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8月3日(月) 午前の部 9:30〜12:30
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小 学 校 |
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「算数科における言語活動の充実で授業はどう変わるか」
埼玉大学教授 金本 良通
言語活動の充実は、今回の小学校・中学校・高等学校の学習指導要領改訂の大きな柱であった。言語活動の充実は、目標への「表現する能力」の位置づけをはじめとして、算数科の教育課程にどのように盛り込まれたのか。基礎的・基本的な知識・技能の習得とともに、どのような内容あるいは「力」を身に付けさせたいと考えているのか。さらには、そのために、どのような言語活動を充実させ、また、高めていくことが期待されているのか。これらのことについて整理をし、また、授業の具体的な展開例を基に講義を進めることとしたい。 |
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中 学 校 |
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「数学科の学習指導における言語活動の充実― 数学的リテラシーの育成を視野に ―」
筑波大学大学院教授 清水 美憲
改訂学習指導要領では,教育課程編成の一般方針に,生徒の言語活動を充実することが示された。これは,言語が知的活動やコミュニケーション,感性・情緒の基盤であるとの認識に基づき,国語科に限らず各教科等においても,記録,説明,論述,討論等といった学習活動を充実することを求めるものである。
この方針を受け,数学科の目標には事象を数理的に考察し表現する能力を高める」ことが示され,指導上の配慮事項として,数学的活動の過程を振り返り,レポートにまとめ発表すること等を通して,その成果を共有する機会を設けることが示された。また,全国学力・学習状況調査でも,記述式の問題が出題され,事柄や方法,理由等を説明することが重視されている。
本講習では,事柄を簡潔に説明する言語としての数学の性格に注意しつつ,言語活動の充実を図るこれからの数学科の学習指導のあり方を,数学的リテラシーの育成を視野に入れて考える。 |
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高等学校 |
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「わかる授業について」
奈良教育大学教職大学院教授 吉田 明史
今回の改訂では、数学的活動の充実、概念、原理・法則の体系的な理解、数学のよさの 認識、考察し表現する力、知識等の活用力などが求められている。この中で、表現力、知識の活用力はPISA調査でも課題となったところであり、どのように指導を変えていけばよいかについての議論は高まりつつある。
本講義では、その経緯にも触れながら、一方で、概念、原理・法則の「(体系的な)理解」と数学のよさの「認識」に着目する。
特に、高等学校数学においては「問題解き」と見なされる授業が多い。「問題を解くことができるようにする指導」と、「問題の意味等をわかるようにする指導」との関係を考察し、後者の「わかること」を大切にする授業とは何かを具体的に考える。 |
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