科学の教室C “京都大学宇治キャンパスを見学 〜科学研究の現場を体験しよう!〜
 
 2017年10月28日(土) /京都大学宇治キャンパス
 
 10月28日(土)の8時30分に峰山高校をバスで出発し、13名の生徒の参加で京都大学宇治キャンパスに行きました。京都市内から離れた宇治キャンパスの広大な敷地の中には、化学研究所、エネルギー理工学研究所、生存圏研究所、防災研究所の4つの研究所と、工学研究科、農学研究科、エネルギー科学研究科の3つの大学院などがあり、約1800人の教職員と大学院生が研究しています。
 11時にキャンパスに到着し最初に防災研究所地震予知研究センターに行き、加納先生による講義『地震を知ろう、地震を測ろう』を聞きました。講義の始めに、平成5〜7年まで防災研究所所長をされた田中寅夫先生を紹介されました。田中先生は峰山高校の卒業生で、GPSを使った機器を積極的に導入し現在の観測体制の構築に貢献されました。講義の後でテレメーター室を見学しました。この部屋にはコンピューターが並び、京都大学が各地に設置した地震計を始め、全国の地震計の観測データが集まってきます。モニターには各地で発生する微小な地震がリアルタイムで表示され、地震研究の最前線にいることを感じました。12時から3時30分までは自由行動。各自パンフレットを見ながら関心のある研究室を訪ね、いろいろな実験装置やデモ実験を見ながら丁寧な説明を聞きました。

 
 
 
 
 宇治キャンパスは敷地が広大で緑が多い静かなキャンパスです。この建物は総合研究実験棟です。    防災研究所の地震予知観測センターで講義を受けました。木の看板を持っておられるのが加納先生です。 
     
 
 加納先生の講義。震度、マグニチュード、震源断層から始まり、近畿や京丹後の最近の地震や地震観測の話を聞きました。    無人のテレメーター室には数多くのコンピューターが並び、全国からリアルタイムで送られる観測データを処理しています。
     
 
 防災研究所の強震応答実験棟の建物を揺らす巨大な装置。低コストで家屋の耐震性を高める研究をされています。    化学研究所の超高分解能分光型電子顕微鏡。原子や分子が整然と並んだ様子をモニターで見ることができます。
     
 
 生存圏研究所のマイクロ波エネルギー伝送実験棟。左の装置でマイクロ波を発生し右の受信機に電力と情報を送ります。    エネルギー理工学研究所の陽子加速器。この装置で水素ガスから陽子を作り、壁の向こうの加速器に送り加速します。
     
 
 加速器で加速された陽子が真空の管の中を通ります。ヘリウムガスを入れると発光し陽子ビームを見ることができます。    エネルギー理工学研究所の自由電子レーザー装置。様々な波長の赤外線レーザーを発生させることができます。
 
 
  参加者の感想
 昔の地震でも文書や地層からマグニチュードや震源がだいたい分かることに驚いた。日本は地震が多いので地震の知識を身につけることは大切だと思った。テレメーター室を見学してコンピューターの多さに驚いた。日本中からデータが送られてくると聞いて、地震の研究には連携が必要だと分かった。1年・男子)

 マグニチュードにマイナスがあって驚いた。毎日人が感じられないような地震が起きていると知って、今この瞬間にも起こっているのかなと思います。(1年・男子)

  地震を測る地震計には、上下方向、東西方向、南北方向をそれぞれ測るものがあった。地面の揺れを電磁誘導で測っていると知ってもっと仕組みを知りたいと思った。地震計が各地に設置されていて僕たちの安全が守られているなと感じました。(1年・男子)

  自分が生まれてから感じたことのある地震は1、2回ぐらいだが、日本では毎日小さい地震がたくさん起こっているのを知った。また他の大学と連携してリアルタイムで地震の揺れを表示しているのに驚いた。(1年・男子)

  震度とマグニチュードの違いが分かった。昔は人が地震を測っていたと知ってびっくりした。震度を人の感覚で決めていたのが最近までだったと知って意外だった。震央の近くでは震度が大きく、遠くなればなるほど弱くなることを知った。(1年・女子

  レーザー科学棟ではレーザーについての話を聞いた。レーザーの強さを変えることで金属の表面を削って性質を変えることも、物を破壊することもできることを知った。使い方がたくさんあるので同じレーザーを使って研究している人の中でも、人それぞれで研究の仕方が違った。大学生活について聞くと、普段は10時間くらい研究し、長い時は二徹して研究する人もいると聞いてとても研究熱心だと感じた。(1年・男子)

  農学研究所では生物や生命などについての研究がされていて一番身近に感じました。遺伝子レベルで肥満や生活習慣病の研究をしているのはとてもすごいなと思いました。それでいつか予防策や改善策ができるのだろうと思うと、そんな研究も私たちの普段の生活に影響するんだろうなと思い感心しました。1年・女子)

  光とレーザーの違いについて初めて知りました。光の色の違いはごく小さい波長で変わっていることを知って、とてもおもしろく思いました。また赤色のレーザーを水に通すと白色になり初めはとてもびっくりしました。でも研究生たちに説明してもらい何とか分かって嬉しかったし面白いなと思いました。(年・男子)

  境界層風洞実験室では風速10mの風を体験した。ちょっとふらつく位の強さだったが、先日日本に上陸した台風は風速25mあったらしいので、立っていられないと思うし物が飛んできたら危ないと思った。(年・男子)

  とても巨大な加速器や風洞があったりと、大学の研究施設は規模がすごいと思いました。レーザーを研究している所ではいろいろな機械があり、そこで研究をされている方は金属にレーザーで細い溝を何本も掘って色を付けるという研究をされていました。他の人がまだできていないことに挑戦しているのを知って、見習いたいと思いました。(1年・男子

  丹後もたくさん雪が降るので、大雪によって地滑りが起こることを知って、大雪による災害はたくさんあるけど、そんなことも起こるなんて怖いなと思いました。1℃違うだけでも雨になるか雪になるかが変わることを知りました。また雪の予測は難しいことも知りました。(年・女子)

  核融合についての話がとても興味深く、プラズマについての理解することができた。核融合で発電ができたら今よりも安全に発電できるという事が分かり、化学がどれほど生活を支えているのかを実感した。また防災についてのことも学べて、身の守り方が分かってためになった。(2年・男子

  核融合の実験をするための大きな装置を見て、普段は見れないものなので貴重な体験をさせて頂きました。他にも多くの場所を回ることができた上に、大学生もやさしくて面白かったです。こういう機会があるのはとてもうれしいことなので参加できて良かった。どんな形でも大学に行くという経験は、自分の将来について考え、モチベーションの向上につながることなので本当に良かった。(2年・男子