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            「 見送る背中に 」    3月18日 卒業式

 私の大嫌いな寒さが緩んで、目にする景色も少しずつ色彩を取り戻してきたように感じる頃となりました。

 2月に舞鶴赤れんがパークで開催した高等部製品販売会では、製品の準備はもちろん、開店セレモニーや接客、製作実演に備えて練習を積み重ね、また、生徒自らが足を運んで舞鶴市内のあちこちでチラシを配る広報活動を展開して当日を迎えました。開場前から多くの保護者や市民の皆様が集まっていただいた中、「太鼓組」による圧巻の演奏で始まった販売会は、保護者の皆様や卒業生、観光客や市民のほか、市役所の職員や市議会議員の皆様にも多数御来場いただき、ひたむきに接客する子どもたちの姿と積み上げた学習の成果をしっかりと御覧いただく機会になったものと喜んでいます。

 開店後も生徒たちは市役所の出入り口付近や駐車場から近づいてくる人を見つけては「製品販売会、こちらでやってます!」と積極的にチラシを手渡し、結局、平日の昼間ながらもパーク付近に居合わせた方のほとんどが来場していただいたように感じました。たまたま立ち寄られた観光客の方が「いいものがあったわ。」と袋いっぱい買っていただいた品物を手に会場を出られたり、「ラジオで聞いて、これはぜひ行かなきゃ、と思って来たのよ。」と遠くから駆けつけていただいたり、うれしい出会いもたくさんありました。

 この販売会に限らず、ほとんどの子どもたちが卒業後もこの街で暮らし、より自分らしく社会参加していくことを願いとしながら懸命に学ぶ舞鶴支援学校のこと・その子どもたちの姿をもっともっと多くの方に見て、知ってもらいたい、と、学校運営協議会委員の皆様からもたくさんの御助言をいただきながら今年度の教育活動に取り組んできました。5月に感染症の取扱いが変更になり、それまでの窮屈なトンネルの中で過ごしているような気分から、ずいぶん光の差す場所にたどり着いたような気がする中、久しぶりにたくさんの人と出会い、いろいろな場所に出かけ、置き忘れたものを取り戻しに駆け回るような毎日をすごい勢いで重ねて、気が付けば早くも巣立ちの季節を迎えました。

 子どもたちを前に日々知恵を絞って教育活動を進めながらも、送り出す頃には「もっとこんなことができたのではないか」「もっとこんな言葉が掛けられたのではないか」と自問するのが、毎年3月この時期の正直な胸の内です。しかしながら、子どもたちはちゃんと実りある時間を重ねていて、どこか心細げでありながらも、新しい課題に向かっていこうとする心意気を見せてくれるのもまたこの時期の大きな喜びであり、今年もそれを強く感じています。

 よく学び、より鍛えた子どもたち。これから皆さんが進むのは、皆さんが作り、守り、輝くべき社会です。皆さんが懸命に歩いていく姿は、きっとたくさんの人々の感動を呼び、その笑顔は、きっと周りを勇気づけ、明るく照らす光になります。皆さんの母校、舞鶴支援学校は、これからもその最強の応援団でありたいと思います。“卒業おめでとう。そして、明日もよりよく挑め!”…巣立っていくその背中に、声が枯れるほどのエールを送り、御挨拶とします。

                              校長  山本 直之

※ 画面右上に「府立学校特色化応援ファンディング事業」のアイコンを設定しております。ぜひ御覧ください。

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