア ルーペなしで読めます。
イ ルーペを使えば読めます。
ウ 拡大読書器を使えば読めます。
エ どうしても読めません。
 
9 テストやドリルなどの配付されるプリントは、                              
教科書体   イ 明朝体  ウ ゴシック体 で、    


 


 

ポイント位で作成していただけると読みやすいと思います。
 
 
10 ノートやテストの答案用紙に文字を書くときは、
ア 普通の鉛筆で大丈夫です。
イ 太めの濃い鉛筆を使います。
ウ 太字のサインペンを使います。
エ 太いマジックを使います。
オ 墨字は書けません。
 
11 ノートは、
ア 普通のものを使います。
イ 普通のものに1行おきに太い線を書いて使います。
ウ 行の間が広くて太い横線のものを使います。
エ 太い線で大きいます目の原稿用紙を使います。
 
 
【ひとこと】
 クラスメートの中で自分一人だけが、単眼鏡や遮光眼鏡(サングラスなど)を使用するのは勇気のいることです。近所の友達やクラスの仲間のみなさんにこれを使うと見えやすくなるということを説明し、必要な補助具であることが理解されるようにすることが大切です。
 羞明(しゅうめい)のある弱視児は、まぶしいのが苦手です。白い部分は 反射する光をとても強く感じて見えにくくなるからです。このような場合は、白地に黒の文字ではなく、黒地に白の文字の方が見やすくなることがあります。(このようなノートが市販されています。)
 視野の中のどのあたりが見えにくいかによって、縦書きと横書きとで読みやすさが変わる場合があります。常に読みやすい方向の文章にする必要はないと思いますが、文書量が非常に多い場合などにはできる範囲で配慮することが望 まれます。
 世の中には、縦書きの文章も横書きの文章もあり、どちらで書かれた文章もある程度の速度で読めることが望まれます。
 文字の大きさを変える他に見えやすくする工夫が必要です。地図が苦手な弱視児が多いと言われています。通常1枚の地図には多くの情報が記載されてい ますが、これが見えにくくさせている要因の一つです。川の学習をするときには川だけがのっている地図を、鉄道の学習をするときは鉄道だけがのっている地図を用意していただけるとわかりやすくなります。また、色の違いがわかりにくい場合には、コントラストをはっきりさせたり、領域と領域の境目に境界線を引いていただくだけでかなり見えやすくなります。
 8の例示の文字から読みやすい文字のポイントをある程度推測することができると思います。弱視児が希望する字体で、希望するポイント数およびその前後のポイント数の教材をいくつか作成し、実際に読ませて時間を計っていただけると児童本人も納得できてよいと思います。
 また、多くの盲学校などには、MNREAD−JKという読書するのに最適な文字の大きさを求めることができるひらがなのみで作られた読書チャートがあります。教育相談などの機会に測定してもらうのも良いでしょう。
ただし、新出漢字は「はね」や「はらい」がきちんとわかるように、教科書体がよいと思います。
 拡大コピーは文字だけでなく文字間、行間までもが大きく(広く)なってしまいます。特に視野の中心しか見えていない児童にとっては、拡大すると一度に読める文字数が減って、かえって読みにくくなることがあります。
できる範囲内で、文字間、行間は普通のままに作成することが望まれます。
 配布する文書全てを読みやすい文字にすることは物理的に無理ですし、ルーペを用いての読みの練習も必要です。文書量の非常に多いものは読みやすい文字に作りかえる配慮が望まれます。
 書いているペン先を見るためにどうしても姿勢が前屈みになることがあります。斜面机(製図用机や美術用のデッサン机など)という天板の角度を自由に変えられる机があり、弱視児に有効に活用できます。
 日本点字図書館(рO3−3209−0751)や、筑波大学付属盲学校(рO3−3943−5421)で、弱視者用のノートを通信販売しています。
 また、株式会社大活字(рO3−5282−4362)が、弱視者用ルーズリーフ(縦書き横書き、罫の太さ、罫と罫の幅などが数種類ある)を通信販売しています。
 テストなどの空欄や解答欄は、カッコ(  )ではなく、囲み欄の方が見やすいです。将来、マークシート方式のテストを受験したり銀行口座を開いたり宅急便を送ったりするときなど、比較的狭い限られたスペースに文字などを記入する機会に出合うと思います。文字を書くことが苦手なために自分の行動範囲を狭めるようなことがあってはなりません。「見えにくい目で見ているのだから仕方がない」ではなく、晴眼児と同じようにその子の癖などを見つけてアドバイスすることが望まれます。
 テストなど限られた時間内で書かなければならないような場面ではなく、宿題のノートの添削などの時に丁寧に書くことの指導が必要です。
 
 
V 学校生活(校内)について。
 
12 特別教室やトイレなどへの移動は、
ア 常に手引きをしてほしいです。(私があなたの肘を持ちます。)
イ 困っているようであれば、声をかけてください。
ウ 手引きをしてほしい時は、私からお願いします。
エ 基本的に手引きの必要はありません。
13 窓から教室に差し込む日光は、
ア 気になりません。
イ 私の机に日光が当たるようであれば、カーテンを閉めてください。
ウ 黒板に日光が当たるようであれば、カーテンを閉めてください。
エ 外が明るいときには、常にカーテンを閉めてください。
14 教室内での座席の位置は、前後でいうと、
ア 前
イ 真ん中
ウ 後 
が、見やすいです。 
15 黒板にチョークで書いた文字や図は、14の座席であれば、
ア 普通に見えます。
イ 少し大きめに書いてもらえると見えます。
ウ 単眼鏡を使えば見えます。
エ はっきりとは見えませんが、書く手の動きでだいたい想像できます。
オ どうしても見えません。
 
【ひとこと】
 視覚障害者を誘導することを一般に「手引き」と言います。手引きとは言いますが、実際に視覚障害者の手を引くわけではなく、視覚障害者が誘導者の肘を持ち、横に並ぶあるいは斜め後ろを歩くか、道幅が狭いところ などでは後ろを歩きます。
?? 校内での移動については、最初に校内の位置関係をじっくりと時間をかけ、指導を行い、それが正しく頭にイメージできるようになれば、晴眼児よりも時間はかかりますけれども自分一人でできるようになります。
 でも、はっきりと見えるようになるのではありませんから、何かの都合でロッカーの位置を普段と変えたり、机、花びん、ゴミ箱や消火器などを動かしたりしたときは、必ずそのことを事前に伝えてください。
 視力や視野欠損の状況により、教室の真ん中の前の席が常に見やすいとは限りません。実際にそれぞれの席に座って、黒板に書かれた文字や図形を見せて、決めさせてあげてください。
 黒板のチョークの色は、白、黄色が見えやすく、赤、青、茶色が見えにくいという弱視児が多いようです。白と黄色の区別ができにくい場合もあります。 ホワイトボードでは、黒、青、赤が見えやすいようです。実際に書いたものを見せて確かめてください。また、黒板および黒板消しをきれいにしていただくと、書かれた文字がはっきりして見えやすくなります。
 板書をする前に、これから書く内容を言って板書すること、また、板書した内容を復唱してあげることが大切です。
 先生が会釈してくださったり、友達が少し離れたところから手を振ってくれたりしても、はっきり見えず気がつかないことがあります。また、同じ場所でも、明るさやコントラストなどによって、見えるときと見えないときがあります。声をかけてもらうと「ほっ」とすることがよくあります。
 掲示物は、顔の高さにあると読みやすいです。ガラスの扉のついた奥行きのある掲示板や陳列棚で、ガラスから掲示物までの距離のある場合は見えにくいときがあります。
 少し離れた物や場所を指し示すときなどには、「これ、そこ、あれ」ではなく、「あなたの左足の30センチ前」「理科室の向かい」「1番前の窓の下」などと基準となる物からの方向、距離などで教えてください。
 給食の時間に汁物をお椀に注いだり、コップに水を入れたりすることは、晴眼児であれば、他人がしているのを見て、それのまねをしながらできるようになっていきます。
 「見よう見まね」が不得意な弱視児は、自分で経験して失敗しながらできるようになっていきます。時間の許すかぎりで経験させてあげてください。その際、「意図的に場面を設定して教えないとできるようにならないこと」と「ほっておいてもできるようになること」があることに留意してください。
 パソコンを用いた授業では、パソコン自体が持っている拡大機能、コントラスト設定機能や画面拡大用のソフトが役立つことが多いものです。また、ホームページやメールを読み上げるソフトなどもあります。
 眼に衝撃を与えないようにという指示を受けている弱視児も多くいます。接触プレーのある競技などでは、部分的にでも特別ルールを考えて参加するなどの配慮が必要になると思います。視覚イメージが不十分な弱視児ですので、イメージがわくような言葉での説明が重要となります。
 また、体育や運動会でトラックを走るときは、最もインコースの内側の白線が見えやすいコースが走りやすいと思います。ゴールインするときに胸の高さあたりに張られたテープは見えにくいので注意が必要です。
 ただ、どうしてもおもいきり走る、おもいきり投げる、おもいきり飛ぶという経験が不足しがちです。水泳、ジョギングなどは取り組みやすい運動だと思います。これら以外の種目もルールを工夫するなどして、安全面での環境を整 備し、身体を動かして汗びっしょりになるような時間を作ってあげて下さい。
 
 
W 登下校、社会見学など校外での生活について。
 
16 階段や段差は、
ア ほとんどの場合、わかります。
イ コントラストの悪いときなどは、わかりにくいです。
ウ ほとんどわかりません。
17 歩いていてぶつかったり、見づらくてこわいものは、
ア 通行人、子供 
イ 放置自転車   
ウ 無灯火の自転車 
エ 駐車自動車
オ 車止めのくいやくさり
カ 路上の看板
キ ガラス製の扉やしきり壁
ク 頭の高さにせり出した看板やテントの支え棒や植木の枝
ケ 歩道にせり出した商品棚、プランター
コ 歩道の街路樹、バス停 
サ 歩道の低い植木、花壇、ゴミ箱
シ 踏切 
ス 道路標識柱
セ 電信柱、電信柱を支えているワイヤー
ソ 雨の日の傘

タ その他


 
18 飛んでいるホタル、蜂、スズメ、ツバメなどは、
ア 眼で追えます。
イ 近くをゆっくり飛べば眼で追えます。
ウ 眼で追うことはできません。
19 次のものは、眼で観察、見学できます。(視覚補助具を用いる場合もある)
ア 写真、絵画 
イ 水槽の中を泳ぐ魚類 
ウ 檻の中の動物 
エ 花火 
オ お星様(星座)
カ お月様(満月、三日月、半月) 
キ 車窓や景色             

ク その他
 

 
20 次の画像等は、眼で楽しむことができます。
ア テレビ               
イ 映画館での映画
ウ コンピュータゲーム(テレビ画面で) 
エ コンピュータゲーム(手元の液晶で) 
オ 単行本になったマンガ 
カ コロコロコミック、少年ジャンプなどのマンガ雑誌
キ ポケモン、遊戯王などのカード       
21 トランプ、カルタなどは、
ア ふつうのものでできます。
イ 弱視者用の少し大きめのものを使います。
ウ 盲人用を使います。
 
【ひとこと】
 弱視者にとって一番怖いのは上下方向の移動です。日常生活では階段です。階段の水平部分と垂直部分の色がよく似ていたり、水平部分と廊下の色がよく似ていると段の位置が分からず、とても怖くて足をすらすようにしか踏み出せません。
?? 階段の前後には点字ブロックを設置し、階段の角(滑り止めなどを張る部分)にコントラストがはっきりするように、違う色で塗ってもらえるとわかりやすくなります。また、階段に塗る色を各階ごとに変えれば、たとえば、校内にある階段の1階は赤、2階は青とすればより分かりやすくなります。
 また、廊下と壁の色が似ていると壁に気がつかないことがあります。廊下の中央に廊下とちがう色で線を引いてもらうと歩きやすくなることがあります。
 点字ブロックは、全盲の人のためだけにあるように思われがちですが、弱視者も頼りにすることが多いものです。特に駅のプラットホームの点字ブロック は弱視者の命を守るためにも非常に役立つものです。点字ブロックの上に物を 置かない習慣を身につけてください.。
 一般に上りよりも下りの方が見えにくくて怖いものです。階段では、石段や山道のように不規則なものやらせん階段のように幅の広さが変化するものなどがわかりにくいものです。スロープでは、石畳風やレンガ模様などはわかりにくく、また、ホテルのロビーなどじゅうたん地の広いフロアーで急に段差があるときなどにつまずくことがあります。
 生活や理科の観察では、植物などの動かないものは近づけばルーペなどを用いて観ることができます。しかし、昆虫や動物など動くものは、見えにくいことが多いものです。晴眼児なら誰も知っているバッタやカマキリを知らなかったりもします。一番いいのは、実物を取ってきて見せてあげることですが、大きい動物はそういうわけにはいきません。その場合は、模型や剥製などがあると便利です。盲学校などには剥製があります。一度触りにいってみてはどうでしょうか。
 また、動物、植物の観察のための学習ソフトが市販されていますので、これらを活用することも有効だと思います。
 博物館、美術館、動物園などでは、事前に弱視児が見学に行くことを伝えておけば、特別に触らせてくれたり、近づいて見せてくれたりすることもあります。
 日本点字図書館(рO3−3209−0751)で、視覚障害者用のトラン プやオセロや鈴入りボールなどの遊具類を通信販売しています。
 
22 その他、知っておいてほしいことがありましたら、書いてください。

















 
 
 
【ひとこと】
 「百聞は一見に如かず」「一目瞭然」という言葉がありますが、弱視者の「一見」や「一目」にはあまり多くの情報が入ってきません。
?? ですから、周りの皆さんの説明が、イメージや想像のための大切な情報源です。「一見に勝る表現」、「一聞瞭然」の説明を是非ともお願いします。
 また、「目は口ほどにものを言う」と言いますが、私たち弱視者の眼は視線があわせにくいなど、自分の意に反した表情をすることがあります。
 弱視の子どもたちは、見えにくいことから調理実習や習字などがうまくできにくいことがありますが、音楽や粘土などでは優れた聴覚、触覚を生かしすばらしい作品を作ることがしばしばあります。晴眼児と同様に秘めたる可能性は無限にあるのです。得意分野を見つけだし、それをどんどん伸ばし、自信に結びつけてあげてください。大きな一歩につながると思います。
 どうか、この「こんなふうに見えています」児童編から弱視児の眼の見え方をご理解、ご想像していただき、毎日の指導に生かしてくださるようお願いします。





あとがき
 
 弱視児は眼からの情報が不十分なため、手、足の触覚や耳の聴覚、経験、知識などで補って行動しています。最初に時間をかけて正しくイメージできれば、たいていのことはできるようになりますが、初めてのところや、まわりの状況が急に変わったときなどは、普段と同じように行動できなくなることがあります。(ゴミ箱の場所が少し変わっただけでもぶつかってしまうものです。)
 また、大好きなもの、興味のあることなどで慣れ親しんでいることは、はっきり見えているかのように行動できる場合が多いものです。でも、「日常生活上での見る力」と「学習上での見る力」は違うのです。見たいときだけ見えるような眼はありません。実ははっきりとは見えていないのです。
 
 信頼関係ができるまでは、「見えているふり」と「見ていないふり」をついついしてしまうもので、初めて出会った人たちに、この冊子に書いてあることを全て説明していくストレスの大きさも並大抵ではありません。このあたりの弱視児の苦労を理解してあげてください。
 家族での旅行、理科の実験、校外学習などでは、周囲の景色や状況、変化の様子などを弱視児にイメージがわくように言葉で説明をしてあげないと「経験が経験になっていない」という状態がおきてしまいます。
 言葉は知っていてもそのものを知らないということが多い弱視児です。「視経験を増やす」ことにご配慮をお願いしたいと思います。
 
  お父さん、お母さんへ
 お忙しい毎日だと思いますが、たまにはお子さんのために買い物の機会などを作ってあげてください。スーパーでキャベツやレタス、鯖や秋刀魚に触ったり単眼鏡で見たり、デパートで様々な商品をゆっくりと見て歩いたりしてあげてください。ご自宅の近くを一緒に散歩して、郵便ポストや自動販売機がどこにあるのかを探したり、本屋さんに入って、漫画本がどのあたりにおいてあるのかなどを探したりするのも楽しいことでしょう。また、なるべく自家用車は使用しないで、電車やバスをつかって移動の経験をさせてあげてください。切符の買い方など、視経験の不足から意外に知らないことがあるものです。
 
  ご担当の先生方へ
 様々な児童が多数在籍する通常の学校では、非常にお忙しい毎日の中、弱視児になかなか十分な時間がかけられない現状があると思いますが、ちょっとした配慮がはっきりと見えていない者にはとってもうれしくて、元気になることが多いように思います。「先生が私のために、工夫をしてくださっている」と感じることが、弱視児からすると本当にうれしいことです。
 先生方が時間をかけて作成してくださった見えやすい教材教具が、弱視児の眼の前におかれた段階で、はじめて晴眼児と同じスタートラインに立てるのです。
 この冊子を基に子供の学校生活を見てあげてください。
 視覚に障害のある子供たちが、楽しく豊かな学校生活を送れるようできる限りのサポートをよろしくお願いいたします。


平成15年4月20日
京都府立盲学校
視援教育相談室
藤井 則之(弱視)




チェック一覧表 (先生の記入用)
 

氏名
 


 

記入日
 

   年   月   日
 
                    記入者(           )
T 眼の様子について。



 

裸眼視力(遠距離視力)

 左


矯正視力(遠距離視力)

 左



ものの色の区別

 


羞明(しゅうめい)

 


夜盲

 



 

(暗順応)明所から暗所

 

(明順応)暗所から明所

 




 

視野(左眼)

 

視野(右眼)
 


 
 
 
U 文字の読み書きについて。
















 


視覚補助具

 








 

最小可読文字ポイント

 

 

 
 

 

 ルーペなし

 ルーペあり

教科書体

 

 

明朝体

 

 

ゴシック体
 


 


 


希望文字体、ポイント数

 

1011
 

使用筆記用具、ノート

 



 
 
V 学校生活(校内)について。








 

12

特別教室などへの移動

 

13

窓から差し込む日光

 

1415

 

教室内での希望の座席の位置。その座席でチョークで書いた文字が可読か。
 




 








 
 
 
W 登下校、社会見学など校外での生活について。


























 

16

階段や段差

 

17

歩いていてこわいもの

 

18

飛んでいるホタル、蜂

 

19
 

眼で観察、見学できる
 


 

20
 

眼で楽しめる画像等
 


 

21

トランプ、カルタ

 

22










 

その他










 












 


























 
 
 
 このページの先頭
 
 
 






 
 
 
 
 
「こんなふうに見えています」
 
 
 
 
生徒編
京都府立盲学校
視援教育相談室
 
 
 
 
まえがき
 
−弱視の見え方を理解するために・説明するために−
 
 成人の弱視者でも自分がどんなふうに見えているかを他人に説明することは、非常にむずかしいことであり、また、とても面倒なことでもあります。特に、生まれてから一度もはっきりとものを見たことがない人が、自分の見え方を説明することは不可能に近いと言われています。ましてや生徒たちにとってはとてもむずかしいことのようです。
 また、弱視生徒が、「見えるか?」と聞かれた時に、「はい」と答えてしまうのも無理のない話です。本人なりに「見えている」のですから。
 多くの弱視生徒は生活に必要なある程度の視力を持っています。生活に必要な視力とは、何回もの経験によって裏付けられ、はっきり見えていなくても慣れた生活空間(自分の家や教室など)ではほとんど晴眼者と同じように行動できる視力です。ところが、無理なく学習するのに必要な視力は不十分な場合がほとんどです。初めて出てくる漢字の細かいところ(点、画、はねの有無など)、実験での温度計やフラスコの目盛りなどは、見えていないケースが多いと思います。
 見えにくい眼で見たことのない人(保護者や学校の先生です。)は、弱視生徒の生活上での視力を見ると、「それなりに見えているようだ。」と思ってしまうものです。そして、学習するのに必要な視力のことを忘れ、教材・教具についても「これぐらいならよく見えているだろう。」ということになり、弱視生徒へのサポートを落としてしまうのです。
 そこで、「こんなふうに見えています」生徒編を作ってみました。
 
  弱視のあなたへ
 この冊子の作者も弱視です。弱視者がどんなふうに見えていて、どんなふうに行動しているかを整理できるような質問項目をピックアップしました。
 私も望んで弱視になったわけではありませんし、自分の眼のことを考えたくない、人に話したくないという気持ちはよく分かります。でも、自分がどのように見えていて、どのような配慮をしてもらえると助かるのかなどをまとめておくことは大事なことだと思います。
 この冊子は質問形式になっていますが、全ての質問に複数回答をしてもらってかまいません。また、答えたくないという質問があれば答えなくてもいいです。
 そして、この結果を学校の先生に見てもらいましょう。
 
  弱視生徒を担当される先生方へ
 弱視の見え方は理解しにくいものです。ちょっとした配慮や知識があれば対応できることなのに、それを知らずに生徒の心を傷つけてしまうこともあります。
 この冊子は、弱視生徒と接する上で、知っておいていただきたい項目についてまとめたものです。この冊子を見ていただき、少しでも弱視生徒の見え方を理解、想像し、創造力豊かに日々の教育活動に生かして下さい。弱視生徒から、できないことや悔しい思いはなかなか口にだせるものではありません。弱視教育はちょっとした工夫、配慮でできることが多く、ほんの少しのことで生徒の力が発揮できたりするものです。
 途中に【ひとこと】がありますが、これはこの冊子の作者(弱視者)のこれまでの経験などからのコメントです。参考にしていただければ幸いです。


 チェック一覧表を最後に添付しました。ご活用ください。




 




 

記入日
 


         

 
 
T 眼の病気、視機能にかかわること。
 
1 私の眼の病気(眼疾)は、


 


 

です。
 
 イ 原因不明です。
2 身体障害者手帳は、


 


 


 


 

級で、障害名は、
 


 

です。
 
 イ 持っていません。
3 私の裸眼視力(めがねやコンタクトを使用しないとき)は、

   左
 


 

  右
 


 

で、
 
矯正視力(めがねやコンタクトを使用したとき)は、

ア 左
 


 

  右
 


 

です。
 
 イ 矯正できません。
【ひとこと】
 学校の保健室で5mの距離から測る視力を遠距離視力といいます。これは少し離れた物を見るときに、どのくらい見えているかを推測する 指標となります。でも、字を読むときは自分の一番見やすい距離(顔を紙にくっつきそうなぐらいに近づけて見るときが最も見えやすい場合もあります)で 見ますので、その時にどれくらい見えているかということが大切になります。
 
4 ものの色の区別は、
ア 普通にできます。
イ だいたいはできますが、よく似た色はできません。

     特にわかりにくい色は、
 


 

です。
 
ウ ほとんどできません。
5 真夏のお昼などの非常に明るいところは、(羞明(しゅうめい)について)
ア 何ともありません。
イ 目の痛みはありませんが、見えにくくなります。
ウ まぶしくて目が痛み、見えにくくなります。  
エ 見やすくなります。             
6 街灯のない夜道などの暗いところは、(夜盲について)
ア 何ともありません。
イ 少し見えにくく、苦手です。
ウ ほとんど見えません。
エ 見やすくなります。
 
7 明るさが急に変わったとき
(1) 明るい所から暗い所に行ったとき、(暗順応について)
ア 何ともありません。
イ 普通の人よりは慣れるまでの時間がかかりますが、見えるようになります。
ウ 時間がたつと少しは見えるようになりますが、ほとんど見えません。
(2) 暗い所から明るい所へ行ったとき、(明順応について)
ア 何ともありません。
イ 普通の人よりは慣れるまでの時間がかかりますが、見えるようになります。
ウ 時間がたつと少しは見えるようになりますが、ほとんど見えません。 
8 真正面を見たときに見えにくいところがありますか(視野欠損について)
(1) 左眼は、
ア 視野は欠けていないと思います。
イ 視野の中心部が見えませんが、周辺部は見えます。    
ウ 視野の中心部は見えますが、周辺部は見えません。   
エ 視野の中に不規則に見えにくいところがあります。  
オ 視野の右半分が見えません。  
カ 視野の左半分が見えません。  
キ 視野の上半分が見えません。  
ク 視野の下半分が見えません。  
ケ 全く見えません。
コ よくわかりません。  
(2) 右眼は、
ア 視野は欠けていないと思います。
イ 視野の中心部が見えませんが、周辺部は見えます。    
ウ 視野の中心部は見えますが、周辺部は見えません。   
エ 視野の中に不規則に見えにくいところがあります。  
オ 視野の右半分が見えません。  
カ 視野の左半分が見えません。  
キ 視野の上半分が見えません。  
ク 視野の下半分が見えません。  
ケ 全く見えません。     
コ よくわかりません。  
 
【ひとこと】
 視野の中心部が見えにくかったり、不規則に見えにくいところがある場合には、見たい物から視線をそらす方が見えやすい(そうしないと見えない)ことがあります。このような理由で、人と話をするときに視線を合わさなかったり、物をしっかり見ようとするときに首を傾けたりする場合があります。
?? また、たとえば上半分の視野が見えにくい場合には、教材の提示は視線より下にするなどその生徒の見えやすい場所を知っておくことが大切になります。
 
 医師から言われている生活上の注意点は、
ア 眼や頭をぶつけると危険(衝撃を与えない) 
イ 食事制限 
ウ 運動制限
エ うつむき姿勢を続けない(眼圧を上げない)

オ その他
 


 
カ 特にありません。
10 医師から言われている眼疾治療上の指示は、
ア 飲み薬
イ 点眼薬ウ 遮光眼鏡(サングラスなど)を常用する 
エ 義眼使用
  
オ その他
  


 
カ 特にありません。
11 眼疾患の病状は、
ア 進行しています。
イ 安定しており、今後もこの状態が続くと医師から言われています。
ウ 安定していますが、将来進行のおそれがあると医師から言われています。
エ 回復しつつあります。
 
 
U 文字の読み書きにかかわること。
 
12 使用文字は、 
ア 墨字(すみじ、晴眼者の使う普通文字)です。
イ 点字です。
ウ 墨字・点字の両方です。
エ 墨字も点字も使えません。
13 普段使っている視覚補助具は、
ア 普通のめがねまたはコンタクトレンズ
イ ルーペ(拡大鏡、虫めがね)           
ウ 単眼鏡(双眼鏡ではなく、1本の望遠鏡の手のひらサイズの小さいもの)
エ 拡大読書器(ビデオカメラとテレビをセットしたもの)
オ 弱視眼鏡(ルーペを眼鏡に組み込んだもの)    
カ パソコンの画面拡大装置や音声装置        
キ 遮光眼鏡(サングラスなど)

ク その他
 


 
【ひとこと】
 クラスメートの中で自分一人だけが、単眼鏡や遮光眼鏡(サングラスなど)を使用するのは勇気のいることです。近所の友達やクラスの生徒 のみなさんにこれを使うと見えやすくなるということを説明し、必要な補助具であることが理解されるようにすることが大切です。
14 白黒反転表示の方が、
ア 読みやすいです。
イ 変わりません。
ウ 読みにくいです。
【ひとこと】
 羞明(しゅうめい)のある弱視生徒は、まぶしいのが苦手です。白い部分は反射する光をとても強く感じて見えにくくなるからです。このような場合は、白地に黒の文字ではなく、黒地に白の文字の方が見やすくなることがあります。(このようなノートが市販されています。)
 
15 縦書きと横書きでは、
ア 縦書きが読みやすいです。
イ 横書きが読みやすいです。
ウ 変わりません。
 
【ひとこと】
 視野の中のどのあたりが見えにくいかによって、縦書きと横書きとで読みやすさが変わる場合があります。常に読みやすい方向の文章にする必要はないと思いますが、文書量が非常に多い場合などにはできる範囲で配慮することが望まれます。
世の中には、縦書きの文章も横書きの文章もあります。どちらで書かれた文章もある程度の速度で読めることが望まれます。
16 ルーペなしで読めるもっとも小さな文字は、
(1) 教科書体(教科書で使用されている字体)で、
ア 5ポイント以上可能
イ 7ポイント以上可能
ウ 10ポイント以上可能 
エ 14ポイント以上可能 
オ 20ポイント以上可能  
カ 30ポイント以上可能
キ 50ポイント以上可能
80 ポイント以上
 
ケ この見本の字ではどれも見えません。
 
 
上の例で、ルーペを使うと、
ア イ ウ エ オ カ キ ク まで見えます。
 
 
(2) 明朝体(新聞雑誌など多くの書籍、文書で使用されている字体、縦線に比べて横線がやや細い)で、
 5ポイント以上可能
イ 7ポイント以上可能
ウ 10ポイント以上可能 
エ 14ポイント以上可能 
オ 20ポイント以上可能  
カ 30ポイント以上可能
50ポイント以上可能
ク 80 ポイント以上
ケ この見本の字ではどれも見えません。
 
 
上の例で、ルーペを使うと、
ア イ ウ エ オ カ キ ク まで見えます。
 
  
 
(3) ゴシック体(線の太さが均一の字体、一般に弱視者に読みやすいとされている)で、
ア 5ポイント以上可能
イ 7ポイント以上可能
ウ 10ポイント以上可能 
エ 14ポイント以上可能 
オ 20ポイント以上可能 
カ 30ポイント以上可能
キ 50ポイント以上可能
ク 80 ポイント以上
ケ この見本の字ではどれも見えません。
 
 
上の例で、ルーペを使うと、
ア イ ウ エ オ カ キ ク まで見えます。
 
 
ですから、

地図帳、辞書など(かなり小さい文字)は、

教科書など(やや小さい文字)は、
ア ルーペなしで読めます。
イ ルーペを使えば読めます。
ウ 拡大読書器を使えば読めます。
エ どうしても読めません。
【ひとこと】
 文字の大きさを変える他に見えやすくする工夫が必要です。地図が苦手な弱視生徒が多いといわれています。通常1枚の地図には多くの情報が記載されていますが、これが見えにくくさせている要因の一つです。川の学習をするときには川だけがのっている地図を、鉄道の学習をするときは鉄道だけがのっている地図を用意していただけるとわかりやすくなります。また、色の違いがわかりにくい場合には、コントラストをはっきりさせたり、領域と領域の境目に境界線を引いていただくだけでかなり見えやすくります。
 
17 試験問題や配付されるプリントなどは、
                           
ア 教科書体  イ 明朝体  ウ ゴシック体 で、    


 


 

ポイント位で作成していただけると読みやすいと思います。
 
【ひとこと】
 
16の例示の文字から読みやすい文字のポイントをある程度推測することができると思います。弱視生徒が希望する字体で、希望するポイント数およびその前後のポイント数の教材をいくつか作成し、実際に読ませて時間を計っていただけると生徒自身も納得できてよいと思います。
 また、多くの盲学校には、MNREAD−Jという読書するのに最適な文字の大きさを調べることができる読書チャートがあります。教育相談などの機会に測定してもらうのもよいでしょう。
ただし、新出漢字は「はね」や「はらい」をきちんとわかるように教科書体がよいと思います。
 拡大コピーは文字だけでなく文字間、行間までもが大きく(広く)なってしまいます。特に視野の中心しか見えていない生徒にとっては、拡大すると一度に読める文字数が減って、かえって読みにくくなることがあります。
できる範囲内で、文字間、行間は普通のままに作成することが望まれます。
 配布する文書全てを読みやすい文字にすることは物理的に無理ですし、ルーペを用いての読みの練習も必要です。文書量の非常に多いものは読みやすい文字に作りかえる配慮が望まれます。
18 ノートや試験の答案用紙に文字を書くときは、
ア 普通の鉛筆で大丈夫です。
イ 太めの濃い鉛筆を使います。
ウ 太字のサインペンを使います。
エ 太いマジックを使います。
オ 墨字は書けません。
【ひとこと】
 書いているペン先を見るためにどうしても姿勢が前屈みになることがあります。斜面机(製図用机や美術用のデッサン机など)という天板の角度を自由に変えられる机があり、弱視生徒に有効に活用できます。
19 ノートは、
ア 普通のものを使います。
イ 普通のものに1行おきに太い線を書いて使います。
ウ 行の間が広くて太い横線のみのものを使います。
エ 太い線で大きいます目の原稿用紙を使います。
【ひとこと】
 日本点字図書館(рO3−3209−0751)や、筑波大学付属盲学校(рO3−3943−5421)で、弱視者用のノートを通信販売しています。
?? また、株式会社大活字(рO3−5282−4362)が、弱視者用ルーズ リーフ(縦書き横書き、罫の太さ、罫と罫の幅などが数種類ある)を通信販売 しています。
20 試験の答案用紙は、
ア 他生徒と同じものでよいです。(配慮の必要はありません)
イ 他生徒と同じものを拡大コピーしてください。
ウ 大きめ(B4,A3)の罫紙がよいです。
エ 行間が広くて太い横線のみのものがよいです。  
【ひとこと】
 テストなどの空欄や解答欄は、カッコ(  )ではなく、囲み欄の方が見やすいです。
今後、マークシート方式のテストを受験したり銀行口座を開いたり宅急便を送ったりするときなど、比較的狭い限られたスペースに文字などを記入する機会に出合うと思います。文字を書くことが苦手なために自分の行動範囲を狭めるようなことがあってはなりません。
 「見えにくい目で見ているのだから仕方がない」ではなく、晴眼生徒と同じよ うにその子の癖などを見つけてアドバイスすることが望まれます。
 テストなど限られた時間内で書かなければならないような場面ではなく、宿 題のノートの添削などの時に丁寧に書くことの指導が必要です。
  
 
 
V 学校生活(校内)にかかわること。
 
21 特別教室やトイレなどへの移動は、
ア 常に手引きをしてほしいです。(私があなたの肘か肩を持ちます。)
イ 困っているようであれば、声をかけてください。
ウ 手引きをしてほしい時は、私からお願いします。
エ 基本的に手引きの必要はありません。
【ひとこと】
視覚障害者を誘導することを一般に「手引き」といいます。手 引きとは言いますが、実際に視覚障害者の手を引くわけではなく、視覚障害者 が誘導者の肘や肩を持ち、横に並ぶあるいは斜め後ろを歩くか、道幅が狭いところなどでは後ろを歩きます。 校内での移動については、最初に校内の位置関係をじっくりと時間をかけ、指導を行い、それが正しく頭にイメージできるようになれば、晴眼生徒よりも 時間はかかりますけれども自分一人でできるようになります。
 でも、はっきりと見えるようになるのではありませんから、何かの都合でロッカーの位置を普段と変えたり、ゴミ箱や消火器や黒板消しクリーナーなどを動かしたりしたときは、必ずそのことを事前に伝えてください。
22 窓から教室に差し込む日光は、
ア 気になりません。
イ 私の机に日光が当たるようであれば、カーテンを閉めてください。
ウ 黒板に日光が当たるようであれば、カーテンを閉めてください。
エ 外が明るいときには、常にカーテンを閉めてください。
23 教室内での座席の位置は、状況にもよりますが、前後でいうと、
ア 前
イ 真ん中
ウ 後 

が、見やすいです。
【ひとこと】
 視力や視野欠損の状況により、常に教室の真ん中の前の席が見 やすいとは限りません。実際にそれぞれの席に座って、黒板に書かれた文字や図形を見せて、決めさせてあげてください。
24 黒板にチョークで書いた文字や図は、23の座席であれば、
ア 普通に見えます。
イ 少し大きめに書いてもらえると見えます。
ウ 単眼鏡を使えば見えます。
エ はっきりとは見えませんが、書く手の動きでだいたい想像できます。
オ どうしても見えません。
【ひとこと】
黒板のチョークの色は、白、黄色が見えやすく、赤、青、茶色が見えにくいという弱視生徒が多いようです。白と黄色の区別ができにくい場合もあります。ホワイトボードでは、黒、青、赤が見えやすいようです。実際に書いたものを見せて確かめてください。また、黒板および黒板消しをきれいにしていただくと、書かれた文字がはっきりして見やすくなります。
 板書をする前に、これから書く内容を言って板書すること、また、板書した 内容を復唱してあげることが大切です。
 
25 私は、先生や友達の姿を見て、それがその人であることが

ア 約
 


 

メートルまで近づけばわかります。
 
 イ 眼では、確認できません。
【ひとこと】
先生が会釈してくださったり、友達が少し離れたところから手 を振ってくれたりしても、はっきり見えず気がつかないことがあります。また、同じ場所でも、明るさやコントラストなどによって、見えるときと見えないときがあります。声をかけてもらうと「ほっ」とすることがよくあります。
 
26 掲示板、案内表示、立て札などは、状況にもよりますが、
ア ほとんどの場合、自分で読めます。
イ コントラストなどの条件がよければ読めます。
ウ ほとんどの場合、読めません。
【ひとこと】
 掲示物は、顔の高さにあると読みやすいです。ガラスの扉のついた奥行きのある掲示板や陳列棚で、ガラスから掲示物までの距離のある場合は見えにくいときがあります。
 
27 消しゴムや小銭などの小物を落としたときには、
ア ほとんどの場合、自分で見つけられます。
イ 落としたことはわかりますが、自分ではなかなか見つけられません。
ウ ほとんどの場合、見つけられません。
【ひとこと】
少し離れた物や場所を指し示すときなどには、「これ、そこ、あれ」ではなく、「あなたの左足の30センチ前」「理科室の向かい」「1番前の窓の下」などと基準となる物からの方向、距離などで教えてください。
28 給食の汁物などは、
ア 自分でとれます。
イ 慣れるまではそばで助言してほしいです。
ウ 当面はとってください。
 
【ひとこと】
 給食の時間に汁物をお椀に注いだりコップに水を入れることは、晴眼生徒であれば、他人がしているのを見て、それのまねをしながらできるようになっていきます。
 「見よう見まね」が不得意な弱視生徒は、自分で経験して失敗しながらできるようになっていきます。時間の許すかぎりで経験させてあげてください。
 その際、「意図的に場面を設定して教えないとできるようにならないこと」と「ほっておいてもできるようになること」があることに留意してください。
 
29 パソコンを用いての授業では、
ア 顔を近づければなんとか見えます。
イ パソコンのユーザー補助機能で拡大してください。
ウ 画面拡大ソフトで拡大してください。
エ 音声装置をつけてください。
【ひとこと】
パソコン自体が持っている拡大機能、コントラスト設定機能や画面拡大用のソフトが役立つことが多いものです。また、ホームページやメールを読み上げるソフトなどもあります。
 
30 次の球技の中で、体育の授業や学級活動でやるとしたら、
一緒にできるのは、
ポジションや役割などによっては一緒にできるのは、[     ]
参加はできませんが、見て楽しめるのは、[     ]
よく見えませんので、となりで解説してほしいのは、[     ]
ア 卓球        
イ ソフトボール  
ウ バレーボール      
エ サッカー        
オ ハンドボール      
カ バスケットボール    
 
【ひとこと】
眼に衝撃を与えないようにという指示を受けている弱視生徒も多くいます。接触プレーのある競技などでは、部分的にでも特別ルールを考えて参加するなどの配慮が必要になると思います。視覚イメージが不十分な弱視生徒ですので、イメージがわくような言葉での説明が重要となります。
 また、体育の授業や体育祭でトラックを走るときは、最もインコースの内側の白線が見やすいコースが走りやすいと思います。ゴールインするときに胸の 高さあたりに張られたテープは見えにくいので注意が必要です。
 ただ、どうしてもおもいきり走る、おもいきり投げる、おもいきり飛ぶという経験が不足しがちです。水泳、ジョギング、なわとびなどは取り組みやすい運動だと思います。これら以外の種目もルールを工夫するなどして、安全面での環境を整備し、身体を動かして汗びっしょりになるような時間を作ってあげてください。
 
31 公共施設の入り口付近には誘導鈴が鳴っていますが、校門には、
ア 今の私には誘導鈴がなくても大丈夫です。
イ 頼りになりますので、設置していただくと助かります。
 
32 駅のホームなどに黄色等の点字ブロックがありますが、校内では、
ア 点字ブロックがなくても歩行できます。
イ 歩くときには頼りにしているので、
   @ 校門から昇降口までの通路
   A 階段の手前
   B 教室の入り口
   C トイレの便器近くの適切な足の置き場
    
  D その他
 


 


 
に、設置していただいきたいです。(番号に○をしてください。)
  
【ひとこと】
 弱視者にとって一番怖いのは上下方向の移動です。校内では階段です。階段の水平部分と垂直部分の色がよく似ていたり、水平部分と廊下の色がよく似ていると段の位置が分からず、とても怖くて足をすらすようにしか踏み出せません。
 階段の前後には点字ブロックを設置し、階段の角(滑り止めなどを張る部分)にコントラストがはっきりするように、違う色で塗ってもらえるとわかりやすくなります。また、階段に塗る色を各階ごとに変えれば、たとえば、校内にある階段の1階は赤、2階は青とすればよりわかりやすくなります。
 また、廊下と壁の色が似ていると壁に気がつかないことがあります。廊下の中央に廊下とちがう色で線を引いてもらうと歩きやすくなることがあります。
 点字ブロックは、全盲の人のためだけにあるように思われがちですが、弱視者も頼りにすることが多いものです。特に駅のプラットホームの点字ブロックは弱視者の命を守るためにも非常に役立つものです。点字ブロックの上に物を置かない習慣を身につけてください。
 
  
 
 
W 登下校、社会見学、修学旅行など校外での生 活にかかわること。 
 
33 歩くときに白杖(はくじょう=白い杖)は、
ア 常に使っています。
イ 見づらい時や人混みの中など必要に応じて使っています。
ウ 持っていますが使っていません。
エ 持っていません。  
34 階段や段差は、
ア ほとんどの場合、わかります。
イ コントラストの悪いときなどは、わかりにくいです。
ウ ほとんどわかりません。
 
【ひとこと】
 一般に上りよりも下りの方が見えにくくて怖いものです。階段では、石段や山道のように不規則なものやらせん階段のように幅の広さが変化 するものなどがわかりにくいものです。スロープでは、石畳風やレンガ模様などはわかりにくく、また、ホテルのロビーなどじゅうたん地の広いフロアーで急に段差があるときなどにつまずくことがあります。
 
35 歩いていてぶつかったり、見づらくてこわいものは、
ア 通行人、子供 
イ 放置自転車   
ウ 無灯火の自転車 
エ 駐車自動車
オ 車止めのくいやくさり
カ 路上の看板
キ ガラス製の扉やしきり壁
ク 頭の高さにせり出した看板やテントの支え棒や植木の枝
ケ 歩道にせり出した商品棚、プランター
コ 歩道の街路樹、バス停 
サ 歩道の低い植木、花壇、ゴミ箱
シ 踏切                      
ス 道路標識柱
セ 電信柱、電信柱を支えているワイヤー
ソ 雨の日の傘

タ その他
 


 


 
 
36 屋外を一緒に歩くときには、
ア 35のようななところでは、少し前に教えてください。手引きの必要はありません。
イ 初めて行くところや暗くて見えにくい時、混雑している時などには、手引きのお願いをしたいと思います。
ウ 常に手引きをお願いします。
37 交差点での信号は、(単眼鏡を使用する場合もある)
ア 道幅の広い交差点でも見えます。  
イ 道幅の狭い交差点ならば見えます。 
ウ 見えません。           
38 乗り物の時刻表・運賃表等の掲示物は、(単眼鏡を使用する場合もある)
ア 顔の高さにあれば見えます。
イ 少し高いところでも見えます。
ウ 見えません。
 
39 初めていく場所を探す時、
(1) コンビニ、デパートなど(建造物)の場合
ア だいたいの場所を聞けば、自分の眼で探せます。
イ 「京都の四条河原町の交差点から東へ約50メートルの北側」のように、
    「東西南北」、「左右」、「歩いて5分」などと、基準となる物からの方向、距離、時間などで教えてください。
ウ 自分では探せないので、手引きしてください。
(2) トイレ、公衆電話、切符売り場など(敷地内にある場所)の場合
ア だいたいの場所を聞けば、自分の眼で探せます。
イ 正面入り口からまっすぐに30メートルぐらいの右側などと、
??????????     基準となる物からの方向、距離で教えてください。
ウ 自分では探せないので、手引きしてください。
40 トイレの男性用、女性用は、
ア 表示を見てわかります。
イ 人の出入りで判断しています。
ウ 教えてください。
41 次のものは、眼で観賞、観察、見学できます。
(視覚補助具を用いる場合もある)
ア 写真、絵画 
イ 水槽の中を泳ぐ魚類 
ウ 空を飛ぶスズメやハトなどの鳥     
エ 檻の中の動物             
オ 花火                 
カ 天体(星空)             
キ お月様(満月、三日月、半月)     
ク プラネタリウム            
ケ 球場、競技場での野球やサッカーなどの観戦
コ 車窓や景色              
サ 演劇                 
シ その他
 

 
【ひとこと】
 博物館、美術館、動物園などでは、事前に弱視生徒が見学に行 くことを伝えておけば、特別に触らせてくれたり、近づいて見せてくれることもあります。
 また、動物、植物の観察のための学習ソフトが市販されていますので、これ らを活用することも有効だと思います。
 
42 次の画像等は、眼で楽しむことができます。
ア テレビ               
イ 映画館での映画(日本語の)            
ウ 映画館での映画の字幕スーパー         
エ 立体映画                
オ コンピュータゲーム(テレビ画面で)   
カ コンピュータゲーム(手元の液晶で)   
キ 単行本になったマンガ
ク 少年ジャンプなどのマンガ雑誌
43 次の機器等は、眼で見て使用(操作)できます。
ア アナログの腕時計               
イ デジタルの腕時計            
ウ 携帯電話         
エ 電磁レンジ、炊飯器、洗濯機などの液晶画面   
オ カメラ   
カ ビデオカメラ   
44 トランプ、カルタなどは、
ア ふつうのものでできます。
イ 弱視者用の少し大きめのものを使います。
ウ 盲人用を使います。
【ひとこと】 
 日本点字図書館(рO3−3209−0751)で、視覚障害者用のトランプやオセロや鈴入りボールなどの遊具類を通信販売しています。
 
45 その他、知っておいてほしいことがありましたら、書いてください。


















 
 
【ひとこと】
 「百聞は一見に如かず」「一目瞭然」という言葉がありますが、弱視者の「一見」や「一目」にはあまり多くの情報が入ってきません。
 ですから、周りの皆さんの説明が、イメージや想像のための大切な情報源です。「一見に勝る表現」、「一聞瞭然」の説明を是非ともお願いします。
 また、「目は口ほどにものを言う」と言いますが、私たち弱視者の眼は視線があわせにくいなど、自分の意に反した表情をすることがあります。このあたりのご理解をよろしくお願いいたします。
弱視の生徒たちは、見えにくいことから調理実習や細かい作業などがうまくできにくいことがありますが、音楽や粘土制作などでは優れた聴覚、触覚を生かしすばらしい作品を作ることがしばしばあります。晴眼生徒と同様に秘めたる可能性は無限にあるのです。得意分野を見つけだし、それをどんどん伸ばし、自信に結びつけてあげてください。大きな一歩につながると思います。 どうか、この「こんなふうに見えています」生徒編から弱視生徒の眼の見え方をご理解、ご想像していただき、毎日の指導に生かしてくださるようお願いします。
 
 
 
 
 
 
あとがき
 
 弱視者は眼からの情報が不十分なため、手、足の触覚や耳の聴覚、経験、知識などで補って行動しています。最初に時間をかけて正しくイメージできれば、たいていのことはできるようになりますが、初めてのところや、まわりの状況が急に変わったときなどは、普段と同じように行動できなくなることがあります。(ゴミ箱の場所が少し変わっただけでもぶつかってしまうものです。)
 また、大好きなもの、興味のあることなどで慣れ親しんでいることは、はっきり見えているかのように行動できる場合が多いものです。でも、「日常生活上での見る力」と「学習上での見る力」は違うのです。見たいときだけ見えるような眼はありません。実ははっきりとは見えていないのです。
 
 信頼関係ができるまでは、「見えているふり」と「見ていないふり」をついついしてしまうもので、初めて出会った人たちに、この冊子に書いてあることを全て説明していくストレスの大きさは並大抵ではありません。このあたりの弱視生徒の苦労を理解してあげてください。
 家族での旅行、化学の実験、校外学習などでは、周囲の景色や状況、変化の様子などを弱視生徒にイメージがわくように言葉で説明をしてあげないと「経験が経験になっていない」という状態がおきてしまいます。言葉は知っていてもそのものを知らないということが多い弱視です。「視経験を増やす」ことにご配慮をお願いしたいと思います。
 
弱視のあなたへ
 この冊子を参考にして、自分がどんなふうに見えていて、どのような時に困り、どのような配慮が役に立つのか、これらのことについて、最小限(できるだけコンパクトに)どれだけのことを周囲の人に伝えればよいのかを考えてみてください。
 自分の眼のことを話すのには、心の準備がいるかも知れませんね。でも、「この人には知っておいてほしい」と思う時がきっと来ると思いますよ。今すぐ周囲の人に話すかどうかはあなたの気持ちにおまかせしますが、話そうと思ったときに上手くできるように準備しておきましょうね。
 
  ご担当の先生方へ
 様々な生徒が多数在籍する通常の学校では、非常にお忙しい毎日の中、弱視生徒になかなか十分な時間がかけられない現状があると思いますが、時間を要しないちょっとした配慮が、はっきりと見えていない者にとってはうれしくて、元気になることが多いように思います。「先生が私のために、工夫をしてくださっている」と感じることが、弱視生徒からすると本当にうれしいことです。
 先生方が時間をかけて作成してくださった見やすい教材教具が、弱視生徒の前におかれた段階で、はじめて晴眼生徒と同じスタートラインに立てるのです。
 この冊子を基に生徒の学校生活を見てあげてください。
 視覚に障害のある生徒たちが、楽しく豊かな学校生活を送れるようできる限りのサポートをよろしくお願いいたします。

平成15年4月20日
京都府立盲学校
視援教育相談室
藤井 則之(弱視)


チェック一覧表 (先生の記入用)

 

氏名
 


 

記入日
 

   年   月   日
 
 
T 眼の病気、視機能にかかわること。


眼疾名

 


 

身体障害者手帳等級
障害名


 



 

裸眼視力(遠距離視力)

 左


矯正視力(遠距離視力)

 左



ものの色の区別

 


羞明(まぶしさ)

 


夜盲

 



 

(暗順応)明所から暗所

 

(明順応)暗所から明所

 



 

視野(左眼)

 

視野(右眼)

 


医師からの生活上の注意

 

10

医師からの治療上の指示

 

11
 

眼疾患の病状
 


 
 
U 文字の読み書きにかかわること。




 

12

使用文字

 

13
 

視覚補助具
 


 
 
  


















 

14

白黒反転表示

 

15

縦書きと横書き

 

16





 

最小可読文字ポイント

 

 

 

 

 ルーペなし

 ルーペあり

教科書体

 

 

明朝体

 

 

ゴシック体

 

 

17

希望文字体、ポイント数

 

181920
 

使用筆記用具、
使用ノート
試験の答案用紙
 




 
 
V 学校生活(校内)にかかわること。
























 

21

特別教室などへの移動

 

22

窓から差し込む日光

 

2324
 

教室内での希望の座席の位置。その座席でチョークで書いた文字が可読か。



 

25

人を認識するまでの距離

 

26

掲示板、案内表示

 

27

小物を落としたとき

 

28

汁物をとるとき

 

29

パソコンを用いた授業

 

30

球技

 

31

誘導鈴

 

32
 

点字ブロック
 


 
























 
 
W 登下校、社会見学、修学旅行など校外での生活にかかわること。









































 

33

白杖

 

34

階段や段差

 

35

36

歩いていてこわいもの

一緒に歩くとき



 

3738

交差点の信号、時刻表、
運賃表


 

39
 

初めての場所を探すとき
 


 

40

トイレ

 

41

 

観賞、観察、見学できる もの
 



 

42
 

眼で楽しめる画像


 

43
 

操作できる機器
 


 

44

トランプ、カルタ

 

45











 

その他











 













 









































 
 
 
 
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