学校生活School Life

スクールカウンセラーだより 5月

 

保護者の皆様へ

令和2年5月

スクールカウンセラー 大谷仙学


◇臨時休業中の生徒のストレスとその対応について◇


 新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受けているすべての方々に謹んでお見舞い申し上げます。

 感染症拡大防止のため臨時休業が継続されてきましたが、その中でお子様の日常の様子について不安や懸念を覚えてられる御家庭があるかもしれません。ここでは、お子様が抱えていると思われるストレスとその対応についてご案内いたします。御参考になさってください。

 大きな観点として、「子どもは大人が考える以上に過敏で不安になりやすいこと」「まずは大人が安心感を与えること」「友人、親戚などとの社会的なつながりを維持すること」が大切であると言われています。具体的には次の3点が挙げられます。


(1)感染症への不安と恐怖・強い刺激を持つ情報への対応

 既に感染症の防止と対策について正しい情報が入手できるようになったにも関わらず、ネット上では不確実な情報やデマ、罹患者・医療従事者・物流を担う方などへの誹謗中傷、やむを得ず遠方から来た人への攻撃などがあると言われ、こういった内容に関する報道も多く見られます。また、今後も不確実な情報やデマ、報道が流れることが予想されます。こういった情報に対して適切な対応できる子もいれば、過度な緊張感を抱える子もいます。特に子どもはテレビやネットなどから過度で過激な情報の影響を受けやすく、同じような情報(刺激)を繰り返し受けることで、情緒がさらに不安定になることが分かっています。


☆ヒント:不安になっている子どもには繰り返し安心感を与えるような言葉かけを。
     年齢が低いほど、情報は親が口頭で伝えるだけで十分です。
     大人も含めて、他の事柄に適度に気持ちを切り替えて過ごしましょう。
 (2)長期の自粛による行動の変化
 現在は感染症拡大が頭打ちを見せていますが、それでも様々な影響を受けている私たちは大人・子どもを問わず、落ち着いた行動をとることがまだまだ難しいと言えます。

 不安やストレスを感じた時、それらは主に「いつもと違う気持になる」「体に現れる」「行動に現れる」の3パターンで現れます。

 また「怒りの感情がわき攻撃的になる」「気持ちが不安定になりやすい」「甘えが強まる、幼い言動が見られる」「具合が悪くなってしまったり、眠れなくなったり、衛生面に過度に神経質になりすぎたりする」といった行動は、不安や恐怖から自分を守ろうとする反応であり、決して異常な行動ではありません。お子様にそのような状況が見られましたら、まずは大人自身が落ち着いた言動を取るように心掛け、その後に安心感を与えるような言葉かけや、御家庭が今まで培ってこられた「支えあい」「励ましあい」を行いましょう。


☆ヒント:落ち着いて、丁寧に予防に取り組みましょう。
     過度に神経質になっている場合は安心感を保障し、
     甘えや不安の訴えにはその都度安心を与えてください。

      

(3)経済的影響と、生活の変化によるストレス

 休業の措置により、家庭にとっては経済的な不安、子どもにとっては生活空間の閉塞感によるストレスが大きいでしょう。大人も不安やイライラが募ってしまいますが、それが家庭内で増幅しあわないように気を付けましょう。適度な距離を取ることも必要です。限られた選択肢の中で、少しでも互いのストレスを発散できるように工夫する必要があります。


☆ヒント ・家庭の中での過ごし方を話し合い、生活のリズムが崩れないように気を
      付けます。
     ・栄養のある食事、適度な運動、発散できるような楽しい活動を家族で見
      つけていきましょう。
     ・親子でともに過ごせるときには、できるだけリラックスしたり協力して
      物事をする時間を共有しましょう。
     ・子どももたくさん我慢しています。大人の愚痴を聞かせたり、イライラ
      して叱りすぎないよう、日常のちょっとしたことを褒めて、優しい言葉
      かけをしてあげてください。
     ・密閉・密集・密接の三密に十分気を付けながら、家庭外との交流を図っ
      てください。
 

 その他、別途配布の「こんな時だから伝えたい『レジリエンスの話』」も参考になさってください。


 保護者の皆様にとっては、十分に子ども達に目が向けられない個々の事情があると思います。ストレスをため込まないようにするためにも、お子様のことに関して御心配なことはどうぞ学校にご相談ください。また、地域の保健センター(役場)にも、保健師や相談員がおります。お気軽にご相談ください。

峰山高校 0772-62-1012

   (このたよりは、北海道臨床心理士会教育領域委員会が作成された文章をもとに作成しました。)

 
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