事
例
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応用行動分析を利用したアセスメントと指導
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概
要
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中学校
より場面緘黙との引き継ぎを受けた生徒に関して、対人関係や生育歴等を中心にアセスメントを行い、卒業後の進路を見通した指導を行った。
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具体的内容
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<主訴>
・ 兄や特別支援学級担任とは話ができるが、それ以外の場面では、「うなづく」「首を振る」等の返事がほとんどである。
・ 登下校では走る場面があるのに、それ以外の場面では動作が緩慢で、体育の50m走や持久走では歩く程度の速度しか出せない。
<アセスメント結果>
・ 表情は豊かで、指導者相手におどけるような表情をしたり、教師のダジャレに吹き出すことがある。
→ コミュニケーションができないわけではない。
・ 指導者の指示に対して、わざと逆のことをしたり、自己流のやり方を通そうとする。
→ 言葉以外の自己主張はしている。
・ 声は小さいが、号令や自己紹介などの定型の言葉、紙に書いたセリフは話すことができる。
→ 全く言葉を発しないわけではない。
<分析>
・ 「WISC3」による分析では、群指数の「言語理解」が、他のどれよりも低い。
→簡単な言語反応は得意だが、複雑な言語概念化が苦手
・ 中学校の担任からの引き継ぎで、幼少期家庭での体罰と放任があったことがわかる。
→生育歴での対人関係、言語環境の問題、自己肯定感の低さ
・ 日常の行動パターンを観察した結果、本人にとり無言であることが利益になる様々な場面がみられた。
・ 相手を困らせるためともとれる状況での無言もみられた。
<指導仮説・方略>
・ 文字等、理解できる方法で説明し、伝わったことを確認する。(コミュニケーション環境の検討)
・ 日常の声かけを意識し、放課後に好きな活動をする。(好ましい対人関係の構築、自己肯定感の向上)
・ マイルールで通用していたことを検討し、誤学習、無学習を計画的に修正する。(規範意識の学習)
<結果>
・ タイマーや記録表を見て振り返ることで、短距離や持久走で「歩く」と「走る」の違いがわかり、好タイムを出すことができた。
・ 以前は指導者の指示の意味がわからないようで、夏服、冬服の切り替えができなかったが、衣替えの意味の説明と事前の告知で、次の年度には改善された。
・ あいさつや報告の練習を繰り返し、必要な場面で最低限のあいさつや報告ができるようになった。
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