第1章 生涯スポーツ推進プラン 

今後5年間のステップ


U 「総合型地域スポーツクラブ」で、いきいきした「まちづくり」を進めます

総合型地域スポーツクラブは、スポーツを核とするクラブ活動をとおして住民が広く絆を強め、地域が持つさまざまな価値(教育、文化、健康、安心、安全、福祉など)の再構築、さらには新たな創造による地域力の向上に大きく寄与するものでり、単にスポーツ振興にとどまることなく、未来につなぐ地域コミュニティ形成の一役を担うものです。

 また、スポーツや地域活動に主体的に参加したいという人々の積極的な発想により、これまでにないような地域の思いや活動を具現化する大きな可能性を秘めています。

 そのため、京都府民の気質と京都のスポーツ風土をおおいに盛り込み、京都にふさわしい総合型地域スポーツクラブの育成を推進します。

「総合型地域スポーツクラブ設立・準備状況について」もご覧下さい


<NOTE>

この欄は、以下の『 』で示す計画当初版各施策と今回の改定との関連を示しています。

1 『地域の特色を生かした「総合型地域スポーツクラブ」の育成』

2 『選手の発掘・育成・強化を目指した「総合型地域スポーツクラブ」の育成』

3 『学校体育施設を拠点とした「総合型地域スポーツクラブ」の育成』

 これらの内容を「京都にふさわしい総合型地域スポーツクラブの在り方とその育成」に統合し、発展させます。

 総合型地域スポーツクラブづくりのポイント

 文部科学省が総合型地域スポーツクラブの在り方について、その形態や運営等を定義的に示していますが、全国各地の実情から一様にそのようなクラブづくりを望むことは容易ではありません。

 そこで、京都府として総合型地域スポーツクラブづくりのポイントを次のようにまとめ、府民への普及・啓発に努めます。

「より多くの地域の人々が集まり」

(1) 「スポーツをしたくても機会がなかった人」のスポーツ参加を勧めるクラブ

(方向性)
「集まった人みんなの手によって」

(2) 地域の人々が会員となり、主としてその会費によって運営を行うクラブ

(運営)

(3) 会員自らが運営に参加し、それぞれのニーズに応じていろいろなアイデアを結集することができるクラブ

(方向性、運営)
「自らのために、地域のために、地域の人々とともに」

(4) 地域内の集まりやすいスポーツ施設を拠点として、日常的にスポーツを実践することができるクラブ

(形態)

(5) スポーツをとおして地域力を高めるクラブ

(地域貢献、方向性)
「種目・世代・志向に広がりを求めて」活動するクラブ

(6) 地域のスポーツ風土に応じて、運動やスポーツの種目、参加する世代、スポーツの志向(目的や参加方法)を柔軟に考え、段階的にその広がりを求めながら成長しつづけるクラブ

(形態)
 総合型地域スポーツクラブのタイプ

 総合型地域スポーツクラブは、さまざまな志向や年齢層の会員 から構成されるもので、これまでから醸成されてきた京都府のスポーツ風土を活かすことは、今後のクラブ育成を進める上で大変重要です。その観点から見ると次のようなクラブのタイプが考えられます。

「京都府における総合型地域スポーツクラブの将来像」もご覧下さい
(1)地域で楽しむクラブ(いきいき・わいわいクラブ)

身近な地域で、「スポーツが得意、好きな人」だけではなく、 「スポーツをしたくてもできなかった人」、「スポーツをこれまでしてこなかった人」が気軽に参加できるクラブ

(2)可能性を引き出すクラブ(わくわく・すくすくクラブ)

活動の内容や方法等を洗練し、スポーツの質を高めるクラブ

(3)競技力を高めるクラブ(めきめき・ぐんぐんクラブ)

京都府内でトップアスリートを目指し、スポーツを極めるためのクラブ

総合型地域スポーツクラブ創設・育成に向けた新たな課題(クラブ間連携組織の育成)に対応しています。

4 『総合型地域スポーツクラブ運営にかかわる人材の育成』

5 『スポーツ情報のネットワークシステムの充実』

について、総合型地域スポーツクラブの活動に係る府、市町村等それぞれの支援に焦点を当て、推進します。

 総合型地域スポーツクラブの相互連携促進

 京都府では、これまでから近隣市町村や体育関係団体の連携・交流が大変緊密であり、本府のスポーツ風土の醸成に大きく貢献してきました。このような京都府の特性は、今後も活かすべき大きな財産であると言えます。

 本来、クラブの運営はクラブ毎に行われるものですが、本府の特長を活かしながら相互に連携することにより、事業内容の充実 や効率的な運営が進められると考えられます。

 そのため、平成17年に「京都府総合型地域スポーツクラブ連絡協議会」が設立されました。交流会の開催、協働事業の調整、指導者の共有や相互派遣、運営実務の協働化の促進等について協議を重ね、事業を展開しています。今後もその活動充実を支援します。

 総合型地域スポーツクラブの育成支援体制の充実

 総合型地域スポーツクラブの運営は、基本的に会員の会費を中心とした受益者負担が原則ですが、クラブ育成に係り、単一クラブでは取組むことが困難な内容もあります。

 その場合、京都府、市町村等が次のような支援を行う必要があります。

(1) 京都府広域スポーツセンターからの支援

<人材育成に関すること>

クラブマネジャー等のマネジメントスタッフの育成

ボランティア等のクラブ運営支援者の育成と確保

<クラブ運営、広報・啓発に関すること>

クラブ運営に対する指導・助言、研修会の開催

競技団体・市町村体育団体等の連携の促進

各クラブの紹介等、府民への啓発

各クラブと「公」、「民」、「学」の協働の促進

府民のスポーツニーズの分析とその情報提供

情報ネットワークシステムを活用したクラブ相互の情報ネットワーク構築

<施設に関すること>

有効なクラブハウスの設置方法

府立・市町村立スポーツ施設、学校等を拠点とする場合の有効な使用方法

(2) 市町村からの支援

<人材育成に関すること>

競技団体・市町村体育団体等からの指導者の派遣調整

<クラブ運営、広報・啓発に関すること>

地域のスポーツ振興事業の開催・運営の協働

クラブ運営・事業に対する財政的支援

競技団体・市町村体育団体等の連携の促進

住民へのクラブの紹介

住民のスポーツニーズの分析とその情報提供

情報ネットワークシステムを活用したクラブ相互の情報ネットワーク構築

<施設に関すること>

クラブハウス設置の支援

市町村立スポーツ施設、学校等を拠点とする場合の優先的使用の調整

市町村スポーツ施設等の管理運営の委託

(3) 財団法人京都府体育協会からの支援

 これまで、総合型地域スポーツクラブの創設は、文部科学省やスポーツ振興くじ(toto)の助成や各都道府県、市町村等の支援により行われていますが、現在活動を行っているクラブへの支援は、十分であるとは言えません。

 そのため、府内の総合型地域スポーツクラブの育成と活動の活性化に向けて、財団法人京都府体育協会から、次のような内容を対象として支援を行います。

既存の総合型地域スポーツクラブが、地域間のコミュニティを促進する活動

競技団体及び地域スポーツ施設、その他の団体が、世代間のコミュニティを促進する活動

6 『スポーツを楽しむための「スポーツガイド」の作成』

この内容については、今後、施策化を推進します。