城陽支援学校地域支援センター「サポートJOYO」
実践事例紹介1
事 例
「気 になる子どもの指導について」〜社会的スキル学習〜
概 要
 頻繁に 手洗いをする高機能自閉症生徒に対して、アセスメントを行い、複数のアプローチを行い、問題となる行動を解消し、社会的スキルを身につける指導を続けるこ とで、当初困難が予想された職場実習に参加できた事例。
具体的内容
<主訴>
・ 気になることがあると5分以上手を洗わなければ気がすまず、しばしば授業中にも手を洗いに行く。
・ 雑巾がけをいやがり、掃除の活動自体も回避的である。
・ 薬品や体に悪いと本人が思う物には触ることを拒否する。

<アセスメント結果> 〜本人への聴き取り、教師の観察に基づくアセスメント〜
・ 大きなストレスがあった後、長時間手を洗っていることが多い。→ 気分の切り替え
・ 難しい課題、嫌な課題等の時にその場を離れて手を洗うことが多い。→ 課題回避
・ 雑巾の汚れ(バイ菌)が気になり、触れないと同時に、そのような活動もやりたくないと思っているようだ。 → 思いこみによる過大な不安

<分析>
・ ストレスが高いほど、手のバイ菌を「感じる」度合いが大きい。
・ 手を洗うことで結果的に難しい課題、嫌な課題から逃げられる。
・ 必要以上に石けんをつけるので、ぬるぬる感が長く残り、嫌なようである。
・ 間違った理解に基づいて、過大な健康不安を感じているが、嫌な課題を避ける結果にもなっている。

<指導仮説・方略>
(1) 場面ごとの様々なストレスの軽減を行う。(指導環境、授業内容、指示の方法等の検討と改善)
(2) 本人が理解できる説明や将来を見通した約束によって、困った習慣をリセットする。
(3) 不安やストレスの克服法を提示し、スモールステップで解消するトレーニングを行う。

<結果>   
 3つの方略を並行して実施した結果、徐々に手洗いは軽減され、2週間程度でほぼ問題のないレベルになった。また、効果のあった方略を利用して機械油で汚 れた自動車部品工場での職場実習ができた。

本校の実践を要約したもの です。個人情報の観点から、手直しをしている部分があります。
実際の指導においては十分なアセスメントが必要です。お問い合わせ、相談は「サポートJOYO」までお願いします。 

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