科学の教室I 〜授業でやらない科学実験+お話+展示〜
   
 2013年1月16日(水) 放課後 物理実験室
 
 1月16日(水)の放課後、生徒と教職員約20名が物理実験室に集まりました。多くの生徒が授業で体験することができない科学実験を楽しんだり、理科準備室に保管されている標本や資料などを展示して見てもらおうという企画です。それではプログラムの順に紹介します。


@南米ボリビア旅行報告: 標高3700mの高原に広がるウユニ塩原(塩湖)は、南北100km東西250kmの広がりを持つ塩でできた真っ白な大地で、高低差がわずか50cmしかない世界で最も平らな場所です。雨季には薄く冠水し波が立たない静かな水面が「天空の鏡」となり、水平線上の風景を逆さまに映し不思議な光景が出現します。世界でここでしか見られないこの絶景を見に行かれた英語科の坂根先生にお話をしていただきました。スクリーンに映し出される美しい光景にうっとりしながらも、高原の薄い空気が人体に与える影響や、そこに住む人々の暮らしの話など貴重なお話も聴けました。 
 

A谷先生の電気の実験:
 至近距離での落雷を経験された体験談から電気の話が始まりました。バンデグラフという不思議な形の装置に静電気をためて、それを人の体に移したり逃がしたりして、眼には見えない電気の実験を楽しみました。 
 

B錬金術師?谷先生の化学実験:  溶液に浸した銅板がだんだんと銀色に変色し、その銀板を加熱すると今度は美しい金色に変色するというまるで魔法のような実験。色の変化が銅→銀→金になるこの実験はメダル反応と呼ばれています。 
 

C丹後大震災(1927)の展示:
 震災直後に峰山町内で撮られた写真や、地震直後の火災で焼けた硬貨・米などを京丹後市からお借りして展示しました。峰高の建つ峰山町中心部はほとんどの家屋が倒壊し一面の焼け野原となりました。峰高の敷地内にあった織物試験場の被害写真もありました。 

 
D地学室の化石・鉱物の公開:
 地学準備室には丹後で採集された化石・岩石・鉱物標本が数多く保管されています。その中でとくに貴重な標本のいくつかを展示しました。網野の水晶浜で採集された1500万年前の木の化石(珪化木)もたくさん展示されていて参加者にプレゼントされました。 
 

E血液の顕微鏡観察:
 ヒトの血液標本を顕微鏡で観察しました。見えるのはほとんどが赤血球ですが、良く探すと病原体と闘う白血球が見つかります。



   ・・・。以上、物理・化学・生物・地学の内容がてんこ盛りの「科学の教室」でした。
 
 
 
 
 英語科の坂根先生の旅行報告。スクリーンの上半分は白い雲の浮かぶ青い空で、下半分にはウユニ塩湖の水面が鏡のように空を映しています。中央に浮かぶのはジャンプする坂根先生。    坂根先生が日本人旅行者と一緒に作った人文字。浅い水面に映った人文字が”UYUNI”となっています。本当に鏡のように人の姿が水面に映っています。
     
 
  静電気を発生させ蓄えるバンデグラフ。銀色の金属球に静電気がたまっています。物理を履修する生徒は少ないので、多くの生徒にとって授業で体験できない実験です。    小さな金属球のついた棒を持ってバンデグラフの金属球に触れると、バンデグラフにたまっている静電気が体に移動します。体に静電気がたまると髪の毛が逆立ち電気を逃がすと元に戻ります。
     
 
 水酸化ナトリウム水溶液、亜鉛の粉末、銅板、そしてガスバーナーを準備します。ピンセットでつまんだ銅色の銅板が溶液の中で次第に銀色に、そしてそれを加熱すると金色に変わります。    右端にあるのが最初の銅板。銅板を溶液に浸した最初の反応で銀色に変色したものが中央。その銀色の銅板を加熱したことで次の反応が起こり金色になったものが左端。
     
 
 染色しプレパラートにしたヒトの血液標本を顕微鏡で観察しています。顕微鏡を覗いて見えるのはほとんどが赤血球ですが、その中に少しだけ見つかる白血球を探しています。    透明な丸い細胞が酸素を運ぶ赤血球。視野の中央付近に3つ並んでいる、紫色に染色された核の見られる細胞が白血球です。赤血球は成熟の過程で脱核し核はありません。
     
 
 丹後大震災のコーナー。手前左の展示物は京丹後市からお借りした、火災でほとんど消失した峰山町の焼け跡から見つかった物です。    左が火災による高熱で融けてお互いにくっついてしまった小銭です。右は炭化したコメです。他に焼けたちりめんの反物も展示しました。
     
     
 上の写真が震災直後の写真。下の写真は今年の1月15日に撮影した、上の写真とほ同じアングルで撮影した写真です。ここは峰山小学校の向かいにある全性寺から南東方向を映した写真です。    上の写真には「織物試験場の壊れた織機」と書かれています。織物試験場は現在の峰山高校の敷地に建っていました。場所は第二体育館〜軽音ボックス付近だと思われます。 
     
   
 地学準備室には多数の化石・鉱物・岩石標本があります。約30年ほど前の地学研究部の生徒達が丹後地域で採集したものです。その中でもとくに貴重な化石をいくつか展示しました。   左はヤマモモ(伊根町越山)、中央もヤマモモ(弥栄町吉野産)の化石。右上がニシン科ミズン(伊根町越山)、右下は魚の化石(説明なし)。
     
 
 丹後で見つかった放射能を持った鉱物。左が河辺石(大宮町河辺)、右がコフィン石とリンカイウラン石(弥栄町須川)。     網野町の水晶浜の海岸で採集した1500万年前の植物の化石。硬い石ですが年輪などの木の組織が残っておりケイ化木と呼ばれる化石です