科学の教室A 講演会 『日常生活に密着した界面活性剤の科学』
講師: 関西大学化学生命工学部・教授  川ア 英也先生 
 2017年6月9日(金) 15:15〜16:45/本校・大会議室
 
 一学期中間考査からほぼ一週間たったこの日、今年度第2回の「科学の教室」として講演会を開催しました。関西大学化学生命工学部の川ア英也教授に来ていただき、界面活性剤とその利用について講義をしていただきました。水と油の界面と界面活性剤の性質を学び、洗剤やシャンプーで汚れが落ちる仕組みや、マヨネーズやチョコレートなどの食品の製造について理解することができました。幾つもの演示実験を見せて頂きながらの大変わかりやすい授業でした。界面活性剤という化合物によって私たちの便利な日常生活が成り立っていることが分かり、改めて化学という学問分野が幅広く役に立っていることを学びました。
 
 
 
 
 一年生6名、2年生7名、3年生27名の計40名の生徒が集まり、川ア先生の講義が始まりました。    物質の界面と表面張力の話しから講義が始まりました。目に見えない分子に働く力を分かりやすく説明していただきました。
     
 
 水の表面張力によりビーカー内の水に一円玉が浮かんでいます。そこに界面活性剤を入れるとどうなるかの実験です。    乳化剤と呼ばれる界面活性剤のおかげで、マヨネーズやチョコレート、バターやマーガリンなどの食品ができています。
     
 
 
  参加者の感想
 界面活性剤によって表面張力を弱めることで、様々な効果があることが分かりました。シャンプーは陰イオン界面活性剤で洗浄し、リンスは陽イオン界面活性剤で髪の滑りをよくすると分かったのですが、「リンスインシャンプー」と呼ばれるものはどうなっているのかも知りたいと思いました。自分は理科の先生を目指しているのですが、コロイド分野において大変勉強になりました。(3年・男子)

 普通に生活していると化学を感じることはあまりないけど、今日の話を聞いて万物は原子でできているという事を実感した。性質を知ってから新しいものを作り出すのには、たくさん勉強をしたりたくさんの努力が必要だと思った。私も新しい物を作り出す仕事をしたいと考えているので勉強頑張らなあかんなあと思った。(3年・女子)

  内容自体は難しいものだったけど、分かりやすい説明や実験で最後まで噛み砕きながら理解することができた。界面活性剤という単語はほとんど聞いたことがなかったけど、その利用はタイトル通り日常生活に密着したもので、改めて化学のすごさを実感できた。今、「社会と情報」の授業で理科科目の身の回りでの活躍をテーマにウエブサイトを作成しているので、今日学んだことも取り込んで多くの人に知ってほしいと思った。(3年・男子)

  水滴が球体に近づく原理を知って面白いと思った。基本的な知識を応用していく発想に驚いた。界面や表面にも国際的な基準が決まっていて世界的な交流がされているように感じた。人の身体にも良い物悪い物それぞれ理由があることに面白いと思った。「日常生活に密着した界面活性剤」というテーマの通り、界面活性剤は生活の様々な所で利用されていることが分かった。(3年・男子)

  界面活性剤がかなり身近な所で使われていることに気付いた。この学問は自分たちの世界とかなり関係の深い研究なのでとても興味深い内容だった。界面活性剤というものの存在自体は以前から知っていたが、表面張力と関連していて、一円玉や繊維の実験を通して理解することができた。化学の話が中心であったが、他の分野とも関連していて、幅の広い学問が必要だという事が分かった。(3年・男子)

  界面活性剤のおおまかな仕組みは知っていたけどさらに細かくあるとは思わなかった。また人体に害のあるものが極性によって決まっているのは面白いと思った。水の中に分散させられた油の中で、さらに水を乳化させるのはすごいと思う。携帯に界面活性剤はだめなのではないかと思ったが、汚れ防止のためのフィルムなどに使用されていて、とても興味深く思った。他の応用も気になるので調べてみようと思う。逆に乳化状態を無くすものがあるのか疑問に思った。(3年・男子)