自然科学科1年生の取組である「サイエンス・イングリッシュ・キャンプ」が無事に終了しました。今年で第7回目となった取組で、理科の実験内容を英語で口頭発表するというものです。英会話スクールのベルリッツ・ジャパンから講師を迎え、英語活用能力の向上のみならず発表技術やグローバルマインドの向上につながりました。
本取組は、本校SSH事業で研究開発しているGSベーシック等の探究型融合教科『グローバルサイエンス』と連動したものです。理論を学んだ後すぐに実践することで、探究力を構成する様々な資質が効果的に育成されると考えています。
英語口頭発表会結果
第1位 Photosynthesis A(学校説明会で披露します!)
第2位 Temperature B
第3位 Temperature A
7月11日(火)6,7限に、3年生普通科理系(3,4組)生物選択生46名対象に京都産業大学からお二人の先生に講演と体験授業をやっていただきました。内容は下記の通りです。
6限 「回りながらATPをつくるタンパク質」(ATP合成酵素の回転についての講演)
総合生命科学部 生命システム学科 教授 横山 謙 先生
7限 「ハテナソン」体験
総合生命科学部 生命システム学科 教授 佐藤 賢一 先生
6限に横山先生からATP(すべての生物のエネルギーのもとになる物質でエネルギーの通貨と呼ばれています。)をつくり出す酵素がその中を水素イオンがとおると、発電所のタービンのように回転してATPを合成すること、日本人がこの酵素タンパク質の回転の様子を回転部分にビーズをつけて光学顕微鏡で見られるようにしたというお話を映像を交えながらしていただきました。いわば世界最小のモーターとでもいうべきタンパク質の回転が顕微鏡で見られるのです!(実際には合成しているときの回転は再現しにくいので、ATPを分解させてそのときの回転を見ます。)参加生徒は自分の体の細胞の中でこんな現象がおこっていることを知って感動していました。
7限には佐藤先生のご指導のもと、ハテナソン体験をしました。ハテナソンは質問の意味の「はてな」とマラソンを組み合わせた造語です。まずは、一人一人が6限の横山先生の講演内容に質問を考えて紙に書き抜きます。それを持ち寄って4人一組の班で話し合いながら質問をまとめていく作業をします。この話し合いでは、意見を言うことと、批評することは厳禁です。(意見を言いたいときは質問形式に変換することとします。)
班でまとまったらそれをカラフルにカラーのマジックで紙にまとめて横山先生にわたしました。時間があれば班ごとに発表するのですが、今回はまとまった質問を直接先生におわたしして、後日答えていただくことになりました。参加生徒からは「質問なんてあんまりでないと思っていたけど、けっこう出るもんですね」とか「人の質問を聞くのがおもしろい」などの感想があがっていました。普段の授業ではできない体験に生徒は満足していました。
6月18日に行われました平成29年度第1回京都サイエンスフェスタにおいて、本校グローバルサイエンス部から3題の研究発表を行いました。そして、奨励賞を受賞することができました(4年連続)。また、本年度から初めて自然科学科1年生も参加し、多くの高校生と交流しました。
グローバルサイエンス部 発表タイトル
「電波を探る」
「グリセリンの結晶化メカニズムを探る」
「琵琶湖の上位蜃気楼」
府立高校生の研究レベルや発表技術の高さに驚いたと同時に、研究やサイエンスそのものに対して興味・関心が高まりました。今後の学習に弾みがつきました。
6月12日(月)に普通科2年理系の1,2組、6月16日(金)に普通科2年理系の3,4組、6月20日(火)に普通科2年文系の5,6,7組を対象に、普通科GS課題研究のファーストステージ発表回を視聴覚室で実施しました。
普通科GS課題研究のファーストステージは全員同一テーマでミニ課題研究に取り組み、研究の進め方を学ぶ取り組みです。本年度も昨年度と同様に同一テーマとしてペーパードロップを実施しました。ペーパードロップとは、A4用紙を2mの高さからなるべくゆっくりと正確に落とす方法を研究するというものです。これは災害のときに物資を目標地点にゆっくり正確に落とすということをイメージした研究です。
発表会はポスターセッション形式で実施し、あちこちで発表に対する拍手がおこるなど大いに盛り上がりました。生徒達は他の班の自分達にない発想を知ることで、大いに学び、成長したことと思います。
ファーストステージ終了後は、担当教員と共に希望のテーマで研究に取り組むセカンドステージに入ります。約半年間の探究活動後、成果発表会を行う予定です。普通科GS課題研究のテーマは理数系分野だけでなく、語学,社会科学,芸術,スポーツ科学などバラエティーに富んでおり、どんな研究が飛び出すか楽しみです。
分解してもののしくみを知る理科学習(電磁誘導)を京都教育大学教育学部 名誉教授 沖花 彰 先生に普通科理系物理選択者に対して5月29日(1,2限)3年2組、30日(6,7限)3年3・4組 物理選択者、31日(3,4限)3年1組の計114名に対して実施していただきました。IH(Induction Heating)調理器のプレート上の各部分の磁場を磁石で磁化した釘を使って調べたり、ストローに巻いた豆電球を使って明るくなる場所を探索することによって磁場の変化の激しい場所を特定し、IH調理器の仕組みを考えさせます。生徒達はとても楽しく実験に取り組んでいました。