学校生活School Life

いよいよ4月。探究活動もスタートします!!「いさなご探究」って何だろう?

 

□探究について

すでに峰山高校で1年以上過ごしてきた生徒さんにとっては、「もう知ってるよ」とあきれ顔をされると思うが、

これからこの学校に入学される新1年生のみなさんのために、「いさなご探究」に関して、

ちょっと説明をさせてください。



峰山高校には、カリキュラムの一環として「いさなご探究」という授業が週に1時間組み込まれている。

この授業は、「他者との交流を通して、より高い次元の思考を獲得し、人生をよりよく生きるための選択肢の幅を広げる」ということを目的としている。



何か、難しい言葉で語られていてよく分からんなぁ...と感じるでしょう(笑)

簡単に言うと「たくさんの経験をして、自分の人生を自分の力で豊かにする力を身につけよう」ということ。

※「いさなご」とは、日本三景の「天橋立」の西にある磯砂山に因んでいる。ここから丹後半島の山々や大江山が緩やかな円弧を描くのを見渡せる。



でもさ、人生を豊かにするってどうしたらいいん?

そう思う人もいるかもしれない。もしそんな風に質問されたら、わたしだったらこう答える。

「たくさんの物事に出会って、自分自身で経験を積んでいくこと。まだ見ぬ未知の世界に出会ったとき、

人はその物差しの尺度を大きくすることができる」

人が何かを考えたり、選択したり、誰かに伝えるとき、今までの経験の中で自分の中に築いてきた引き出しの中を探って、アウトプットをする。つまり、その引き出しの中身が多ければ多いだけ、人間性に深みが出るというわけだ。

探究の時間では、みなさんのその引き出しを増やすために様々な体験ができるツールを用意しているので、

自分たちでよく考えてそれらを上手く使ってほしい。



少し去年度の先輩の活動の様子を!

6月12日いさなごⅡ⑦.jpg


●地域で「探究」をしている社会人の方々に「探究とは何か」についてお話を聞かせていただいたり。


7月3日いさなごⅡ⓶.jpg

●自分の関心のある分野に関して、さらに知識を深めるため専門的に探究されている社会人の方に

個別に相談に乗っていただいたり...。

ちゃんなお×てつさん①.jpg

●地域の方のオフィスに直接お邪魔して、活動のアドバイスを頂いたり

(動画制作に関して助言していただいています!)

中間報告会編集済⑨.png

●プロジェクト活動について、大学の先生や地域の方に向けて発信したり...!



この授業では、学校内に収まらず多くの人々との関わり合いの中で学びを深めていけるような形を

とっている。固定概念がひっくり返るようなこともしばしば...。

ぜひ、たくさんの面白い人々と出会って「楽しい」「もっと知りたい」という心を育てていってほしい。



では、「探究」とは何なのか。次はちょっとそのことについて考えてみよう。

まず「探究」という言葉に着目してみてほしい。

同じ読み方で、「探求」という言葉があるが、私たちが目指しているのは、あくまで「探究」だ。


じゃあ、何が違うの? というと、

探求」: ある物事をあくまで探し求めようとすること。探索。

     「人生の意義を探求する」


探究」: 物事の真の姿をさぐって見きわめること。

      「学問の探究」

                              広辞苑(岩波書店)より


「探究」活動では、「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」というプロセスを発展的に繰り返す。何か疑問に思ったことや関心ごとについて調べ、それについて深堀りしていくと、新たなる疑問にぶつかり、また異なる切り口から更に考えていくことで、物事に対する理解が深まっていく。その過程で自分なりにまとめた考えは、主張提案という形で他者に向けて発信し、共有していくことを行っていかなければいけない。そういった過程が、あなたと社会を結ぶ道筋となり、自分の将来に見通しを持つことが可能となる。


「探究」のプロセスの中で、集めた情報を既存の知識と関連づけたり、順序だてたり、分類したりする様々な思考のスキルを用いる。そもそも「正しい情報を集める」といったことにも技術が必要だ。他者と議論を交わすこと、自分の考えを相手に分かりやすく伝えるといったことも簡単にできるわけではない。この「いさなご探究」の時間では、そういった社会に出た際に必ず必要となる知識や技術を身につけるための大切な授業であることについてもぜひ念頭に置いておいていただきたい。



色々と書いてきたが、何よりも大切であるのは「まず探究を楽しむこと」!!

今まで自分が出会ったことのない世界に遭遇した時、驚きもするが魅了もされる。

知れば知るほどどんどん楽しくなる。遊ぶように学ぶ。そう、これが探究の真髄だ。

楽しくいこうぜ!!



□能勢ゆきについて

突然だが、ここで私の自己紹介をしておこう。このいさなご探究の授業でみなさんと多く関わっていくことになるので、お見知りおきを。

能勢のプロフィール写真.png


名前は能勢 ゆきで、兵庫県西宮市出身。ここ丹後に移住をしてから1年が経っている。

上にも記したが、この探究の授業ではみんなの人生をより豊かなものにしてもらうため、

様々なツールを用意している。その中の一つが、「学びのフィールドを地域と繋ぐ」仲介人(コーディネーター)がいるということ。私はみなさんの学びの幅を広げたり、深めたり、新たな世界を知ってもらうために存在している。学校の先生ではなく、学校と地域の間に入って、みなさんと地域、みなさんと地域住人、みなさんと他の学校の生徒や大学生・大学の先生らと繋ぐ、といったようにその間の橋渡しをする仕事をしている。


ここ丹後地域はもちろん、その他の地域でも人生を楽しんでいる、ずっと学び続けている、人生を賭けて探究活動をしている素敵な大人たちが本当にたくさんいる。


だが、ほとんどの生徒さんがそんな面白い大人たちに会わずして、この町を出てしまうのが現状だ。それはあまりにももったいない!! みなさんに会わせたい大人たちがたくさんいる。地域のことを知りたい、こんな分野に関心があるんだけど専門職の人に話を聞いてみたい、大人たちも巻き込んで、何か一緒にプロジェクトを立ち上げてみたい、進路相談したい...、などなどそれぞれ思いはあるだろうが、みんなのそういった希望を叶えるための「マッチング」をしている人だと認識してもらえると、分かりやすいだろう。


何か困ったときは、ぜひ遠慮なく能勢まで声をかけてね。どうぞよろしくお願いします。



□rootsについて

また、探究活動を深めるためにぜひともみんなに利用してほしい施設があるので、そちらも合わせて紹介しておこう。「roots 京丹後市未来チャレンジ交流センター」という施設だ。

峰山高校からもほど近い、丹海バスの峰山駅のバス停の待合所に併設されている茶色い建物(30番街)の1階にその場所は存在する。(シルバーさんと手芸屋さんの間)

京都銀行峰山支店の向かい側の茶色い建物といった方がわかりやすいかな。


そこは高校生と地域の方々の交流拠点となっている、開かれたコミュニティスペースとなっている。

既に、多くの峰高生が放課後などに利用してくれている。


この場所では、相談員(私もその一人)が常駐しており、みんなの困りごとやチャレンジしたいこと、進路相談などなどありとあらゆる相談ごとにのっている。


そこでは、持ち込まれる相談ごとが解決に向かうように、また誰かの「やってみたい」や「挑みたいこと」が実現するにはどうすれば良いのかを全力で考えたり、サポートしたりすることが行われている。「町の保健室」のような役割を担っている場所だと考えてもらえると分かりやすいかもしれない。


少しプロジェクトの紹介をすると

HP記事ゆるりるーつ.JPG

●将来、幼児教育などに携わりたいと考える高校生と地域のお母さん、子供たちがふれあえるイベントをしたり


HP用緑風高校&峰山高校座談会②.JPG

●他の高校の生徒たちと交流をしたり(写真は峰高生と丹後緑風高校の生徒)


HP用教育を語る会①.JPG

●「教育」について考えたい高校生が地域の教育分野に関心のある人々とディスカッションしたり


例えば探究学習でいうと、週に1回の学校の授業だけではどうしても深められない部分を学習の延長線上としてここを利用してくれる先輩たちがいた。「丹後の伝承」を調べている先輩たちは、地域の「歴史博士」からお話を聞いたり、「古代文明の消滅という事象を現代における社会問題と関連付けて考える」プロジェクトに挑んだ先輩たちは、古代文明や社会問題に関心のある人々に向けて「一緒に話しませんか??」と自分達で発信し、座談会を実施した。

伝承②アップ (1).jpg

●歴史博士との座談会



古代文明全体図(話し合い).jpg

●古代文明と現代の社会問題の共通項を見いだすために話し合いをする高校生と社会人たち



ここでは、みなさんの相談ごとをヒアリングし、一緒に考えてくれそうな大人を紹介したり、大学生や社会人を巻き込んでプロジェクトを立ち上げるような高校生を応援するようなことをしている。具体的な内容については、HPSNSにまとめているのでぜひ一読してほしい。



☆rootsのHP 

☆rootsのFacebook 

☆rootsのInstagram 


何となく、面白そうかも...??と思ってくれたかな?

とにかく! 

今年度はどんなプロジェクトが生まれていくのか、今からとってもワクワクしている。

チャレンジには必ず大変なことも伴うけれど、それ以上にみんなが面白がって楽しんで

行っていれば思いもよらなかった出会いに遭遇したりする。



一緒にいっぱい面白いことをやろう!!

 
COPYRIGHT (C) 京都府立峰山高等学校