科学の教室B 金星の太陽面通過観察会
   
 2012年6月6日(水) 昼休み 本校銀座通り
 
   
 6月6日(水)に21世紀最後となる金星の太陽面通過(7:11〜13:47)の観測会を行いました。早朝より一号館前の駐車場に2台の屈折望遠鏡を設置し、太陽面に入ったばかりの金星を、2限後の休憩時間には太陽面の中心に最も近づいた金星を観察しました。そして昼休みには銀座通り(本校の校舎に囲まれたメインストリート)に場所を移し、大勢の生徒・教職員の参加で観測しました。望遠鏡を使って映した円形の白い太陽像には、太陽の直径の約30分の1の大きさの黒い円形の金星がはっきりと見え、ゆっくりとした速度で動いているのが分かりました。また日食グラスで直接観察しても、太陽の表面に金星の小さな黒い点を見つけることができました。銀座通りには100億分の1の太陽系モデルが展示され、太陽から木星までの太陽系の姿を確かめることができました。(直径が約14cmの太陽から15m離れた所に直径が1.3mmの地球があり、地球から4cm離れた所に直径約0.4mmの月があります。距離に比べて惑星の大きさがいかに小さいかがよくわかります)。地球の兄弟星と呼ばれ地球とほぼ同じ大きさの金星が、白く輝く巨大な太陽の表面をゆっくりと動いている姿を見て、太陽の大きさ、ちっぽけな地球、広大な宇宙を感じることができたのではないかと思います。次に金星が太陽面を通過するのは105年後の2117年12月11日。今回見ることができなかった人はぜひ長生きをして観察をしてください。(ちょっと無理かな?)
 
 
 
 
 7:24に撮影した太陽面に入って間もない金星。金星が太陽の端に見える時には金星が太陽表面をゆっくりと動いているのが良く分かります。また太陽の表面には黒点がいくつも見えています。    昼休みの銀座通りに生徒・教職員が集まってきました。木の椅子の上には100億分の1の大きさの惑星が順に並んでいます。手前から水星、金星、地球、火星、そしてずっと向こうに木星。
     
 
  屈折望遠鏡を使って白い太陽投影板に太陽を映す。時刻は1時少し前で太陽はほぼ天頂に近い位置にあり、望遠鏡は地面に対してほぼ垂直の方向を向いています。    12:35に撮影された太陽と金星。7:11に太陽面に入った金星は太陽の表面をゆっくりと移動し(この写真で左から右の方向)、あと1時間くらいで太陽面を出ます。
     
 
 太陽投影板に映る太陽と金星を見る生徒。投影板を使うと大勢で観察できカメラでの撮影も楽にできる。    もう一台の屈性望遠鏡には太陽投影板がなく、段ボール箱を使って投影板を作りました。箱の中は暗いので太陽がより鮮明に見えますが、カメラでの撮影が難しい弱点があります。
     
 
 日食グラスを使って順番に金星を観察しています。写真には写っていませんが産業工学科のアーク溶接実習で使用するマスクを使って観察している人もありました。    5つの新聞社から記者の方が会場に来られて、カメラで撮影したり生徒の話を聞きながら取材をされていました。
     
 
 日食グラスで観察をする男子生徒。    日食グラスで観察する女子生徒。