峰山高校コミュニティプロジェクト 「震災の記憶をつなぐ」
神戸学習 〜 阪神・淡路大震災について学ぶ 〜
 2018年2月11日(日) / 神戸市内
 
 「震災の記憶をつなぐ」プロジェクトの4回目の学習として、22年前の阪神・淡路大震災から学ぶためにマイクロバスに乗って神戸に行ってきました。昨年度より交流のある、ぼうさい未来ネットワーク実行委員会(NPO法人さくらネットの支援で震災を語り継ぐ取り組みをしている)の高校生や大学生の皆さん(=神戸チーム)の案内で、人と防災未来センターの見学、東遊園地と長田のまち歩き、そして最後に交流会を行いました。22年前の阪神・淡路大震災の様々な記憶について、神戸の街の中にどのようなものが残され、どのようなことが語り継がれているか等について、いくつもの場所やものを見て回り、また語り部さんのお話や神戸チームの皆さんの説明から、現地に行かないと決して分からないたくさんの事を学ぶ事ができました。
 
 
 
 
 人と防災未来センターでは、語り部の方から震災とその後の体験についてお話して頂きました。    「震災の記憶を残す」、「震災からの復興をたどる」をテーマにした展示室で数多くの展示品を見学しました。
     
 
 神戸の中心である三ノ宮にある東遊園地。阪神・淡路大震災1.17のつどいや神戸ルミナリエの会場になります。    東遊園地にある「1.17希望の灯り。炎は分灯されて岩手県陸前高田市で「3.11希望の灯り」として灯されています。
     
 
 火災で広く焼失しその後に復興した長田の町で、震災の教訓が街づくりにどのように生かされているか見学しています。    長田の町の火災を食い止め、その後の救援活動の拠点となった大国公園。震災について説明する看板もあります。
     
 
 大国公園内のこの木は一面だけが火災による高熱で黒く焼け焦げています。しかし葉を茂らせ成長しています。    住宅街の中にある海運双子池公園。震災後の復興事業として、地域の人たちが意見を出し合い再建されました。
     
 
 震災直後から外国人居住者に向けて情報を発信したエフエムわぃわぃが入るたかとりコミュニティセンター。    新長田駅近くの若松公園にある鉄人28号のモニュメント。震災復興と地域活性化のシンボルとして作られました。
 新長田駅前のピフレホールの会議室。峰高生と神戸チームの高校生・大学生が交流しています。  靴作りが盛んな長田の町。シューズプラザ前の赤いハイヒールのオブジェをバスの中から見学。
 
 
  参加者の感想(一部省略しています)
 この学習を通して、私は様々なことを学ぶことができました。学んだことの中でも特に印象に残っているのは、共に生きるということです。「人と防災未来センター」の語り部の秋末さんは、人と人とのつながりが震災後の心の支えになったと話しておられました。またセンターの中に展示されていた資料の中には、メッセージの書かれたペットボトルが支援物資として送られてきたものや、仮設住宅で皆が協力して作った木の長椅子などがあり、人の温かさを感じました。助け合うということがどれほど自分の力となり、そして自分一人では何もできないということに気づかされたよい機会でした。神戸チームの皆さんに現地を案内して頂いたことも、また共に生きるということにつながると思います。神戸チームの皆さん、とくに同じ班だったお二方には本当にお世話になりました。東遊園地にある希望の灯りが1.17の集いで竹灯籠に灯されることや、その1.17の集いは震災20周年を境に参加者が減少していること、長田区にある大国公園のおかげで長田の火災をくい止められたこと、その証拠として公園にある木が片面だけ焼けていることなど、まち歩きの中で分かり易く説明して頂いたり、実際に残された爪跡を見たりすることで、当時の様子が想像しやすかったです。また交流会では、私たちの持った疑問に対して様々な見方で回答して下さり、納得ができたし、そういう考え方もあるんだ、と考えさせられるものもありました。また意見交換の前に自己紹介があったのは、話しやすい雰囲気にしてくれたので、とても良かったなと思いました。現地に行って思ったのは、行ってみないと分からないことがたくさんあるということです。神戸チームの皆さんに神戸を案内していただいたおかげで、阪神淡路大震災についてたくさん知れたと同時に、その土地の今の雰囲気が分かり、写真や資料だけでは伝わりきれないものが伝わってきました。

 小学生の時に一度だけ足を運んだことのある「人と防災未来センター」では、今だからこそ理解できる震災の時の状況や教訓を学ぶことができました。とくに語り部の秋末さんのお話は、被災された方の生の話なだけあって考えさせられることも多く心に残りました。小さい頃から神戸に地震は来ないと聞かされ育った秋末さんにとって、阪神・淡路大震災がどれほど恐ろしい体験だったか想像しただけでもとても恐く感じました。その体験談を聞くと、普段からの防災教育の必要性や家族での話し合いの重要性を改めて考えさせられました。「震災で目に見える思い出は失ってしまったけど、友達との会話などは覚えておける」という言葉がとても印象的で、自分の周りの大切な人とのコミュニケーションを大切にしていきたいと思ったし、「ありがとう」の思いを口に出して伝えていきたいと思いました。東遊園地では希望の灯りや慰霊碑を見て回り、建設された意義などを知ることで学びを深められたと思います。1.17の集いの竹灯篭の高齢化による問題について聞き、自分にできることがあるなら協力したいと思ったし、未来へ伝え続けるためにもこの活動が続いてほしいと強く思いました。昼からのまち歩きでは神戸チームの方々と交流を深めることができたし、復興に向けて歩んできた長田の町を見て多くの事を考えさせられました。長田の町は震災当時を語り継ぐために残されているものと、復興のために新しく建てられたものが融合していてとても良い町だなあと感じました。まち歩きで訪れたFMは聞いたことのある場所で足を運べてよかったです。最後の神戸チームとの交流会はとても有意義な時間でした。震災を経験していない世代だからこそできることをしようと活動する神戸チームを見習いたいと思ったし、自分達には何ができるのか?考えさせられました。

 おしゃれな街・神戸の姿を実際に見たり、大学生の皆さんに教えてもらって、表面だけの姿ではなく内面的な部分まで感じられました。神戸チームの皆さんとの街歩きでの分かり易い説明がなければ、この理解や関心の深まりはなかったと考えています。地元の人々の今の生活と震災の爪跡との関わりというテーマにおいて、自身の生活から感じ取れる生の声を聞けた貴重な経験となりました。神戸チームの多くの人や僕たち高校生は震災を知らない世代です。きっと前準備をしっかりして頂いていたことと思います。語り部デビューだったはずなのに親身で分かり易かったです。そのおかげで多くの学びがありました。とくにまち歩きでは一見おしゃれに見える家でも、急いで建てたために耐震性が行き渡っていない負の面があるということに、驚きと学びが得られました。しかし、人と防災未来センターの語り部の方が言っておられた「辛い事ではあったが人の優しさで幸せを与えてもらった」という言葉のとおり、人々の心はとても前向きであることが一番の学びです。災害は被害のことが多く語られますが、こういった人々の協力で得られる幸せを語り継ぐことが大切だと感じました。

 まず神戸学習は純粋に楽しかったです。私は河田さんの講演を聴いたり神戸学習に行くまでは、阪神・淡路大震災について本当に何も知りませんでした。1.17の竹灯篭とテレビで見た高速道路が倒れてしまっている写真を見たことがあるくらいでした。最初に行った防災未来センターでは阪神・淡路大震災のことを詳しく知りました。語り部さんの話を聞くと泣きそうになりました。聞いた話がリアルで怖かったし、近所の人たちの優しさに感動しました。また展示品のところでは実際のものを見て、さらに恐怖に感じました。東遊園地の慰霊碑は中に入ると本当にたくさんの方の名前が刻まれていて、多くの方が亡くなったことを実感しました。長田のまち歩きでは無理やり道を広げたせいで、電柱が道の真ん中に立っている所や、公園に残っている変形した街灯があって、震災の事を忘れないという思いが伝わりました。私が一番印象に残っているのが大国公園の木です。片面が焼けてしまったのに成長している木には、震災に負けない強さや生命力を感じました。鉄人28号は電車から見えない設計になっていて、観光だけでなく地元の人への復興のシンボルになっているというのも、地元の人たちのことをしっかり考えられていてすごくいいなと思いました。

 神戸学習をして神戸の事をたくさん知ることができました。神戸に行くまであまり神戸で何が起こったのか知らなかったけど、公園にはそこで昔何が起きたのか、どのようにして起きたのかなどがたくさん書いてあり、知らなかった土地の事を知ることができました。また神戸チームの皆さんが詳しく教えて下さったので、理解もより深まったし、神戸が昔のことを忘れないように、また次世代にも引き継いでいこうという思いも伝わってきました。また語り部さんの話では、地震がどのように起きたかなどを詳しく教えて頂きとてもよく分かりました。私たちは学校で地震などを想定した避難訓練をしていますが、実際に地震が起きたら怖くて動けなかったと聞いて、いかにその時すばやく動けるか、何をするべきかを行動に移すことが大切だと思いました。きっと私も本当に地震が起きたら怖くて声も出ないと思います。でもだからこそ避難訓練を真剣にし、本当に起きた時に自分にできることを一つでも増やすことが大事だと思いました。

街歩きでは実際に被害のあった場所の今を見て回り、道が狭く危ないので道を広くして、駅までの道のりが分かるように道に印がしてあるのに驚きました。また火災をくい止めて市民を守った公園にある、実際に焼けた跡の残っている木や曲がった電灯とかを見て、当時はここに本当に火災が来たんだということがはっきりと分かりました。また教会には震災の時の写真が貼られていて、市民の活躍や助け合いなどが知れて良かったです。その一方で、震災のあとの復興住宅の立ち退きの問題や、人々の震災に対しての意識の薄れなど問題もあることが分かって、良い面と悪い面の両方を知ることができました。一日神戸を回ってみて、僕は人のつながりの強さや大切さを感じました。話を聞いていると全て、人と人とで助け合ったり、他の県からの助けであったり、同じ住民の人たちでの救助活動や、今まで続いている震災のあった日に公園に集まったりとか、人と人とのつながりが何もかもを助けているなと思いました。