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療育指導の取組
 療育分野では、自閉症及び発達障害のある児童生徒を対象に、障害特性に応じた効果的な指導・支援が効果的に行われるよう、外部専門家の助言を得ながら、学級担任と療育担当が連携して指導を行っています。
 自閉症のある児童生徒の多くは、集団で活動することに難しさがあります。注目する物や人、曖昧な状況を理解する等といったことに困難さがあること、そして対人面においては自分の気持ちがうまく伝えられなかったり、人と一緒に何かを共有することに困難さがあったりするために見えてくる難しさです。卒業後に児童生徒たちが、人と関わり合いながら社会・地域でより豊かな生活を送るために、生活年齢や学習課題に応じて、適切な集団の規模や目標、活動を設定しています。

[小学部での指導]
 小学部は学校生活の始まりです。「先生に注目してしっかり話を聞く」「指示されたことを 理解して行動する。」という学習規律の基本を、整理した環境と具体的な指示のもとにきちんと身につくようにします。 個別のニーズに応じた指導は、毎日同じ時間帯に取り組む「個別学習」で力をつけていきます。生活に生きる学力を育む観点を持って、『国語・算数・自立活動』の内容を指導しています。「(課題が)できました。」「(わからないので)手伝ってください。」等、自分の気持ちや行動を相手に伝えることも繰り返し行うことで、集団の中でも言葉で伝えることができるようになっていきます。

[中学部での指導]

 中学部では、小学部で培ってきた力をさらに伸ばし、集団の中で活動することを大切に指導しています。「相手のペースに合わせること」「友だちと協力して1つのものを完成させること」を通して、社会性を育んでいくことをねらいに学習を進めています。

   これは、「巨大点つなぎ」という題材です。2人一組のペアになり、床に置かれた紙に書いてある数字の順に、テープをつないでいきます。フロアに広く紙を置くことで、ペアの1人が貼ったテープを押さえてはがれないように協力しあったり、「ちょっと押さえてて」「わかった」等の生徒同士のコミュニケーションが生まれたりしています。
 観察指導として、療育担当が中心指導者となり集団学習を行うこともあります。まずは、集団で歩いたり走ったりして活動の流れを作った後、手をつないで「ゆっくり」「速く」歩くことによって「相手のペースに合わせる」ということを意図的に設定し学習しています。また、「○○先生に集合!」という指示をとおして、人に注目する力や指示を聞く力を育んでいます。


[高等部での指導]
 高等部では、卒業後の就労や生活を見通して、社会におけるマナーや人との関わり方について学習しています。社会生活で必要となるスキルを学習するソーシャルスキルトレーニング等を通して、コミュニケーション能力の伸長を図っています。

 「コミュニケーション能力の伸長」をねらいとした活動の一つとして、友だちと言葉を掛け合って協力しながら作業するということを、ロールプレイやゲームなどの集団活動をとおして学習しています。この活動は、二人で持った棒からボールを落とさないようにしながら、コースを回るリレー形式のゲームです。ここでは、ペアで声を掛けあうことや、相手の動きを見て、自分の動きを調整する力などが求められます。活動をとおして、相手に「せーの!」「後ろに気を付けて!」などの言葉の掛け方や、早く進みたい気持ちがあっても相手の動きを見て、自分もゆっくり動くように調整する力を身に付けていきます。   ロールプレイやゲームなどの集団活動で、友だちへの言葉の掛け方や、協力の仕方を学習した後は、身に付けた力を生活環境や職場環境などに合わせた、より実践的な場面で活用する練習をします。ここでは、言葉の掛け合いや、相手の動きに自分の動きを合わせることのほかにも、困っている友だちを見て「手伝うよ。」と言葉を掛けたり、友だちに「手伝って。」と自ら言葉を掛けたりするなど、場面に応じて自ら他の人に働きかけていく力の伸長もねらいとしています。こういった学習を行うことで、自立活動以外の授業や生活場面でも自ら友だちに言葉を掛けに行ったり、協力しようと働きかけたりすることができるようになっていきます。

 療育担当も児童生徒一人一人の、どういった力を伸ばせばよいのか、また、どのような指導方法で力を伸ばしていけるかということを学級担任と一緒に考え、授業づくりや指導場面に関わっています。 

 
言語指導の取組
 言語指導は、個々の児童生徒の実態に応じて言語面やコミュニケーションの学習をおこなっています。これまでの学習で育ててきた力を基礎に、伝えたい気持ちをふくらませつつ、音声言語やサインなどを使ってコミュニケーションができる力の充実をめざしています。学校生活の様々な場面で一人一人の課題に応じた指導がよりよく行えるように、学級担任との連携を大切にして指導を進めています。

「観察指導」では言語指導室で個別のニーズに合わせた課題に取り組みます。
 文字を見て発音させることで、文字と音を一致させたり、単語を作ったりして音節の学習をしています。
 吸う・吐く等、呼気を調節して、多様な息の使い方や、発音につながる口形の学習をしています。
  「聞くドリル」等の聞く課題を通して、聞いて理解する力を高めたり、パネルシアターやペープサートを動かしてお話づくりの学習をしています。 活動の中で言葉のやりとりを大切にして、コミュニケーション力を養っています。

 ★「入り込み指導」では言語指導担当が学級に入り込んで言語面のアセスメントをし、学級担任が中心となって学習に取り組みます。
 担任と連携し、観察指導で学習していることが日常生活で活かせたり、また違う環境の中でも力が発揮できたりするように指導を深めています。

  ピン球を息でふいて転がすことで呼気を高める発声器官の訓練をしています。
  手の形、位置、動きによって意味を表すマカトンサインを学習しています。視覚的に表し伝えることができます。
  絵本に出てくる登場人物とパーティーをする設定で食べ物を登場人物の口に入れたり、食べる模倣をしたりする等、お話遊びの中でことばのイメージを広げ、指導者や友だちとの関わりを広げています。
 
運動発達の取組

 「運動発達」では、運動機能に弱さや支援の必要のある児童生徒のQOL(生活の質)の向上を目指し、医療機関と連携し、担任と協働して指導を進めています。

授業では、いろいろな支援機器や道具を利用して「楽しく身体を動かそう!」を目標に、子どもたちの能力を最大限に生かせるよう、姿勢や動きを改善し、体力アップを目指す取組を中心に行っています。(下の写真は一例です)

  教室移動時などにウォーカーを使用しています。毎日の積み重ねで、バランス感覚や脚力が向上し、安定した姿勢で長い距離を歩けるようになりました。休み時間に自由に散策したり、ウォーキングレースにも、ウォーカー歩行で参加したりしています。  (小学部)

  リフトで姿勢を維持するだけで自分の行きたい所に自由に移動ができます。体育や音楽の授業でもリフトを使い立位姿勢で友だちと一緒にダンスやサーキット、楽器演奏などにも積極的に取り組んでいます。 (中学部)



  朝のリラクゼーション学習に担任と取り組んだ後、上体を大きく使う練習として週2回ドラムを叩きます。肩や手首がやわらかく使えるとスムーズに演奏ができ、思わずガッツポーズが出ます。余暇につながる活動としても取り組んでいます。 (高等部)




   一人一人の身体の特性に合った指導支援をすることで、子どもたちが『自分でできた』と実感し、楽しい、もっとやりたいと夢中になって取り組む姿や、その中で身体の動かし方を学び、活発に動く事で筋力がつくなど身体機能面の維持・向上が見られます。