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学校紹介

 

 開校二年目にあたる昭和49年3月に植樹された玄関横の白梅が、今年も清楚な花を咲かせ始めました。春の訪れを感じられる今日の良き日、京都府立城陽高等学校第47回卒業式を挙行するにあたり、保護者の皆様の御臨席を賜り、誠にありがとうございます。高段からではございますが厚く御礼申し上げます。お子様が、高等学校の課程を修了され、本校を卒業されます今日のこの日を、万感の思いで迎えられたことと存じます。教職員を代表いたしまして、心からお祝いを申し上げます。

 改めて、ただ今卒業証書を授与した292名の皆さん、卒業おめでとうございます。本日をもって、皆さんの城陽高校での学生生活は完結することとなります。皆さんにとって高校生活最後の一年は、新型コロナウイルスに振り回された一年となりました。これまでの充実した高校生活が一変し、さまざまな我慢や変更を強いられた一年であったと思います。そんな中、皆さんは自分を見失うことなく、それぞれの目標に向かって努力を続けてきました。そして、いよいよ今日、皆さんはこの高校という枠組みを超えて、より広く大きな世界に羽ばたいていくことになります。

 卒業に際し、私から二つのメッセージを皆さんに贈りたいと思います。

 一つ目は、流される人間ではなく、自分の頭で考え、自分の意志で歩む人間になってほしいということです。現在は高度情報化社会であり、スマホさえあれば、自分の欲しい情報が簡単にすぐに手に入ります。また、望む望まざるに関わらず、日々刻々と新しい情報が洪水のように押し寄せてきます。しかし、皆さんが手軽に手に入れたその情報は、本当に自分にとって正しい情報なのでしょうか。大量の無意味な情報に流されて漂流し、気がつけば自分の進むべき方向が分からなくなっているということはないでしょうか。そうならないためには、目の前にある情報が、自分にとってどういった意味があるのかということを、自分自身の頭で考え、自分自身の意志でどう対処するのかを決めなければなりません。その際に重要な基準となるのが、「自分自身にとって何が大切なのか」という価値観です。卒業生の皆さんの価値観は、まだまだ発展途上にあると思います。自分の中に確固たる価値観を築き上げるためには、多様な人々と交流し、多様な価値観に触れ、自分自身の価値観を見直し続けることが大切です。ぜひ、狭い世界から飛び出して、多くの経験を積んで、自分自身をアップグレードし続けてください。そうすれば、きっと、自分自身の人生を主体的に生き抜くことができるでしょう。

 もう一つは、人類にとってより良い未来を築くのは皆さん自身であるということです。地球上の環境破壊、紛争、差別、貧困などをなくし、持続可能な明るい未来を築くためには、全ての人類が、自分たちの子孫や地球のために努力を続けなければならないのです。そのための指標として国連で定められたのがSDGsの17のゴールです。これを2030年までに達成しようと、世界中の国々で多くの人々がさまざまなことに取り組んでいますが、残念なことにコロナ禍により大きく後退してしまったものもあります。ぜひ皆さん自身も地球上で生きる人類の一員として、自分の目の前の狭い世界だけではなく、グローバルな視点を持って、地球上の「誰一人取り残さない」幸せな未来を築き上げるために、それぞれが出来ることに取り組んでもらいたいと思います。

 皆さんは明日からは城陽高校の卒業生になります。我々教職員にとって、教え子が社会で立派に活躍してくれることは、この上ない喜びです。皆さんの活躍を心から祈っています。本校は、今年の十月に記念すべき50周年を迎えます。50年を契機に城陽高校もさらなる発展を目指します。皆さんも母校である城陽高校のこれからの姿を見守り続けてください。

 終わりになりましたが、卒業式に御臨席いただきました保護者の皆様方には、これまでの間、本校の教育活動に多大なる御支援と御協力を賜り、心より感謝申し上げます。今後も引き続き、城陽高校発展のためにお力添えくださいますようお願い申し上げます。

 それでは、卒業生の皆さんの前途に幸多きことを心より祈念し、私の式辞といたします。

 令和3年3月1日

京都府立城陽高等学校 

校 長  畑中 正文