~小学校3・4年生(前思春期)という時期とは~
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平成27年度「今を生きる子どものこころ」講座を受講した全校種の教職員315人が回答
京都府総合教育センターでは、平成27年度から「前思春期に学校不適応の萌芽があるのではないか」という仮説のもと、学校不適応の未然防止のために研究を進めています。
「学校不適応」とは本研究では、いじめや不登校、非行、学業不振、友人関係など学校に関わる様々な適応の困難さとしてとらえています。 |
「前思春期」とは本研究では、身体的な成長などから、11歳は思春期の移行期ととらえ、9・10歳、つまり小学校3・4年生を「前思春期」と定義しました。 |
学力面で個人差が出始める学年![]() 学力面で個人差が出始める学年は「小3」「小4」に回答が多い傾向が見られました。 |
子どもが成長する過程で大きく変化する節目の学年![]() 子どもが成長する過程で大きく変化する節目の学年は「小4」に回答が多い傾向が見られました。 |
欠席が目立ち始めた学年(不登校児童生徒に直接関わった経験がある全校種の教職員265人が回答) ![]() 欠席が目立ち始めた学年は校種が変わる「中1」「高1」の時期に続いて、「小4」に回答が多い傾向が見られました。 |
上記のグラフの構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。 |
知的能力の発達の観点から◆友達関係の中で、自分とは異なる価値観があることを理解するようになります。 ◆自分のことばや行動、考えや気持ちを振り返ることができるようになります。 →自分の視点を中心に考えるのではなく、友達の視点を取り入れて、より適切な思考ができたり、様々な気持ちを理解したりすることができるようになります。 |
関係性の発達の観点から◆親や教職員との関係より、仲間との秘密を大事にしたくなります。 →同世代の強固な仲間関係の中で、ルールを守ることや互いに協力することを学びます。 ◆同性の特定の一人の「大の親友」ができ始めるようになります。 →この一対一の親密関係ができることは、その後の対人関係の安定にもつながります。 |
自発性の発達の観点から◆同世代との「遊び」を通して、自発性がはぐくまれていきます。 ◆「遊び」は前思春期の子どもの成長全般を下支えしています。 →子どもたちは遊びを通して、自分のこころを表現したり、社会性を獲得したり、また行動や気持ちをコントロールする力をはぐくみます。 |
学校における社会性の発達の観点から◆努力を積み上げる姿勢(勤勉性)を養う大切な時期であるとともに、努力してもうまくいかない経験によって感じる劣等感を抱きやすい時期です。 ◆「自分はできるんだ」という成就感の積み重ね(有能感)を得ることが大切です。 →この時期に得られる「有能感」は、社会で生きていく上での欠かせないこころの支えになります。 |
ITEC - 京都府総合教育センター