峰山高校コミュニティプロジェクト 「震災の記憶をつなぐ」講演会 |
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朗読: 『揺れ、崩れ、焼け 〜奥丹後の震災地にて〜 』(櫻井忠温著「煙幕」所収) |
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講師: 味田 佳子さん(京丹後市在住) |
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2018年1月17日(水) 15:40〜16:30 /本校大会議室 |
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今から91年前の1927年3月7日に発生した丹後震災。子どもを含め丹後に住む人で丹後震災を知らない人はいません。中には地震のマグニチュードや郷村断層、被害状況について詳しく知っている人もいると思います。しかし被災地の人々が置かれた過酷な状況や、その後の苦労がどのようなものであったかは、ほとんどの人が知らないし、残された写真や被害状況をまとめた数字から想像する事も困難です。丹後震災当時、陸軍の新聞班長だった櫻井忠温さんは、震災直後の丹後の被災地を歩き、『煙幕』という著書の中で見聞きしたことを書き残しています。そこには被災地の過酷な状況が言葉によってありありと描かれています。今回で2回目となるプロジェクトの講演会では、京丹後市在住の味田佳子さんに来ていただき、この本の朗読をしていただきました。幼い頃、毎年3月7日には祖父から震災の話を聞かされたこと、本に描かれている場所や人物のこと、丹後震災の記憶を伝えることの大切さ等についてお話をしていただきました。
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毎年3月7日には祖父から震災の話を聞かされたこと、この本との出会いなどについて話をしていただきました。 |
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丹後震災の様子を描いた部分を朗読していただきました。被災地の惨状や人々の苦労が思い起こされました。 |
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参加者の感想 |
丹後大震災の事をこの活動を通して考えていく上で、とても大事な本を朗読して頂き、すごく胸がいっぱいになりました。写真や数字、絵や歌を通しては震災について考えた事はあったものの、こうして本として残っているものに触れるのは初めての事だったので、不思議と震災について新鮮に感じられました。言葉として当時の様子が鮮明に残っていることに驚いたと同時に、このような形で残っていることでまた、語り継ぐということがより詳しく後世にでき、防災の大切さを、今を生きている私たちなりにとらえることができとても良いなと思いました。今日の朗読を受けて、私たちなりに語り継げたらいいなと思います。(2年・女子)
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23年前の今日、阪神淡路大震災が起きました。今日という日に丹後震災の事について知る機会を作ってもらえたことに感謝しています。普段の生活では頭の中にない震災の事を思い起こす良い機会になったと思うし、深く考えさせられた時間となりました。2、3秒で家が倒壊し、たくさんの命が失われる恐さを朗読を通して聞き、想像することができたのが良かったと感じています。今日の朗読の内容やお話の内容を心にとめ、震災を風化させないように行動できたらと思いました。(2年・女子)
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人に何かを伝えること。現在となってはメディアで、もちろん人の口でも伝えることができます。でもメディアが普及していない丹後大震災の時代では、どうしても伝わる範囲に限りがあったと思います。しかし今なら大げさかもしれないけれど世界中の人に伝えることができます。そんな今だからこそ伝えていかなければいけないと思いました。丹後大震災の事が伝わっていたら、阪神淡路大震災の時には生存者がもっといたかもしれない。その言葉を聞いて私はたくさんの人に伝えるべきだと思いました。(2年・女子)
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震災を受けた人たちが語る震災の状況と、私たちが思っている状況は全然違うんだなと思いました。震災を実際に受けた人は家族が三人亡くなったことを「三人だけですんだ」というのにはびっくりしました。それを聞くとやはりとても大きな震災だったんだなと思います。また、地震が起こった時、最初は「さようなら」と言っていたけど、最後は「助けて」となったのはそれほど怖かったんだろうなと思いました。(1年・女子)
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私は峰山に住んでいて峰小出身なので、3月7日になると全校で集まり当時の状況を毎年聞いていました。写真とかの話だけでは「そんなことがあったのか」とぐらいにしか思っていなくて、すごく人ごとのように思っていたこともあったけど、実際に映像を見たり本の朗読を聞いて、地震の怖さというものを改めて感じたし、代々語り続けられてきた被害に遭った人の生の声、話を聞いてすごく悲しくなりました。(1年・女子)
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あまり丹後の震災を身近に知っている人がいなくて、自分も住んでいるこの街で昔何が起こったのかを詳しく知りたくて参加しました。まず朗読の始まりの「三人だけですんだ」という言葉に驚きました。これでもましだと思えるような惨状をなかなか想像できませんでした。細君の娘の話ではつい目が潤みましたが、話が終わった後の「助けて」の声の方が正しかったと私も思います。味田さんのやわらかい口調での朗読は本当に心にしみて、今回参加できて良かったです。(3年・女子)
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とても聴きやすい語りで朗読して頂き、その当時の悲しさや切なさまで伝わってきました。私たちの住むこの丹後でも、こんなに大きな地震があったのだと・・・たくさんの方々が犠牲になったこと・・・、今改めて振り返り、今後の自分の人生と無縁でないことをしっかり認識して、できる備えや心がけをしていこうと思います。まずは自分の中の意識から、防災、減災に対して具体的に変えていき、実践していきたいと思っています。(教職員)
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震災の際の峰山の様子が朗読によってリアルに伝わってきました。地震だけでなく火事、さらには雪など、いくつもの苦難が重なり大変だったであろうと思います。大きな地震が起こった瞬間は、おそらく人はほとんど何もできないと思いますが、だからこそ日頃からの心構えや備えが大事だと改めて思いました。(教職員)
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