単位の目的、仮説との関係、期待される成果 

 農業の基礎基本となる実学を重視し、学術的知識だけではなく、経験を通して必要な知識を選択し、主体的にに学ぶことを重視する。 このような姿勢で研究開発に取り組むことこそが、基礎基本の重要性を再認識でき、地域社会にその成果を還元できる。その経験が生徒一人一人の自信と誇りとなり、科学者として資質を育むと考える。
 また、歴史と伝統ある京都の地で農業の新しい道を模索する。このことは実業教育の部分を残しながら、一方では研究開発を進めていくことであり、大変重要なことである。 伝統を継承するとともに新しい感覚・感性による技術革新を進めていくことで、国際社会で活躍できる科学技術人材育成が可能となると考える。

内容 

 平成19年に文部科学省より指定を受けた「めざせスペシャリスト」事業では、科学的な知識・技能・思考力、判断力及び表現力を培うことは難しい。 そこで継続的・効果的に行えるように、3年間を通して学習する形態を設定し、さらに学科枠を取り外し、研究目的ごとのグループ(ゼミ)編成としたTAFFプログラムを開発した。 これにより、各研究グループはそれぞれの学習内容を、立体的に組み合わせて研究を進める形態とし、上級生が卒業しても取り組んでいる内容が下級生に引き継がれ、研究内容も深化させることができた。 また、各研究グループ間及び関係する大学・研究機関・関連企業・農家等とも情報交換・技術交流を積極的に行うことで、より質の高い的確な課題解決ができる授業形態とし、 その成果を地域や社会に発表し、農業振興の一助とするとともに、専門高校が「地域の農業技術センター」としての役割を高めていく中で、 「農業技術立国」を支える研究者や技術者に必要な能力を養うことができるようにした。TAFFプログラムの実行に当たり、1年次に共同栽培研究プログラムであるS-TAFF(SはSupportの略)を設けた。 このプログラムでは共同で栽培に取り組むことにより、栽培技術の向上はもとより、共同で調査、観察、考察する態度を養い、共同で研究し取り組む姿勢を身に付けることを目的としている。 TAFFプログラム実施には、細やかな指導が必要であるため専門学科の全教職員が指導にあたっている。
 しかし全教職員が研究テーマを設定し、個々にゼミを展開するTAFFプログラムは、個々の教職員の力量に左右されやすく、人事異動により、研究活動を継続できないゼミも出てきた。 そこで継続的に研究を行うために、これまで実施してきた研究グループの形態をゼミ形式から、ひとつの研究テーマについて複数の教職員を配置する研究室形式に改めることとした。これにより、 継続性が高められ、より深化した研究ができるばかりでなく、成果を上げた教職員の優れた指導方法を他の教職員にも伝えることができる。教職員体制の組織化は研究活動の効率を高めるだけでなく、 一部の優秀な教員の特殊なプログラムから、汎用性の高い教育課程とした。つまり、今回の研究開発では、これまで成果を上げてきたTAFFプログラムを踏襲しつつ、その課題を改善したTAFSプログラムを実施する。 さらに、専門学科の特性を活かし、研究活動を通して各科目を自発的に学習できる環境を作る。これによって、必要とされる学力と表現力を身に付け、 国際的に通用する科学者の育成を目指した専門学科の教育課程を開発する。

方法 

 これまで実施してきた課題研究であるTAFFの形態は、農業の新しい道を切り拓くスペシャリストを育成することを目的に、 現在大きな3つの研究テーマを置き、12のゼミを展開している。問題を解決しながら、基礎基本の重要性に気づき、応用力、実践力を身に付けることで自信を持ち、地域との関わりを持ちながら、 さらに研究が深まるようにしている。これまで生徒数10〜16名と1人の担当指導教職員で構成されるゼミ形式を展開してきたが、これを見直し、 生徒数40名程度に複数の担当指導教職員で構成される研究室を4つ設置したTAFSプログラムを実施する。このように同一の研究テーマを多人数で共有することにより、広く深化した研究内容を継続させる。 そして大学との連携を強化し、大学院生にTA(Technical Asistant)を依頼して高度な研究活動を展開する。
   「S-TAFF」において実施してきたTT(Team Teaching)の体制を見直し、各教職員の資質を十分に活かした体制の「S-TAFS」とする。
 4つの研究室の割り振りと各指導教職員の研究テーマは以下の通りである。

1 環境保護研究室

2 遺伝資源保護(京野菜)研究室

3 育種研究室

4 農業研究室

 研究活動を通して、日本固有種であるノシバの保護活動、京の伝統野菜に対する研究で、生徒は伝統文化の大切さを認識すると同時に、 グローバルな視点で物事を見つめる力を育むことができる。

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