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僕たちからの問題提起~あなたにできることは何ですか?~vol.2《グループ協働作業編》

 

さて、あれから「古代文明の滅び~人類の未来~」というテーマで活動していた

グループはどうなったのでしょうか? 

社会人たちとの座談会を行ったことで、何か活動に変化はあったのでしょうか。

(※前記事参照)


彼らの進捗状況を伺ってみましょう。



早速、みんなが作業をしている部屋を訪ねてみると、ストーブを囲むようにして

メンバーそれぞれが何か異なる作業を黙々と行ってる姿が目に飛び込んできました。

古代文明②作業様子.jpg

メンバーは5人いるのですが、どうやら2月に行われる最終報告会に向けて

各々の役割分担をした上で、発表準備に取りかかっていたようです。



前回、新しい視点を得るために社会人との座談会を企画し、参加した2人の生徒は

座談会に来られなかったメンバーに向けて、どんな話し合いが行われたのかについて

プレゼンをし、自分たちがどの切り口で進めていくのか、プロジェクトの方向性を

定める船長役を務めており、別の生徒は船長が示した道しるべをもとに調べてまとめる作業、

そして残りの2人はプレゼン用のスライドをせっせと作っていました。



ここで前回、社会人と対話した生徒に質問を投げかけてみます。

「あれから何か自分の中で変化したことってあったかな?」



彼は、暫く考えた後

「今までは社会問題というと、地球温暖化くらいしか思いつかなかったけど、あの時間、

多くの人たちと話をしたことで、新しい切り口がたくさん見つかりました。

ああやって集まった人の数だけ、新たな着眼点が見つかるわけだからすごく視野が広がりました。

行き詰まりを感じたときにああいう場所を使って、人と話す機会は大事だと気がつきました」



続けてもう一つ質問を。

「現代社会で起こっている何かしらの問題に対して、自分たちなりに何か解決できそうな方法は見つかった?」



「いや、それはまだまとまってないですね...。ただ、前回の座談会で新たな着想を得ることができたので、

そこから何か自分たちにできそうなことを考えていきたいと思います」



「ちなみに今、みんなはどんな発表を考えているの? アウトプットとしてのゴールは、どんなものを目指しているのだろう?」



「ターゲットは、僕たちと同じような年代(若い世代)の人たち。

古代文明の消滅と現代社会の問題の共通点を見いだした後に、まずは僕たちなりに

今できることを聞き手にお話したい。その上で、最後に問題提起を投げかけたいんです。

僕たちは、こんな風に解決策を考えたけれど、あなたたちはどうですか? 何ができそうですか? 

という部分を考えもらえるような発表にするつもりです」



彼らの答えを聞いて、素敵だなと感じました。

問題提起を投げかけて、行動に移してもらう。



スモールアクションが広がっていって、社会問題について考えたり、関心を持ってくれる

人が増えていったら、少しずつ周りの世界は変わってくるかもしれないね。



最後にこんな質問もしてみました。

「みんなの後輩のために教えてほしいんだけど、探究学習をする上で楽しいと感じていることと、

ちょっとしんどいな、と感じる部分を聞かせてもらってもいい?」



「楽しい部分は、自分が関心のあることについて学ぶことができること。

それを他の人たちに伝えられるという機会があるのは、いいなと思います。

逆にしんどいと感じるのは、プロジェクトが行き詰まった時に迷走してしまう時間があったこと。

次にどう動いていけばいいか分からなくて、困った時がありました。

でも、そんな時こそ周りの大人を頼って、色んな人の考えを聞くことが大切だと分かったので、

みなさんも困った時は、色んな人とお話をする機会を作ってみてください!」



たくさん経験してきた先輩の言葉は、やはり心強いですね。

他者との対話を通して、学びに深みが出てくるので、ぜひこれから探究学習やプロジェクトに取り組むみなさんには、多くの人と交わりながら進めていってほしいです。

古代文明プレゼン.jpg 古代文明作業風景②.jpg

そして、この1年間彼らに寄り添って伴走してきた担当の宮木先生(体育科)から一言。


「このチームは、メンバー5人がそれぞれ良い個性を持っていて、自分の役割もきっちり分かっています。

各々がきちんと自分の持ち場を守りながら仕事を頑張ってくれる。

いよいよラストスパート。最後まで彼らなりに走り続けてくれると思います」



※vol.1《社会人との対談編》へ

 
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