京都府立盲学校

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自立活動

自立活動とは


 「自立活動」は自立を目指し、障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識・技能・態度及び習慣を養うことを目的に行う教育活動です。特別支援学校教育要領・学習指導要領(自立活動編)には、6区分27項目の要素が挙げられており、個々の児童生徒のアセスメントをもとに必要な内容を見極め、教育活動を組み立てています。
 本校の自立活動では、個別指導を基本に以下の(1)〜(6)の内容を中心に指導を行っています。

  

(1)保有する感覚を活用するための指導
(2)日常生活動作の指導
(3)文字の読み書きの指導
(4)歩行指導
(5)視覚補助具の活用と道具操作の指導
(6)ICT機器の利活用の指導


(1)保有する感覚を活用するための指導

 網膜の中心の働きが障害を受けて視力が低下していても、中心から少し離れた網膜は機能していることがあります。その場合、中心から少し離れた視野を活用して見る(偏心固視、中心外固視)練習をします。このように、個々の児童生徒の保有する視覚の状態に合わせて、何となく見えるという状況から、注視や追視などのトレーニングをとおして、意識的に見る力を養っていきます。また、視覚活用が困難な場合には、興味のあるものに触ってみようと探索する力や両手で触って確かめようとする力、聴覚の活用を中心に学習の基礎となる内容を指導します。学齢児童生徒の指導においては、後述の「文字の読み書きの指導」や「補助具の活用」と関連させながら、学習支援として結実するように取り組んでいます。



(2)日常生活動作の指導

 衣服の着脱、食事、清潔・健康、調理など、日常生活を送るために必要な知識・技能の習得を目標に取り組みます。指導にあたっては、自立活動の時間での取組が更衣や食事といった実際の生活場面に結びつくよう、家庭および担当教員間での情報共有や連携を大切にしながら取り組んでいます。



(3)文字の読み書きの指導

 視覚活用が困難な児童生徒に対しては、点字を用いた読み書きの指導を行います。点字の表記法の理解や触読技能の習得を目指すほか、読み書きを効率的に進められるよう、読速度の向上や速く正しく点字を表記できる力の育成を目指します。特に、学齢期においては、国語科の内容と関連させながら、分かち書きや点字と普通文字(墨字)の仮名遣いの違いなどを正しく理解できるようにします。
 視覚活用をもとに墨字を使用できる児童生徒に対しては、弱視レンズや拡大読書器、タブレット端末等の補助具の活用をとおして、読速度の向上や漢字を中心とした書字に関する指導を行います。



(4)歩行指導

 一人で安全かつ効率的に歩行できる力を身に付けるため、歩く際の姿勢や白杖の使用、空間・位置関係の把握等のポイントを押さえながら、校内・校外における様々な状況の歩行をとおして、体感的に学べるよう演習形式で取り組んでいます。また、前段階として、歩行の基礎ともなる正しい姿勢の保持や基本的動作等の技能を習得できるような取組も行っています。



(5)視覚補助具の活用と道具操作の指導

 眼鏡やコンタクトレンズを使用しても十分な視力が得られない場合、弱視レンズや拡大読書器等の視覚補助具の活用をとおして、自分の見え方に合わせて見やすい環境を整えることが必要です。弱視レンズ等の補助具の種類は様々で、手にしてすぐに自由に使えるというものではありませんので、機器の特性を理解し自分に合った道具を見極めたり、操作方法を身に付けたりするための指導を行います。



(6)ICT機器の利活用の指導

 視覚に障害のある児童生徒が情報を簡便に幅広く入手したり、使用文字を問わずに相互に情報を共有したりする上で、パソコン等のICT機器の活用は重要です。パソコンの指導では、アクセシビリティの機能や音声読み上げソフトを活用しながら、タッチタイピングでの文書作成やショートカットキーの活用(マウスを使わない操作方法)、ファイルの整理などを習得していきます。パソコンのほか、児童生徒の見え方や基本技能の習得状況を踏まえながら、タブレット端末や点字PDAの活用にも取り組んでいきます。



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